猫にブロッコリーは与え過ぎに注意! アレルギーなどの注意点、レシピを紹介
栄養価が高く人気のブロッコリーですが、猫はブロッコリーを食べても大丈夫なのでしょうか? 今回は、ブロッコリーやブロッコリースプラウトの栄養素や効果、猫に与える際の注意点を紹介します。猫は少量のブロッコリーなら食べても問題ありませんが、与え過ぎには注意が必要です。
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猫にブロッコリーは少量程度なら大丈夫

猫にブロッコリーは少量程度なら大丈夫ですが、ブロッコリーに含まれているイソチオシアネートという成分は、猫の胃を刺激する可能性があります。長期的、また大量に与えることは避けましょう。
ブロッコリーの栄養素

ブロッコリーは加熱してから食べることが一般的ですが、海外では生のままサラダにして食べることもあります。茎の部分は繊維質が固いため、皮を剥いて食べる必要があります。
ブロッコリーは、1個あたり41kcalとローカロリーでタンパク質が豊富なため、タンパク質を効率的に補給できるダイエット食材として食べられています。
ビタミンC
人の場合、最も要求量の多いビタミンですが、猫の場合は体内でビタミンCを生成できるため、必須ビタミンとは言えません。しかし、抗酸化成分として加齢や運動による酸化ストレスや、関節炎などに関連する病気の予防および治療に役立ちます。ほとんどのペットフード(総合栄養食)には十分な量が含まれていますが、病気などで肝臓での生成が十分でない場合、サプリメントやビタミンCが含まれる食材をフードに添加する必要があります。
葉酸
葉酸は、体の細胞の生まれ変わりや成長をサポートするという大切な役割を持ったビタミンの一種です。ビタミンK
ビタミンKは、出血した際に血液を固めて止血したり、骨にあるタンパク質を活性化したりして、丈夫な骨を形成する働きをします。ビタミンE
トコフェロールとも呼ばれ、抗酸化作用を持ちます。毛艶を保ったり、アンチエイジングに効果があるとされています。食物繊維
食物繊維は消化されないため、お通じが良くなり、ダイエットに効果的です。ブロッコリーは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらも含まれていますが、不溶性食物繊維が豊富です。ただし、下痢をしていたり消化能力が弱っている場合に摂取すると逆効果です。下痢や嘔吐をしている猫にはあげないようにしましょう。
ブロッコリーの与え方

ブロッコリーを与える量ですが、毎日与える必要はありません。与え過ぎは消化不良の原因となることもあります。もし猫にブロッコリーを与える際は、以下の注意点を確認してから食べさせましょう。
生のブロッコリー
生のブロッコリーは非常に固く、消化されにくいので、細かく切ってあげてください。茹でたブロッコリー
ブロッコリーは水溶性ビタミンを含んでいます。そのため、茹でるとブロッコリーに含まれているビタミンが溶け出してしまいます。ブロッコリーは短時間で加熱することをおすすめします。ブロッコリーの葉
ブロッコリーの葉は猫が食べても大丈夫です。しかし、外葉は農薬残留の恐れもあるため、できるだけ内葉をあげましょう。ブロッコリーの茎(芯)
茎(芯)は非常に固いため、皮を剥いて与えてあげると良いでしょう。茹でてから皮と芯の境界が見えてきますので、皮を剥き、細かく切ってあげると良いでしょう。猫にブロッコリーを与える際の注意点

栄養豊富なブロッコリーですが、与え過ぎてしまうとどんな影響が出てしまうのでしょうか。
甲状腺機能低下症
ブロッコリーには、尿路結石をつくってしまう可能性のあるシュウ酸や、甲状腺機能低下症になってしまう恐れのあるゴイトロゲンを含んでいます。シュウ酸
ブロッコリーにはシュウ酸が豊富に含まれています。シュウ酸は、体内でカルシウムと結びつきシュウ酸カルシウムとなります。やがてそれが結晶化すると、腎臓や尿管、膀胱、尿道の中で結石となってしまいます。結晶が尿管や尿道に詰まってしまうと、排尿ができないために腎臓機能が停止し、最終的に腎不全になってしまいます。
ゴイトロゲン
キャベツや大根、ブロッコリー等のアブラナ科に属している野菜にはゴイトロゲンという成分が含まれています。ゴイトロゲンは、体内において甲状腺ホルモンをつくるために必要なヨウ素の吸収を阻害してしまいます。甲状腺ホルモンは代謝の調節を司る働きがあり、ゴイトロゲンを過剰に摂取してしまうと、甲状腺機能低下症という病気になってしまう恐れがあります。
ブロッコリーの大量摂取によって猫の甲状腺の機能が低下したという臨床報告は見受けられませんが、元々甲状腺に疾患のある猫は念のため注意しましょう。
アレルギー
アレルギーを持っている子もいるので最初は少量を食べさせることからスタートさせてあげましょう。アレルギー症状の中には下痢なども含まれていますが、必ずしもアレルギーが原因ではない場合もあります。- 下痢や嘔吐
- 皮膚をかゆがる
- 元気がなくなる
- 目の充血
ブロッコリーに限らず、猫にとって初めての食べ物を与えるときは、摂取後しばらく様子を見られる時にしましょう。食べさせた後にしばらく一緒にいられない場合は、その後の様子を観察することができないため、食べさせてみる機会をずらした方が無難です。
もしブロッコリーを食べて体調を崩してしまった場合は、早めに動物病院に連絡をすることが懸命です。その際に、どの程度、いつ食べたかをきちんと説明するようにしましょう。
ブロッコリーと似た野菜は?

ブロッコリーと似た性質を持つ野菜もありますので、いくつか紹介します。
ブロッコリースプラウト
ブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファンは、前述したイソチオシアネートの一種です。そのため、ブロッコリーよりもイソチオシアネートが多く含まれているので、猫が摂取すると胃を刺激し良くないと考えられます。ブロッコリースプラウトの栄養素
ブロッコリースプラウトは、ブロッコリーの新芽で、ブロッコリーに微量に含まれる植物由来の化学成分である「スルフォラファン」を成熟ブロッコリーの20倍以上も高濃度に含んでいます。米国ジョンズ・ホプキンス大学のポール・タラレー博士が開発した野菜です。タラレー博士は、ブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」という成分に、抗酸化や解毒といったからだの防御機能を高める働きがあることを世界で初めて発見しました。その後、ブロッコリーの品種や成長段階によってスルフォラファンの濃度が異なることを突き止め、スルフォラファンを高濃度に含む「ブロッコリースーパースプラウト」を生み出しました。
抗酸化作用や内臓脂肪蓄積抑制作用、腫瘍の抑制作用が報告されており、第7の栄養素と呼ばれています。
カリフラワー
猫の体質にもよりますが、アレルギーなどを持っていなければ、カリフラワーは猫に与えても問題ありません。ただし、カリフラワーはブロッコリーと同じくアブラナ科の野菜なので、大量に与えないようにしましょう。カリフラワーの栄養素
カリフラワーはの成分は、基本的にブロッコリーと似ています。カリウムを豊富に含み、ブロッコリーよりは少ないですがビタミンCや葉酸も含有しています。猫にブロッコリーは与え過ぎには注意!

ブロッコリーは便秘改善やダイエットに効果的ですが、一方で与え過ぎは胃を刺激したり、中毒症状を起こす可能性があります。最終的には愛猫の健康は飼い主さん次第です。そのため、きちんと正しい情報を理解した上で、愛猫がずっと健康で長生きできるように大切に育ててあげてくださいね!
なお、本稿は以下を参照して執筆しております。
- 食品成分データ(文部科学省)