
猫は大豆を食べても大丈夫!与え方やアレルギー症状について解説
猫は大豆を食べても大丈夫です。大豆は、豆腐や納豆、豆乳など私たちの食生活には欠かせない食材。猫にとっても健康食材です。ただし、大量に食べたり、生のまま食べたりすると危険です。今回は、大豆の栄養成分や、与えるときの注意点、アレルギーについて解説します。
猫に大豆を与える際の3つの注意点

大豆アレルギーの可能性
アレルギーは、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する可能性のある後天性アレルギーがあります。初めて食べる食材を与える際は少量からスタートし、様子を観察しましょう。以下の症状が見られた場合は、アレルギーの可能性があります。- 下痢や嘔吐
- 皮膚のかゆみ
- 元気がない
- 目の充血
大豆はキャットフードにも多く使用されています。大豆を含むキャットフードを食べ、上記のような症状が現れた場合は、獣医師に相談しましょう。
生の大豆はNG
生の大豆には「トリプシン・インヒビター」という、猫にとって毒性の高い物質が大量に含まれています。これは、膵臓のたんぱく質の分解酵素である「トリプシン」の働きを阻害してしまうため、摂取すると消化不良や下痢などの症状を起こす可能性があります。間違って食べてしまった場合は、獣医さんに相談し指示を仰いでください。
ただしトリプシン・インヒビターは熱に弱いので、加熱すれば、猫にとって安全かつ消化に良い食材となります。猫に大豆を与えるときは、必ず加熱したものを与えるようにしましょう。
消化不良を起こしやすい
猫の消化器官は、人間ほど消化能力が高いわけではないため、煎っただけの大豆や形を残したままの大豆はうまく消化されません。そのため、大量に食べると大豆がそのままの形で便に混ざるということも起こり得ます。また、喉に詰まらせたり腸閉塞の危険性もあります。猫に大豆を与える際は、ただ加熱するだけではなく、元の形が残らなくなるくらい柔らかくしたものを与えるようにしましょう。
大豆に含まれる、猫の体に良い栄養素

猫にも良い影響を与える大豆の栄養素をいくつかご紹介します。
大豆イソフラボン
大豆に含まれる大豆イソフラボンには抗酸化作用があり、これは体内の活性酸素を除去する効果が期待できます。植物性たんぱく質
大豆には植物性たんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質は、筋肉や血液、皮膚、被毛など、体を作るために必要な栄養素です。また、体の調子を整えてくれる作用もあります。脂質
大豆に含まれている脂質は「多価不飽和脂肪酸」といい、悪玉コレステロールを下げてくれる働きがあります。カルシウム
骨や歯を形成するためのカルシウムが、大豆には豊富に含まれています。また、体の成長のためにも必要不可欠な栄養素です。レシチン
レシチンは、コレステロールを下げる効果があるほか、細胞の活性化も期待できる栄養素です。それにより、老化防止効果があるとも言われています。気をつけるべき栄養素

栄養豊富な大豆ですが、猫にとって気をつけなければいけない栄養素も含まれています。
レクチン
レクチンは、植物が昆虫や草食動物などの外敵から身を守る作用があります。腸内の壁にくっつきやすい性質を持っているため、過度に摂取すると、栄養の吸収を阻害したり、下痢や嘔吐の原因となったりします。レクチンは、水に浸したり発酵させたりすることで大幅に軽減されるので、水煮や発酵食品であれば安心です。
フィチン酸
フィチン酸は、デトックス作用が強い物質です。適度に摂取すればプラスの働きをしてくれますが、過剰に摂取してしまうと、5大栄養素の1つであるミネラルの排出をも促してしまいます。サポニン
サポニンは、抗酸化作用が優れた成分です。過剰な活性酵素を除去することで、老化や免疫力低下を防ぐ働きがあります。 しかし胃の弱い猫にとっては、下痢や腸の炎症の元になる可能性があります。愛猫に大豆をあげる時は加工食品を
愛猫に大豆を食べさせるときは、加熱された加工食品や猫用のおやつが安心でオススメです。オススメの大豆加工食品
与えるときは味付けは絶対にせずに、ごはんのトッピングやおやつとしてたまに与える程度にするなど、与える量に気をつけましょう。総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。1日の最適カロリー量はペトことオリジナルのドッグフード「PETOKOTO FOODS」の「フード診断」(無料)で簡単に計算することができます。
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まとめ

生のまま与えない
形がなくなるほど柔らかくなるまで加熱する
おからや納豆、豆腐など、加工されていて消化に良いものを与える
大豆でできた犬用おやつが安心
猫に大豆を与える際は以上の注意点を守り、与え過ぎには十分気をつけて下さいね。
参考文献
- 阿部又信(2008)『小動物栄養学』ファームプレス
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