
猫は鮭(サーモン)を食べても大丈夫!生や皮、骨など注意点も
「鮭」といえば私たちにとって朝ごはんの定番ですが、猫も鮭を食べて大丈夫です。今回は、鮭に含まれる栄養素や、がんや腎臓病などに効くと言われる成分、骨や生など気を付けることを紹介します。
猫は鮭を食べても大丈夫

猫は鮭を食べても大丈夫です。良質なたんぱく質が豊富に含まれるとともに、鮭には炎症を抑える免疫作用があり、猫の毛質をつややかで健康的に保つ効果が期待できます。オメガ3脂肪酸が含まれるため、がん予防につながるとされています。
猫が鮭(サーモン)を食べる際の注意点

猫が鮭(サーモン)を食べる際の注意点を紹介します。
アニサキスに注意
天然ものの鮭には、昨今話題になっている寄生虫「アニサキス」よる食中毒の心配があります。東京都感染症情報センターによると、アラスカ産の天然ものシロザケのアニサキス寄生率は100%だったそうです。ただ、刺し身として一般的に流通している鮭は養殖もので、寄生虫の心配はほぼありません。先ほどの調査でも養殖ものの寄生率は0%でした。また天然ものでも適切に冷凍処理されていればアニサキスは死滅しているので問題ありません。鮭には細かい骨があるため、骨が器官や胃腸に刺さってしまう可能性があります。そのため、細かな骨もきちんと取り除いてから与えてあげましょう。
参照:都内流通サケ・マス類からのアニサキスⅠ型(Anisakis simplex)第3期幼虫の検出状況(東京都感染症情報センター)
鮭の皮は大丈夫?
鮭の皮には、豊富なコラーゲンが含まれています。コラーゲンは関節の滑りを良くする効果があるため、猫にとっても安心で健康的な食材です。切り刻んで与えてあげると良いでしょう。気を付けたいのは、焼いた鮭の皮です。焦げていることが多いため、与えないようにしましょう。鮭の白子は大丈夫?
鮭の白子は水分が80%で、たんぱく質が15%、そのほか脂質、炭水化物、ナトリウム、ミネラル、DNA(核酸)、プロタミンが含まれています。核酸もオメガ3脂肪酸同様に、がん細胞を殺すと言われています。また、プロタミンはアルギニンという成分が含まれ、インシュリンの分泌を活発にするため、糖尿病や腎不全などの腎臓病予防にもつながるとされています。味付けはNG
猫に鮭を与える場合は、何も味付けをせずに、茹でるか蒸すかして与えてあげましょう。鮭のフレークや缶詰など味付けされたフードは、塩分などが多く含まれているため、与えないようにしましょう。また、油や塩、胡椒は健康ではないので、使わずに調理しましょう。玉ねぎなどの調味料も使わないようにしましょう。アレルギーに注意
鮭にはアレルギー成分が含まれています。もし与えてから皮膚に痒みなどが見られた場合、アレルギーの可能性があるため、動物病院に相談するようにしましょう。猫に鮭を与える際の最適な量

鮭を総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。1日の最適カロリー量はペトことオリジナルのドッグフード「PETOKOTO FOODS」の「フード診断」(無料)で簡単に計算することができます。
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もし猫が鮭を食べて体調を崩した場合の対処法
鮭の身自体に中毒成分はありませんが、普段食べ慣れていないものを食べた場合、体調を崩してしまうことがあります。また、骨などが刺さってしまうと嘔吐や下痢、腸閉塞を起こす可能性もあります。もし猫に鮭を食べさせていつもと違う様子が見られる場合、早めに動物病院に相談しましょう。その際に、どのくらい、いつ鮭を食べて、どういった調理方法で与えたかをきちんと説明しましょう。サケとサーモンの違いは?

鮭は、サケ科サケ属の魚で、正式名称はサケ、もしくはシロザケです。回転寿司やお刺身などでサーモン、トラウトサーモンと呼ばれているものはシロザケではなくサケ科タイヘイヨウサケ属のニジマスです。またベニザケ(ヒメマス)はサケ属ではなくサケ科タイヘイヨウサケ属の魚です。名称には歴史的な経緯があるため詳細は割愛し、同じ鮭類の魚として紹介します。
鮭は、消化・吸収に良い良質なたんぱく質が豊富で、脂肪分もEPAやDHAなど不飽和脂肪酸が中心のため、健康的な食材です。鮭に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、血中のコレステロールを抑えて血液の流れを良くする効果があります。これらはオメガ3脂肪酸と呼ばれます。人間だと、動脈硬化や血栓、高血圧を予防してくれます。他にもビタミンが豊富です。また、鮭の赤い身は、天然色素の一種であるアスタキサンチンによるもので、この色素は体の中で有害な活性酸素を除去する働きをします。活性酸素は細胞を酸化させるため、細胞のがん化や老化を抑えると言われています。そのため、鮭は、人間にとって非常に健康的な食材なのです。
猫に鮭は健康的!楽しい猫食ライフを

猫にとって鮭は、皮まで健康的な食材です。一方で生や骨とアレルギーには注意して食べさせてあげると良いでしょう。基本的に手作りごはんは栄養に偏りが出るため、獣医師にレシピを提案してもらったり、毎日栄養を考えられる方以外は、キャットフードのトッピングやおやつとして与えてあげることをオススメします。人間にとって美味しい食材でも、猫にとっては危険な食べ物もたくさんあります。それらをきちんと理解した上で、楽しいペットとの食ライフを過ごしてください。
参考文献
- 阿部又信(2008)『小動物栄養学』ファームプレス
- 「アニサキスによる食中毒(アニサキス症)について」(厚生労働省)
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