
猫は海苔を食べても大丈夫!マグネシウムの過剰摂取に注意
猫は海苔を食べても大丈夫です。私たちの食生活には、おにぎりや巻き寿司など、海苔が使われている食品がたくさんあります。海苔が入った食品を食べていると、猫にせがまれることも多いと思います。今回は海苔に含まれている栄養素や与える前に確認しておきたい注意点などを紹介します。
猫は海苔を食べても大丈夫?

猫は少量なら海苔を食べても大丈夫です。尿路結石のリスクがありますので大量にあげたり、日常的にあげるのはやめましょう。また、コンビニ等で売っているおにぎりの海苔は、味付けされている場合がありますので注意してください。
海苔の栄養素
海苔には、巻き寿司で使われているアオクサノリやスサビノリに加えて、韓国海苔でお馴染みのオニアマノリ、お好み焼きやたこ焼きでよく食べている青のり等たくさんの種類があります。今回は海苔の中でも、私たちがよく食べているスサビノリの栄養素について紹介します。ビタミンA(βカロテン)
ビタミンAは皮膚や目の健康を保ち、免疫力を正常に働かせる効果があります。ただし、猫はカロテンからビタミンAを合成するために必要な酵素をほとんど持っていません。猫は海苔からビタミンAを摂取することはできません。ビタミンC
ビタミンCは、アスコルビン酸とも呼ばれ、生体内の異物解毒や免疫機能を促進します。タウリン
タウリンの働きは多岐にわたりますが、主に肝臓に溜まってしまった中性脂肪を体外に排出したり、コレステロール値を下げたりします。ナトリウム
筋肉や神経を正常に保つ働きがあるナトリウムは、海苔1枚(3g)あたり約15mg含まれています。ナトリウムについては、猫の大きさに関わらず1食あたり0.2%以上を摂取することが理想的とされています。猫が一般的なキャットフード(ナトリウム含有量0.5%)を、100g食べると、1食あたり500mgのナトリウムを摂取したことになります。
海苔をあげる際に注意したいこと。消化に問題が出る恐れも

海苔には適量であればプラスの働きをしてくれるのにも関わらず、摂取しすぎてしまうとマイナスの働きをしてしまい、尿路結石や下痢等の原因となってしまう恐れがある成分が含まれています。一度確認しておきましょう。
尿路結石
海苔には適切な量を摂取すればプラスの働きをしてくれますが、過剰に摂取してしまうと尿路結石(尿石症)の原因となってしまうマグネシウムが含まれています。海苔1枚を食べることによってマグネシウムの量が極端に増えたり、すぐ結石ができるわけではありませんが、日常的にマグネシウム等のミネラルが多い食品などを多く食べているていると、腎臓、尿管、膀胱、尿道の中で結石ができてしまう恐れがあります。
マグネシウム
マグネシウムは体内にある300以上の酵素を助ける働きを持つミネラルです。子猫は100gあたり0.08%以上、成猫は1食あたり0.04%以上のマグネシウムを摂取することが理想的とされ、一般的なキャットフード(マグネシウム含有量0.08%)100gで80mgのマグネシウムを摂取していることになります。
海苔は1枚(3g)あたり約9mgのマグネシウムが含まれていますので、1枚食べただけでキャットフード1食の10分の1ほどのマグネシウムを摂取することになります。
マグネシウムの含有量は0.25%を超えると尿中へのマグネシウム排出量が増え、ストラバイト(リン酸アンモニアマグネシウム)結石のリスクが高まるとされています。
海苔は0.3%ですので多く与えるべきではありません。ただし、マグネシウムを過剰に制限するとカルシウム濃度が上昇してシュウ酸カルシウムによる結石のリスクが高まりますので、バランスの良い食事が大切です。
塩分
コンビニで販売しているおにぎりは、塩で味付けされた海苔が使われている場合が多いです。ナトリウムは塩に多く含まれている成分です。前述した通り尿路結石が出来てしまう恐れがあります。下痢
海苔は食物繊維が豊富な食材です。食物繊維は腸内に溜まった不要な老廃物を排泄する働きがあり、お通じを良くするのに効果的です。ただし、食物繊維は消化されないために摂取しすぎると下痢をしてしまう原因となってしまいます。窒息
海苔は喉にくっつきやすいため、窒息死の原因となる可能性があります。もし海苔が猫の喉につまってしまった場合は、猫を横に寝かせ首を伸ばして、頭を少し後ろにそらした状態で舌を引張り出したりて直ぐに取り出してください。愛猫の好物でも、あげるのは少しだけ

猫は少量なら海苔を食べても大丈夫な食材ですが、前述の通り、与える際には注意点もあります。
また、海苔に関わらず人間が普段食べている食材でも、猫が食べてはいけないものも多数存在します。海苔に限らず「この食べ物を猫は食べていいのかな?」と疑問に思った場合は、すぐに調べるようにしましょう!
- 参照:日本食品標準成分表2015年版(厚生労働省)
- 参照:すぐわかる栄養成分ナビゲーター(グリコ)
- 参照:The Association of American Feed Control Officials
- 参照:日本ペット栄養学会(2014)『ペット栄養管理学テキストブック』