【獣医師執筆】猫はアスパラガスを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説
春から初夏にかけて美味しいアスパラガス。ボイルしたり、ベーコンなどに巻いたりして食べても美味しいですよね。しかし猫はアスパラガスを食べても大丈夫なのでしょうか? 今回は、アスパラガスの栄養成分や猫にアスパラガスを与える際の注意点などを紹介します。
猫はアスパラを食べても大丈夫
猫はアスパラガスを食べても大丈夫です。与えても中毒症状は起こしませんが、消化不良でないかなどを考慮した上で、キャットフードのトッピング、おやつとして与えてあげましょう。
猫が食べて良いアスパラガスの栄養成分
アスパラガスは、アミノ酸の一種で新陳代謝を促し、免疫力アップや疲労回復が期待されるアスパラギン酸が含まれています。
また、利尿作用があり、腎臓や肝臓の機能回復の側面も持っています。その他にもビタミンや葉酸、食物繊維が豊富な野菜で人間にとって非常に健康的な食材です。猫も同様にアスパラガスを食べさせても中毒性はなく、安全です。
しかし、猫にアスパラガスを与える場合に注意しておくことがあります。
猫にアスパラガスを与える際の注意点
細かく刻む
アスパラガスの茎は非常に硬いです。私たち人間でさえ、生のアスパラガスを噛みちぎることは非常に難しいですよね。猫も同じく難しいのです。そのため、猫が丸ごと誤飲して飲み込んでしまわないように、細かく刻んで茹でて柔らかくなった状態で与えてあげましょう。
誤飲してしまうと、非常に硬いため、胃腸や器官を傷つけたり、腸閉塞になる可能性もあります。
生はNG・加熱する
また、生のアスパラガスは、消化に悪いため、消化不良で胃腸炎を起こし、時には嘔吐や下痢の症状がみられます。その場合は、動物病院で診てもらうようにしましょう。アスパラガスではなく、消化しやすいにんじんやセロリ、きゅうりなどを与えてあげることも良いでしょう。
にんじんなどはビタミンが豊富に含まれています。これらを与える際にも気を付けることは、食べやすいように細かく刻んで与えてあげることです。
その他に気をつけて欲しいのが、加熱する際に、バターや塩、油は使わないことです。猫にとって健康的ではありません。そのまま茹でたり蒸して与えてあげましょう。
アスパラガスの葉には注意
アスパラガスの茎には中毒性はありませんが、葉には中毒性があります。もしアスパラガスを栽培している場合、葉は食べさせないようにしましょう。もし、食べてしまった場合、嘔吐や下痢、腹痛などの症状を起こす可能性があります。
ダイエットには効果的?
アスパラガス100gあたりに含まれる水溶性食物繊維は0.4gで、不溶性食物繊維は1.4gとされています。水溶性食物繊維は、水に溶けるため、腸の通過時間を延長したり、腸内細菌の栄養源になったり、保水性を高める働きがあります。それに対して、不溶性食物繊維は、水に溶けないため、発酵が遅く、腸管のぜん動運動を刺激し、満腹感を生みます。また、うんちの量が増えます。そのため、不溶性食物繊維はダイエット効果があります。ただ、食べ過ぎると過剰なガスが産生され、下痢の原因になることもありますので、食物繊維は水溶性と不溶性の両方をバランス良く摂る必要があります。
与えていい量
アスパラガスを総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。猫にアスパラガスは最低限で
猫はアスパラガスを食べても大丈夫です。しかし、与え方や量には十分注意し、適切な方法で愛猫との食事を楽しんで下さいね。
なお、本稿は以下の情報を参照して執筆しています。
- 阿部又信(2008)『小動物栄養学』ファームプレス
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