【獣医師執筆】猫は海苔を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫は海苔を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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猫は海苔を食べても大丈夫です。海苔が好きな猫も多く、おやつとしてもいいのですが、消化はあまり良いものではありません。ミネラルが多く与え過ぎは結石の原因になったり、小さくちぎらないと詰まらせたりするリスクがあります。与えていい量や与え方の注意点を解説します。

猫は海苔を食べても大丈夫

海苔

海苔にはカリウムやマグネシウムなどが豊富に含まれ、猫が食べても大丈夫な食材です。ただしミネラルが多く含まれることから心臓や腎臓、結石などの不安がある子は食べすぎに注意が必要です。

海苔に含まれる栄養素

エネルギー 297kcal
水分 2.3g
タンパク質 41.4g
糖質 8.3g
カリウム 2400mg
マグネシウム 300mg
ヨウ素 2100μg
ビタミンA 2300μg
葉酸 1900μg
EPA 1200mg
食物繊維 36.0g
※焼き海苔(アマノリ)100g当たり、参照:「食品成分データベース」(文部科学省)

栄養素
特徴
カリウム 過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。腎臓が弱っている場合は過剰になり心臓にダメージを与えてしまいます。摂取量に注意が必要です。
マグネシウム 骨を作り心臓を動かすために欠かせないミネラルで不足すると骨粗鬆症や不整脈などの心疾患につながります。過剰摂取ではストルバイト結石のリスクを高めるため、摂取量に注意が必要です。
ヨウ素 ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料になるミネラルです。甲状腺ホルモンはタンパク質の合成や成長ホルモンの分泌に関わり、皮膚や被毛の健康につながります。不足すると甲状腺の機能が低下し、体力低下や甲状腺腫の原因になります。
ビタミンA(レチノール) ビタミンAは健康な被毛を保ち、視力維持にも役立ちます。不足することで免疫力の低下や骨の形成不全につながります。猫はβカロテンからビタミンAを合成できないため、食材から摂る必要があります。
葉酸 体の細胞の生まれ変わりや成長をサポートするという大切な役割を持ち、「造血のビタミン」と呼ばれます。不足すると貧血や免疫力の低下につながります。
EPA EPAは抗炎症作用があり、アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、腹膜炎、大腸炎、歯周病などを緩和する効果があります(※1)。抗がん作用も期待され(※2)、腎不全など腎臓病の軽減につながると考えられています。
食物繊維 腸内細菌のエサとなって腸内環境を改善したり、食後の血糖上昇をゆるやかにして糖尿病を予防したりします。水溶性は満腹感の持続や下痢の改善、不溶性は便秘の改善などの効果が期待できます。

※参照1:『小動物の臨床栄養学』、※参照2 「がんとEPA」(日本静脈経腸栄養学会)

タウリン

血液中のコレステロールや中性脂肪を減らしたり、肝臓の解毒能力を強化したり、インスリンの分泌を促進して糖尿病を予防たりする働きがあります。

猫に海苔を与える際の注意点

海苔

海苔には適量であればプラスの働きをしてくれるのにも関わらず、摂取しすぎてしまうとマイナスの働きをしてしまい、尿路結石や下痢等の原因となってしまう恐れがある成分が含まれています。一度確認しておきましょう。

01【猫に海苔を与える際の注意点】尿路結石

海苔には適切な量を摂取すればプラスの働きをしてくれますが、過剰に摂取してしまうと尿路結石(尿石症)の原因となってしまうマグネシウムが含まれています。

海苔1枚を食べることによってマグネシウムの量が極端に増えたり、すぐ結石ができるわけではありませんが、日常的にマグネシウム等のミネラルが多い食品などを多く食べているていると、腎臓、尿管、膀胱、尿道の中で結石ができてしまう恐れがあります。




02【猫に海苔を与える際の注意点】下痢

海苔は食物繊維が豊富な食材です。食物繊維は腸内に溜まった不要な老廃物を排泄する働きがあり、お通じを良くするのに効果的です。ただし、食物繊維は消化されないために摂取しすぎると下痢をしてしまう原因となってしまいます。

03【猫に海苔を与える際の注意点】窒息

海苔は喉にくっつきやすいため、窒息死の原因となる可能性があります。与える際は小さくして、少量ずつ様子を見ながら与えるようにしてください。

猫に海苔を与えていい量

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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猫に海苔を与える場合は最低限に

ねこ

猫は少量なら海苔を食べても大丈夫な食材ですが、前述の通り、与える際には注意点もあります。

また、海苔に関わらず人間が普段食べている食材でも、猫が食べてはいけないものも多数存在します。海苔に限らず「この食べ物を猫は食べていいのかな?」と疑問に思った場合は、すぐに調べるようにしましょう!


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