猫がご飯を食べにくそうにしている場合に考えられる原因と病気を獣医師が解説
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今まで普通にフードを食べていた猫が、急に飲み込むのに時間がかかるようになったり、飲み込みづらそうな仕草を見せるようになったら、それは病気の可能性があります。今回は猫がご飯を食べにくそうにしている場合に考えられる4つの原因や病気、対処法について、白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師の佐藤が解説します。
口腔内や呼吸器の異常
歯の異常、口内炎や
歯周病といった口の病気や、鼻や気管など呼吸器の炎症などが原因で、飲み込みづらそうにしているときがあります。これは人間に例えると、口やのどが痛くて、食べ物がのどを通らない状態です。
消化管系の運動機能の低下
のどや食道、胃など、消化管系の運動機能の低下が原因の場合は、炎症によるものから筋肉や神経の病気、内分泌疾患など、様々な要因が考えられます。この場合、ご家庭では原因の追究が困難なケースがほとんどです。動物病院に相談することをおすすめします。
異物や腫瘍による閉鎖
おもちゃなどの異物を
誤飲して飲み込んでしまったり、消化器官などに
腫瘍ができることで、食べ物の通り道が閉塞し、飲みづらい仕草を見せることがあります。手術が必要になったり、命の危険もあるので、早急に動物病院に行きましょう。
便秘
人間と同じく、便秘になると食欲を失うことがあります。水分不足が原因のこともあるので、水分をこまめに摂らせてください。また、運動不足や繊維不足により
便秘になることもあります。猫では、重度の便秘になる巨大結膜症という病気もあるので、頑固な便秘が続く場合には、病院で診てもらいましょう。
フードを変えてみる
病気ではなく、単にフードの問題で食べにくくなっていることもあります。体が小さい猫や、老齢の猫の場合は、粒が大きいことが原因の時もあります。まずはドライフードを粒の小さいものに変えてみましょう。また、老齢の猫の場合は、飲み込む力が弱くなってしまっている可能性もあるため、ドライフードを水でふやかしたり、ペースト状のキャットフードをあげるなど、流動食状にしていただくことで、改善が見られる場合もあります。
水分補給を多く
便秘の場合も考えられます。その場合、水分をしっかり摂らせてみましょう。それでも治らなけば、早急に動物病院に行きましょう。
株式会社PETOKOTO取締役獣医師。東京都獣医師会理事。獣医循環器学会認定医。VETICAL動物病院 / オンライン診療、タイバンコクにあるSOMA VET Clinicにおいて循環器疾患の監修。「一生のかかりつけの医師」を推奨するとともに、専門分野治療、予防医療に力をいれている。
株式会社PETOKOTO取締役獣医師。東京都獣医師会理事。獣医循環器学会認定医。VETICAL動物病院 / オンライン診療、タイバンコクにあるSOMA VET Clinicにおいて循環器疾患の監修。「一生のかかりつけの医師」を推奨するとともに、専門分野治療、予防医療に力をいれている。