【獣医師執筆】猫は豆乳を飲んでも大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫は豆乳を飲んでも大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

Share!

豆乳は猫が飲んでも大丈夫な飲み物です。しかし、与えるときには気を付けないといけないこともあります。猫に豆乳を与えるときの注意点のほか、豆乳に含まれるマグネシウムなどの成分を詳しく紹介します。

猫は豆乳を飲んでも大丈夫

豆乳

豆乳は猫が飲んでも大丈夫な飲み物のひとつです。では、豆乳を猫に与えるときに気を付けることは何でしょうか。

まず、猫に豆乳を与えるときは必ず無調整豆乳を選ぶようにしてください。最近は、ブームが追い風となりさまざまな味の豆乳が登場していますが、これらには砂糖などの調味料が使われているため、猫に与えるのには向いていません。また、無調整のものであっても与えるときは少量からスタートして、徐々に様子を見るようにしましょう。

猫が飲んで大丈夫な豆乳の栄養成分

大豆

そもそも豆乳の原材料は大豆です。大豆を豆腐に加工するときに、豆腐の一歩前、固まる前の乳液上の状態のものが、豆乳になります。そのため、豆乳に含まれる成分も大豆に似ているのです。早速、詳しくみていきましょう。

豆乳の成分(100gあたり)
エネルギー(kcal) 46
水分(g) 90.8
タンパク質(g) 3.6
炭水化物(g) 3.1
カリウム(mg) 190
マグネシウム(mg) 25

タンパク質

豆乳には、タンパク質が含まれています。タンパク質は、人間だけでなく猫にとっても、丈夫な体作りのために必要な栄養です。しかしタンパク質は体内では生成されませんので、食品などから摂取する必要があります。


カリウム

カリウムはミネラルの一つで、細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があり、体内の不要なナトリウムを排出してくれます。

マグネシウム

マグネシウムは体内にある300以上の酵素を助ける働きを持つミネラルです。子猫は100gあたり0.08%以上、成猫は1食あたり0.04%以上のマグネシウムを摂取することが理想的とされ、一般的なキャットフード(マグネシウム含有量0.08%)100gで80mgのマグネシウムを摂取していることになります。


イソフラボン

イソフラボンはエストロゲンに非常によく似た性質をもっています。人間の場合、女性ホルモンであるエストロゲンは美容成分だけでなく、骨からカルシウムが溶け出すのを抑える作用があります。そのため、カルシウムの不足によって骨がもろくなってしまう、骨粗鬆症の予防のためにも大豆を食べることは効果的です。

サポニン

サポニンは抗酸化作用が優れた成分です。過剰な活性酵素を除去することで老化や免疫力の低下を防ぐ働きがあります。 胃の弱い猫にとっては下痢や腸の炎症の元になってしまいます。

猫に豆乳を与える際の注意点

ストルバイト結石の発症リスク

豆乳を過剰に摂取してしまうと、ストルバイト結石の原因となってしまうマグネシウムが含まれています。日常的にマグネシウム等のミネラルが多い食品などを多く食べていると、腎臓、尿管、膀胱、尿道の中で結石ができてしまう恐れがあります。

アレルギーに注意

中には、豆乳の原料である大豆に反応してアレルギー症状をみせる猫もいます。アレルギー症状は湿疹とかゆみが主ですが、嘔吐や下痢、喘息、口周りの腫れなどを引き起こすこともあります。

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。


与えていい量

豆乳をおやつとして与える場合、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

愛猫のカロリー計算をする

猫は豆乳の加工品も食べて大丈夫?

豆乳クッキー

ヘルシー志向が高まる昨今、脂肪分が多い牛乳の代わりに豆乳を使った加工品が多く登場しています。せっかくなら愛猫と一緒に楽しみたいという人もいると思いますが、猫は豆乳の加工品を食べても大丈夫なのでしょうか?

豆乳クッキーは猫が食べても大丈夫?

猫用に作られた市販の豆乳クッキーであれば、猫が食べても問題はありません。しかし、人が食べるために作られた豆乳クッキーは、砂糖やバターなどを使用していることもあります。糖尿病などにつながることもあるので、人用の豆乳クッキーは猫に与えないようしてください。


豆乳ヨーグルトは猫が食べても大丈夫?

豆乳ヨーグルトは、乳成分の代わりに豆乳で作られたヨーグルト。イソフラボンをはじめとした大豆の成分とともに、乳酸菌までもが摂取できると、女性を中心に注目を集めているヨーグルトです。この豆乳ヨーグルトは、猫に与えても大丈夫。ただし、砂糖が入っていないプレーンタイプのものをあげるようにしてください。


豆乳ホイップは猫が食べても大丈夫?

乳製品を使わない豆乳ホイップは、アレルギーがある子どもがいる方に人気です。生クリームの代わりに使えば、乳製品にアレルギーがある人でもショートケーキが食べられるようになるなど、画期的な食材なのです。

豆乳ホイップも、猫が食べても良い食材ですが、こちらも豆乳ヨーグルト同様、愛猫と楽しむときは砂糖を入れずにホイップするようにしてください。豆乳ホイップを使った猫用ケーキも市販されているので、気になる人はチェックしてみましょう。


猫に豆乳を与えるときは適量を

ねこ

栄養豊富な豆乳は、与え方に気を付ければ猫が飲んでも大丈夫な食材です。牛乳の代替品としても使えるので、愛猫の記念日に豆乳を使ったスペシャルごはんを作ってあげるなどすれば、喜んでくれそうですね。与え方に注意しながら、ぜひ愛猫と豆乳を楽しんでください。

獣医師相談のインスタライブ開催中!

食のお悩み相談会

ペトコトフーズのInstagramアカウント(@petokotofoods)では、獣医師やペット栄養管理士が出演する「食のお悩み相談会」を定期開催しています。愛猫 のごはんについて気になることがある方は、ぜひご参加ください。

アカウントをフォローする