【トレーナー解説】犬が「ちょうだい(離せ)」を学ぶ正しい教え方を解説
犬とおもちゃで遊ぶ時や誤飲事故を防ぐために重要なしつけが「ちょうだい(離せ)」です。しかし、おもちゃを取られまいと逃げたり唸ったりと「ちょうだい(離せ)」ができない犬も多いのが現状です。今回は、どうして「唸る」「離さない」などの行動にでるのか、犬の気持ちと正しいしつけ方法について、ドッグトレーナーの西岡が解説します。
目次
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犬に教えるべき「ちょうだい(離せ)」とは
愛犬と遊ぶとき、必要になるしつけが「ちょうだい(離せ)」です。
おもちゃを持って来たはいいけれど、くわえたまま離さない子もいるでしょう。すると、引っ張り合いの取り合いとなり、犬によっては、唸るなどの防衛行動取るようになることもあります。
そうならないためにも、早いうちから「ちょうだい」は教えておくべきしつけです。
「ちょうだい」は危険回避にも必要
「ちょうだい」はボールなどのおもちゃを投げて遊ぶときだけでなく、誤って口に物を入れたときにも有効です。犬が食べてはいけないものを、取ろうと焦ると、犬は取られまいと反射的に飲み込んでしまいます。すると誤飲につながり、手術や最悪の場合死に至ることも。
「ちょうだい」のしつけができていれば、焦らずに犬自身に口の中身を出してもらうことができます。
犬に「ちょうだい(離せ)」を教え方
くわえた物を離す行動を教えるには「待つこと」「すぐに取り上げないこと」がポイントになってきます。
- 遊び始める前におやつをポケットなどすぐに取り出せる場所で、犬に取られない所に隠し持っておく
- 犬がおもちゃをくわえたら手を出して「ちょうだい」と言って、隠し持っていたおやつを反対の手で見せる
- 犬がおもちゃを離したら、おもちゃを取り、おやつをあげて褒めてあげる
- 犬がおやつを食べ終えたらまた、すぐにおもちゃを投げて遊んであげる
まずは1~4を繰り返し行い教えてあげます。そして、少しずつおやつを出すタイミングをずらします。
最初は「『ちょうだい』と手を出したすぐ後におやつを見せる」でしたが「『ちょうだい』と手を出して犬がおもちゃを離したらおやつを出す」というように少しずつ遅くしていきます。
そうすることで、犬はおもちゃを離せばおやつがもらえるということを理解していきます。
トレーニング中の注意点
練習のとき気を付けて欲しいことは、犬がおもちゃを離したからといってすぐに取り上げないことです。初めのうちは犬も離してくれますが、段々と「おもちゃを離すと取り上げられる」「楽しいことが終わる」というマイナスな学習をする可能性があります。
終わらすタイミングはランダムして、最後は「おしまい」といった終了の合図をしてから片付けるようにしましょう。
間違ったやり方は犬に防衛行動をさせる
犬がおもちゃを離してくれないという飼い主さんの多くは、おもちゃを離してもらおうと、つかんだおもちゃを引っ張ったり、無理やり口をこじ開けようとしたりしています。
これでは、犬は「力ずくで奪われた」「横取りされた」と思ってしまいます。そして、次は取られないように、逃げて唸って、絶対に取られないようにしようという行動に変わっていきます。
まず、教え方でも説明したようにすぐに取り上げずに、遊びを続けてあげ、犬に「おもちゃを離しても取られない」「また遊んでもらえる」ということを覚えさせてあげることが大切です。
すでに「離さない」という習慣がある子の場合には無理に取り上げたり、おやつで釣ったりするのはしないでください。
おもちゃを取ろうとすると唸る場合の対処方法
犬が離すまで待つ
犬が逃げたり唸ったりするのは「取られる」と思うからです。唸らない犬であっても、無理に取ろうとする行為は犬にとっては「引っ張りっこ遊び」です。それが楽しくて離さないということもあります。
こういった時は、一度おもちゃを掴んだら「犬が自分から離すまでただじっと待つこと」が大切です。
犬は取られまいと、全身の力でグイグイ引っ張るでしょうが、それで手を離しては意味がありません。初めのうちはボールなどではなく、持ちやすいロープなどがいいでしょう。
自分から離したらまた投げる
「取られる」という学習をしている犬は「手」が出てくるだけでも「捕まえられる」「取られる」といった恐怖心などを感じます。そのため、犬が自分から離したら触ったりせず、一言「いい子」「偉いね」など優しく声をかけて、また投げてあげましょう。
逃げ回る犬の場合は広い公園ではなく、家の中から練習を始めてみることがおすすめです。
コマンドを変えてみる
コマンドを変えることも大切です。今まで「ちょうだい=奪われる」という経験をしているのであれば、コマンドは「ちょうだい」ではなく「離して」や「オフ」など別の言葉に変えてあげることで、新しく覚えることができます。
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しつけは楽しく行いましょう
「ちょうだい(離せ)」は誤飲事故を防ぐために重要なしつけです
「ちょうだい(離せ)」を教える際は「待つこと」「すぐに取り上げないこと」がポイントです
犬が「ちょうだい(離せ)」ができないのは「取られる」と思っているためです
「ちょうだい(離せ)」ができない場合は「取られない」という経験をたくさんさせたり、コマンドを変えたりしていきましょう
人が楽しくないと勉強ができないように、犬も楽しくないとしつけはうまくいきません。
しつけがうまくいかないときは、愛犬の気持ちになってみて物事を考えてみてください。犬の気持ちがわかれば、しつけの仕方も別のアプローチの方法が思いつくかもしれません。
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