
猫にカツオをあげても大丈夫なのでしょうか?3月〜5月にかけて、餌を求めて北上してきたさっぱりとした味わいの「初鰹」、9月〜11月にかけて餌をたっぷり食べて、脂が乗った「戻り鰹」と1年に2度の旬の季節があるカツオ。人間が食べていると、匂いに誘われて、飼い猫が寄ってくることもよくありますよね。今回はカツオに含まれている栄養素や与える際の注意点などを紹介します。
目次
この記事のまとめ
- 猫にカツオを与えても大丈夫
- カツオはビタミンB12やEPA、DHAなどを含む
- 生のカツオはチアミナーゼによるチアミン欠乏症のリスクがあるため必ず加熱してから与える
- カツオの鮮度管理を徹底し、ヒスタミン食中毒やアニサキス寄生虫に注意が必要
猫はカツオを食べても大丈夫

猫にとってカツオは健康的な食材です。ただ、アレルギーやカツオの小骨や鮮度など、与える際に注意したい点はいくつかありますので一緒に確認していきましょう。
カツオの栄養
カツオにはさまざまな魚の中でも特にビタミンB12が豊富に含まれています。ビタミンB12には神経機能の正常化や睡眠リズムの正常化、そして鉄分と共に貧血を予防する働きがあります。また、カツオの「血合い」には「レバー」に匹敵するくらいの栄養があるといわれています。カツオには血中の中性脂肪を正常に保つ働きをするEPA(エイコサペンタエン酸)や脳や神経の発達に不可欠なDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれています。
猫に与えていい量
カツオを総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。猫にカツオを与える際の注意点

カツオの成分自体に問題はありませんが、生のカツオを猫が食べる場合は以下の注意点があります。
チアミン (ビタミンB1) 欠乏症
チアミン(ビタミンB1)を分解する酵素「チアミナーゼ」を摂ることでチアミンが不足すると、「チアミン欠乏症」になってしまいます。私たち人間では「脚気(かっけ)」とも呼ばれています。チアミナーゼを含む食材としてはイカが有名ですが、カツオにも多く含まれます。刺身など生のカツオを食べたからといって急に問題になることはありませんが、毎日のように与えていればチアミン欠乏症となります。チアミナーゼは加熱することで不活性化します。カツオは生で与えず、茹でるなど加熱したものを与えるようにしてください。
※参考文献:「禁忌食(その 4 )――魚介類(チアミナーゼ)」(ペット栄養学会誌)
ヒスタミン食中毒
ヒスタミン食中毒はヒスタミンという物質を含有している魚を摂取することによって発症する中毒です。魚がもともと持っているヒスチジンというアミノ酸が、細菌の持つ脱炭酸酵素の働きよって魚肉内でヒスタミンを生成します。魚を常温で放置することによって細菌が増殖するので、必然的にヒスタミンの生成される量も多くなり中毒を起こす確率が高くなります。
ヒスタミンは熱にとても強いため一度ヒスタミンが生成されてしまうと熱処理によって分解することは困難になります。予防策として新鮮な魚を購入することを心掛け、常温の状態で放置などしないようにしましょう。ヒスタミン食中毒になると摂取後2〜3時間で以下のような症状が出ると言われています。
- 下痢
- 嘔吐
- 舌や顔の腫れ
- 蕁麻疹
- めまい
アニサキス寄生虫
アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で、サバやイワシ、カツオ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類の内臓に寄生します。鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動し、生の状態で食べることで、アニサキス寄生虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。
人間だと嘔吐や激しい痛みを伴い、犬や猫にも同様の症状を起こす可能性があります。アニサキスは熱に弱いので、煮たり焼いたりすればほぼ死滅すると考えて大丈夫です。
また、人間であればお刺身を食べる時によく噛むことで、生きたアニサキスが体内に入ることを防ぐことができます。しかし猫によく噛ませるのは難しいので、あらかじめ小さく切って与えてあげるとよいでしょう。
猫はカツオの食べ過ぎによるイエローファットに要注意

猫に少量与える分には問題のないカツオですが、与えすぎてしまうと黄色脂肪症(別名 イエローファット)になる可能性があります。黄色脂肪症とは、主に青魚(まぐろ、カツオ、ぶり、サンマ等)にたくさん含まれている不飽和脂肪酸を過剰に摂取することで発症する病気です。
不飽和脂肪は少量ならコレステロールを下げて血液をさらさらにしてくれます。しかし食べすぎてしまうと脂肪を酸化させてしまいます。脂肪は本来白色ですが、酸化により黄色になることから黄色脂肪症という名前が付けられました。
- 毛のツヤがなくなってしまう
- お腹の下の方に、脂肪の固いしこりが出来る
- 突っ立ったようなぎこちない歩き方をする
- 痛みを伴うため、お腹を触られることを極度に嫌う
黄色脂肪症はビタミンEが欠乏していることによって、脂肪の分解が不十分なことにより発症してしまいます。予防するためにも猫にカツオに限らず、魚を与える場合は栄養バランスが整っている良質なキャットフードと合わせてあげるようにしましょう。
猫とカツオに関するよくある質問
Q.
猫はカツオを食べても大丈夫ですか?
A.
はい、カツオは猫に与えても大丈夫な食材です。ただしアレルギーや鮮度、小骨などに注意が必要です。
Q.
猫にカツオを生で与えても大丈夫ですか?
A.
いいえ、生のカツオは与えないほうがよいです。チアミナーゼによりビタミンB1欠乏のリスクがあります。必ず加熱してから与えましょう。
Q.
猫にカツオを与える適量はどれくらいですか?
A.
カツオはおやつやトッピングとして1日の総カロリーの10%以内にとどめます。与えすぎると健康に悪影響を与える可能性があります。主食は総合栄養食を基本にしましょう。
Q.
猫はカツオで食中毒になることがありますか?
A.
はい、ヒスタミンが生成されたカツオを食べると食中毒になる可能性があります。嘔吐や下痢などの症状が出ることがあります。新鮮なものを適切に管理して与えましょう。
Q.
猫にカツオを与えすぎるとどうなりますか?
A.
与えすぎると黄色脂肪症(イエローファット)になる可能性があります。脂肪の酸化により痛みやしこりなどの症状が出ることがあります。適量を守ることが大切です。
愛猫と楽しい食生活を

猫にとってカツオは健康的な食材です。ただ、カツオの小骨や鮮度には注意し、アレルギーの猫には食べさせないようにしましょう。基本的にカツオだけだと、栄養に偏りが出てしまうので、キャットフードのトッピングやおやつとして与えてあげることをオススメします。人間にとって美味しい食材でも、猫にとっては危険な食べ物もたくさんあります。注意点をきちんと理解した上で、楽しいペットとの食ライフを過ごしてくださいね!
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