【獣医師執筆】猫は梨を食べて大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫は梨を食べて大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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梨は水分を多く含む、便秘解消や夏バテ予防におすすめの果物です。猫は梨を食べても大丈夫ですが、与える際にはいくつか注意しなければならないこともあります。今回は、和梨や洋梨に含まれている栄養素や猫に与える際の注意点を紹介します。

猫は梨を食べて大丈夫

梨

猫も梨を食べても大丈夫です。食物繊維が豊富な上に、梨の食物繊維の中に含まれるソルビトールは腸内のpH(ペーハー)を下げ、便を柔らかくしてくれます。そのため便をスムーズに排出することができるため、便秘解消効果がありますが、与えすぎは下痢を引き起こしてしまいます。

また、猫は舌触りを感じられるものを好む習性があるため、梨のシャリシャリした舌触りを好みやすい傾向があります。ちなみにこのシャリシャリした食感はリグニンという食物繊維によるものです。

和梨 洋梨
エネルギー(kcal) 43 54
炭水化物(g) 11.3 14.4
食物繊維(g) 0.9 1.9
たんぱく質(g) 0.3 0.3
リン(mg) 11 13
カルシウム(mg) 2 5
ビタミンC(mg) 3 3

梨は水分が多く、熱中症など暑さ対策に良いフルーツです。糖質が比率として多いですが、成分のほとんどは水なので、一つ丸ごと食べたとしてもそれほどカロリー摂取量が多くなってしまうわけではありません。しかし、カロリーが低いからといってたくさんあげることはオススメしません。

猫が食べて大丈夫な梨の栄養成分

カリウム

カリウムは塩分を排出する働きがあるので、血圧を維持してくれます。利尿作用が体内の水分量を調整してくれるので代謝が良くなります。

アスパラギン酸

非必須アミノ酸の成分で、人間の場合はたんぱく質の代謝を促して、エネルギーを産出する働きを持っています。

ソルビトール

ソルビトールは糖の一種で、便のphを下げることで便を軟らかくしたり、水分を吸水することでお通じが良くなる働きがあります。便秘解消に効果があります。


猫への梨の与え方

梨

皮をむいて、種は取り除いて与えましょう。食べやすいように小さめにカットして与えてあげることをおすすめします。

猫に梨を与える頻度や量

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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梨の皮は与えないように

皮は農薬残留の危険性があったり、消化に良くありません。きちんと皮をむいてから与えるようにしましょう。

梨の種の誤飲には注意

梨の種は固いため、誤飲してしまうと胃や腸に残り、嘔吐や下痢、腸閉塞などを起こす可能性があります。そのため、きちんと種は取り除いて与えてあげるとよいでしょう。

また、シアン発生性配糖体が梨の種には含まれており、過剰に摂取すると、血中酸素が欠乏してしまう影響があります。梨だけでなく、りんごや桃、梅にも含まれているので注意が必要です。


梨の缶詰は糖分に注意

梨の缶詰は、シロップが豊富なため、大量に砂糖が入っていることが多いです。糖分の過剰摂取は肥満につながるため、缶詰の梨は与えないようにしましょう。

猫に梨を与える際の注意点

梨

アレルギー

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。


猫に梨を与える際はおやつ程度に!

人に抱かれる猫

猫は梨を食べても大丈夫ですが、おやつ程度に少量あげるということを徹底しましょう。また、猫に梨をあげる際には、しっかり洗って皮をむき、種も取り除いてからあげてくださいね。愛猫の健康は飼い主さん次第ですので、愛猫がずっと健康で長生きできるよう、正しい知識をつけておきましょう。

なお、本稿は以下の情報などを参照して執筆しています。

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