2023年1月、PETOKOTOの執行役員 ブランドコミュニケーション本部長に、スノーピークで執行役員 未来開発本部長を務めた吉野 真紀夫が就任しました。吉野は2003年にスノーピークに入社し、約20年にわたってアウトドアブランド「Snow Peak」の成長に尽力した人物です。
なぜ吉野は社員数600人を超えるアウトドア業界の人気ブランドから、社員数20人ほどのペット系スタートアップに転身したのでしょうか。その一端には、吉野の愛犬が結んだ意外なご縁が隠されていました。PETOKOTO代表の大久保と入社したばかりの吉野が、2人の出会いから共に描くペットライフの未来まで語りました。
大久保︰吉野さんとの出会いって、実はけっこう前なんですよね。
吉野︰そうですね。3、4年前に大久保さんからFacebookでメッセージを頂いたのが最初だったと思います。
大久保︰前々からスノーピークさんの話を聞いてみたい、何か一緒にできたらいいなと思っていて、たまたまFacebookの知り合いの知り合いに吉野さんがいるのを見つけたんです。尊敬するスノーピークの偉い人だから、ドキドキしながらメッセージを送りました。
その時は移転したばかり(前オフィス)の会議室にSnow Peakのテーブルや椅子を入れて「キャンピングオフィス」を導入する話に落ち着いたんですが、その後もブランディングの相談をさせてもらうために何度か吉野さんとスノーピークで話したんですよね。
吉野︰動物好き、犬連れの身として、少しずつPETOKOTOに興味を持ちながらお話しさせていただきましたね。
大久保︰僕はまさか吉野さんがPETOKOTOに興味を持ってくれているなんて思ってもいなかったので、「個人的な相談があります」と連絡を頂いてカフェで会って話を伺うまで、まったく予想していませんでした。本当にびっくりしました。
吉野︰スノーピークには20年勤めて、50歳を間近にして会社を移る決断をするのは正直なところ勇気がいりました。でも、それ以上にPETOKOTOの未来、35歳の大久保さんが創っていくペットライフの未来に興味を持ちました。
現在のPETOKOTOはフレッシュドッグフードが収益の柱になっていますが、スタートアップならそこにフォーカスして売り上げ至上主義になってもおかしくないと思います。でも大久保さんは明確に「ペットウェルネスカンパニー」を掲げて、獣医療や保険、移動手段などいろいろなことを考えている。「この人は本当にペットのことが好きで、ペットのためにペット業界を変えていきたい人なんだな」と思いました。
大久保︰スタートアップとして株主の方から出資いただいている以上は、どうしても売り上げや利益にフォーカスせざるを得ないタイミングもあると思います。でも、スノーピークのように60年以上続くサステナブルな会社を目指すなら、ミッションである「ペットを家族として愛せる世界へ」に向き合い続けなければいけませんし、PETOKOTO自体が愛される会社にならなければいけないと思っています。
吉野︰スノーピークはただのアウトドア用品屋さんではなくて、本来、人間が生きていく中で大事な部分、忘れかけてる部分を忘れないように、そのきっかけとして自然に身を置くことって素晴らしいよねという想いを持って「人生に、野遊びを」「人間性の回復」といったメッセージを掲げていました。業界は違えど、その想いはお互いに通ずるものがあると思います。
でも、自分でもスノーピークを辞める日が来るなんてびっくりしています。スノーピークで良い時も悪い時もありましたが、それでも辞めることなく20年働いていました。「次はこういう会社に行きたい」なんて思うことはなかったんですが、大久保さんとPETOKOTOという存在を知ったことによって、それが変わりました。
だから、「スノーピークを辞めて、じゃあA社、B社、C社どれにしようかな?」ではなくて、選択肢はPETOKOTOしかなかったんです。今回の決断は、僕の人生の中でも大きなターニングポイントになったと思います。
大久保︰20年のいろいろな想いがあって、簡単な決断ではなかったと思います。それだけの想いを持って入ってきていただいて、本当に感謝しています。
なぜ吉野は社員数600人を超えるアウトドア業界の人気ブランドから、社員数20人ほどのペット系スタートアップに転身したのでしょうか。その一端には、吉野の愛犬が結んだ意外なご縁が隠されていました。PETOKOTO代表の大久保と入社したばかりの吉野が、2人の出会いから共に描くペットライフの未来まで語りました。
吉野 真紀夫(よしの まきお)
1974年、東京都生まれ。下町のかばんメーカーやファーストリテイリング(ユニクロデザイン研究室)を経て2003年、スノーピーク入社。Gear開発、アーバンアウトドア事業、新規事業、法人営業などを担当し、2020年に開発部門やブランディングを統括する執行役員 未来開発本部長に就任。2023年1月、PETOKOTOに入社し、執行役員 ブランドコミュニケーション本部長に就任。選択肢は、PETOKOTOしかなかった。
大久保︰吉野さんとの出会いって、実はけっこう前なんですよね。
吉野︰そうですね。3、4年前に大久保さんからFacebookでメッセージを頂いたのが最初だったと思います。
大久保︰前々からスノーピークさんの話を聞いてみたい、何か一緒にできたらいいなと思っていて、たまたまFacebookの知り合いの知り合いに吉野さんがいるのを見つけたんです。尊敬するスノーピークの偉い人だから、ドキドキしながらメッセージを送りました。
その時は移転したばかり(前オフィス)の会議室にSnow Peakのテーブルや椅子を入れて「キャンピングオフィス」を導入する話に落ち着いたんですが、その後もブランディングの相談をさせてもらうために何度か吉野さんとスノーピークで話したんですよね。
吉野︰動物好き、犬連れの身として、少しずつPETOKOTOに興味を持ちながらお話しさせていただきましたね。
大久保︰僕はまさか吉野さんがPETOKOTOに興味を持ってくれているなんて思ってもいなかったので、「個人的な相談があります」と連絡を頂いてカフェで会って話を伺うまで、まったく予想していませんでした。本当にびっくりしました。
吉野︰スノーピークには20年勤めて、50歳を間近にして会社を移る決断をするのは正直なところ勇気がいりました。でも、それ以上にPETOKOTOの未来、35歳の大久保さんが創っていくペットライフの未来に興味を持ちました。
現在のPETOKOTOはフレッシュドッグフードが収益の柱になっていますが、スタートアップならそこにフォーカスして売り上げ至上主義になってもおかしくないと思います。でも大久保さんは明確に「ペットウェルネスカンパニー」を掲げて、獣医療や保険、移動手段などいろいろなことを考えている。「この人は本当にペットのことが好きで、ペットのためにペット業界を変えていきたい人なんだな」と思いました。
大久保︰スタートアップとして株主の方から出資いただいている以上は、どうしても売り上げや利益にフォーカスせざるを得ないタイミングもあると思います。でも、スノーピークのように60年以上続くサステナブルな会社を目指すなら、ミッションである「ペットを家族として愛せる世界へ」に向き合い続けなければいけませんし、PETOKOTO自体が愛される会社にならなければいけないと思っています。
吉野︰スノーピークはただのアウトドア用品屋さんではなくて、本来、人間が生きていく中で大事な部分、忘れかけてる部分を忘れないように、そのきっかけとして自然に身を置くことって素晴らしいよねという想いを持って「人生に、野遊びを」「人間性の回復」といったメッセージを掲げていました。業界は違えど、その想いはお互いに通ずるものがあると思います。
でも、自分でもスノーピークを辞める日が来るなんてびっくりしています。スノーピークで良い時も悪い時もありましたが、それでも辞めることなく20年働いていました。「次はこういう会社に行きたい」なんて思うことはなかったんですが、大久保さんとPETOKOTOという存在を知ったことによって、それが変わりました。
だから、「スノーピークを辞めて、じゃあA社、B社、C社どれにしようかな?」ではなくて、選択肢はPETOKOTOしかなかったんです。今回の決断は、僕の人生の中でも大きなターニングポイントになったと思います。
大久保︰20年のいろいろな想いがあって、簡単な決断ではなかったと思います。それだけの想いを持って入ってきていただいて、本当に感謝しています。
はじまりは愛犬ジェナが結んだご縁
大久保︰吉野さんはどのタイミングでPETOKOTOに興味を持たれたんですか?
吉野︰2021年の年末ぐらいだったと思います。大久保さんの話を聞いてPETOKOTOに興味を持つようになって、会社の情報を調べたり大久保さんが取材を受けた記事を読んだり、SNSをフォローしたり、週末どこに行くかPETOKOTO MEDIAで調べたり。
大久保︰愛犬はイングリッシュコッカースパニエルでしたね。
吉野︰5歳のジェナと1歳のニーナです。年間30〜40泊くらいキャンプをしたり犬連れアクティビティーを楽しんだりしています。僕と妻は趣味がほとんど一緒で、キャンプもするし釣りもするし。
大久保︰釣りもされるんですね。
吉野︰そうです。もう25年も前になりますが新婚旅行は釣竿を2、3本持ってポートランド(アメリカ・オレゴン州)に行って、釣りをしたりキャンプをしたりしました。あの思い出は今でも色濃く残ってます。
大久保︰いいですね。そうすると犬好きも共通なんですね。
吉野︰妻は僕以上にペットを愛してると思いますよ。いろんなことを勉強していて、ドッグトレーナーのところへ勉強に行ったり、自分でトリミングをしたり。デザイナーなのでブランドを立ち上げて、手作りのスヌードやお散歩バッグを販売していたこともありました。
大久保︰すごいですね。それだとPETOKOTOへの転職も理解を得やすかったんじゃないですか?
吉野︰それが、妻のほうが先にPETOKOTOのことを知っていたそうなんですよ。Instagramで「PETOKOTO FOODSの試食モニターをやりませんか?」とお誘いいただいて。
大久保︰えっ、そうなんですか!?
吉野︰あと、ジェナを迎えたばかりの頃に、イングリッシュコッカースパニエルのトリミングカットを紹介する記事に掲載していただいたこともあって、今でも載っています。
大久保︰ええっ!?
吉野︰ほら、これです。
大久保︰本当だ……。あれ? この記事を担当した専門家は僕の妻(トリマー)ですね。 2018年に連絡させていただいたみたいです。
吉野︰ご縁がすごいですね。妻にPETOKOTOの話をしたら「前から知っているよ」と言われ、すんなり理解してもらえました。
大久保︰吉野さんに入社してもらったのは偶然ではなく必然だったんだと思えるくらいのご縁があったんですね。ジェナちゃんに感謝します(笑)。
もっと、ぬくもり感のあるブランドをつくりたい。
吉野︰僕はずっとスノーピークでものづくりをしてきて、キャンプの力ってすごいなとずっと思ってました。例えばキャンプイベントに来て初めて出会う人たちが「キャンプ」という共通項があることによって「おはようございます」「おやすみなさい」と挨拶をする。
それと同じくらいペットもすごい力を持っていると思うんです。愛犬たちの散歩に行って犬連れの人とすれ違えば、初対面でも「おはようございます」とか「何歳ですか?」「かわいいですね」といった会話が始まる。犬連れじゃなかったら素通りですよね。
だから犬が人をすごくハッピーにさせてくれるんじゃないかと思うんです。犬にとっての幸せも大事だけど、飼ってる人の幸せも大事だと僕は思う。キャンプを通じて人と人が出会ってハッピーをわかち合うように、ペットでも同じことが起きる。僕は大久保さんの言う「ウェルネスカンパニー」をそういう風に解釈しています。
大久保︰PETOKOTOはメディアもフードも、どの事業も理念を持って立ち上げてはいるのですが、どことなくデジタル中心で。「ぬくもり」を感じるのってやっばりインターペットみたいなイベントなんです。だからこそ、僕はスノーピークのようなぬくもり感があるブランドをつくりたいと思って、それが一緒にできる人に入ってほしいと思っていました。
でも、まさか吉野さんが……。スノーピークとは歴史も何もかも違いますので真似ができるとは思っていませんが、吉野さんの知見を少しでもPETOKOTOで生かしていただきたいです。
吉野︰僕自身の生活が犬中心ですから、PETOKOTOで行ったことのないお出かけスポットを探せるのはありがたいと思っていました。でも自分が情報発信する側の立場になってみると、もっともっとできることがあるんじゃないかと思ってきます。僕はそういうデザイン、設計にすごく魅力を感じます。スノーピークで学んだこと、経験したことを少しでも生かして、「ペットを家族として愛せる世界」の実現に挑戦していきたいです。
大久保︰吉野さんがやりたいことは基本全部やっていただきたいです。PETOKOTOが媒介となって生む人と人のつながり、人とペットのつながり。ぜひトライしてください。よろしくお願いします。