【獣医師執筆】犬にわさびは絶対にNG!理由や舐めたり食べた場合の対処法を解説
お寿司や蕎麦、お刺身料理に欠かせない食材の一つがわさびです。鼻を抜けるツンとした辛味が素材の味を際立たせてくれます。しかし、犬にわさびは与えてはいけません。理由や舐めたり食べた場合の応急処置を解説します。
犬にわさびを与えてはいけない理由
犬にわさびを与えてはいけない理由01:胃腸への負担
わさびには抗菌活性が期待できる芥子油類が含有されています。腸炎ビブリオ、サルモネラ、O-157などの食中毒菌が増殖するのを抑える働きがあります。スーパーでよく販売されているわさびチューブは西洋ワサビ(ワサビダイコン)を使われていることもあります。犬にとって大きな害を及ぼす成分は含まれていませんが、犬の胃腸に負担をかけてしまうため少量でも与えるべきではありません。犬の胃腸に負担をかけ下痢や嘔吐を引き起こすきっかけになってしまいます。そのため、わさびを与える必要はありません。
犬にわさびを与えてはいけない理由02:甲状腺への負担
アブラナ科に含まれるゴイトロゲン(グルコシノレート)という成分は、ヨウ素の吸収を阻害するといわれています。必要とする甲状腺ホルモンの分泌に影響し、甲状腺に負担をかけるといわれています。そのため犬も甲状腺に問題がある場合は避ける傾向が強いようです。アブラナ科の食物を大量摂取したことによって犬の甲状腺の機能が低下したという臨床報告は見受けられませんが、元々甲状腺に疾患のある犬は特に注意しましょう。
犬の食糞防止、しつけにわさびが使われていた?
基本的に犬はわさびの辛味が苦手です。そのため家具など噛まれたくないものにわさびやからしを塗って「噛むと嫌なことがある」と覚えさせる飼い主さんもいるようです。
しかし、慣れてしまうと効果がなかったり、少量でも胃腸の負担になったりしてしまいますので、トレーニングにより解決しましょう。
犬がわさびを舐めた・食べた場合の対処法
わさびを少量舐めただけだと様子を見てあげましょう。嘔吐や下痢が続く場合は、量や種類を正確に伝え、早めに動物病院に連絡して指示を受けてください。
まとめ
わさびは犬に与えないで
胃腸に負担をかけ下痢や嘔吐を引き起こす可能性がある
甲状腺に負担をかける成分も含まれるため疾患のある犬は特に注意が必要
しつけには犬用のしつけグッズを活用しましょう
本稿は以下の情報を参照して執筆しています。
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