猫にしつけはできる?トイレの失敗や爪とぎなどの対策について解説
愛猫が「どこでも爪とぎする」「スプレー行動をする」といった困った行動をする場合、愛猫にしつけを考える飼い主さんが多いかと思います。その際に、霧吹きをかけて嫌な思いをさせたり、恐怖を与えたりするようなしつけ方は絶対にNGです。今回は、必要性の高いしつけと、問題行動の対策について解説します。
猫にしつけは必要?
猫は犬とは違い「しつけをする」という概念がほどんどありません。
基本的に猫は環境さえ整っていれば、しつけをしなくてもある程度は本能でできるためです。
猫という動物種と、人が共に暮らしてきた歴史が、犬よりも短いために、本能が強く残っているからだと考えられます。
猫にしつけをしたい問題行動
トイレを失敗する場合
猫はトイレをすぐに覚えてくれます。それでも失敗が多いのであれば、一度トイレの大きさや配置を確認してみましょう。猫が「トイレの縁に座る」「壁などをカリカリする」場合には、トイレの大きさが合っていないことが考えられます。
大きさだけでなく、猫のトイレは頭数+1個が必要なため、数も十分か確認しましょう。
家具などで爪とぎする場合
猫の爪とぎ自体は自然なことですので、それをやめさせることはできません。適切な場所で爪とぎができるまでは「爪とぎされて困るものの保護対策」と「爪とぎの見直し」をしましょう。
爪とぎの見直しと並行して、適切な場所で爪とぎができたときにご褒美をあげるようにしましょう。
その場所で爪をとぐことを褒める(強化する)ことで、結果的に他の場所ではしないようになります。
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爪とぎを見直す際は「爪をとぎやすい形状なのか」「大きさ・材質・設置場所は適切か」という点を確認しましょう。スプレー行動
スプレー行動は基本的にオスに見られる行動です。スプレー行動をすることでテリトリーを示したり、メスへのメッセージを残すという意味があります。これは、成猫になる前の去勢が有効で、去勢の時期が遅いと、去勢後もスプレー行動をすることがあります。
猫もしつけられる?
学習理論上では、猫も犬と同様にしつけや芸を教えることができます。しかし、犬よりも難しいのは事実で根気が必要です。
猫のしつけが難しい理由
猫のしつけが犬と比べ難しい理由は、猫の食性と習性が犬とは異なるためです。猫は犬とは違い1回の食事の量が少なく、複数回に分けて食べるため、食に対する欲が犬ほどありません。そのため、短時間に連続したトレーニングが難しいのです。
また、猫はグルメといわれるほど嗜好性の幅が狭いため、食べ物ならなんでも良いというわけにはいきません。
まずは「嗜好性が高いものを探すこと」と「こまめなトレーニング」が必要になります。
さらに猫は単独生活者であり、群れで生活する犬とは異なります。そのため、他者との好適なコミュニケーションが少ないため、褒めたりテンションを上げたりするトレーニングは難しいのです。
霧吹きでのしつけはNG
飼い主にとってしてほしくない行動を猫がした際に、霧吹きで水を掛けたり、大きな音を立てて驚かせるというしつけ方法を耳にしたことはありますか?このような行動で猫をしつけようとしても、人嫌いになったり、余計に神経質になったり、場合によっては攻撃行動に発展する恐れがあります。
効果的と感じられる方法かもしれませんが、しつけとして根本解決にはならず「嫌なことをする人」と思われ、猫と信頼関係を築くのが難しくなります。
猫のしつけで大切なのは「してほしくないことを経験させないこと」「良いことを適切に褒めること」「適切な環境と適度な運動」の3点です。
猫にとっての良いことを見つけよう
「驚かす」「叱る」以外にもしつける方法はあります。猫がしている行動よりも良いことを提案してあげることで、気をそらすことができます。まずは遊びを通して、猫にとっての「良いこと」を増やしてあげましょう。
猫に必要なしつけ
猫であっても、子猫のうちにたくさんの刺激に慣れさせることは重要です。
そのほかにも「ハウストレーニング」「ハーネスとリードが着けられるようにする」ことは、動物病院への通院や災害時のためにも、できるようにしておくことをオススメします。
猫のハウストレーニング
猫は警戒心が強いので、初めて見るものに最初から入ることは考えにくいです。クレートやキャリーバッグを買ってしばらくは家の中に置き、いつでも猫が入れるようにしておきましょう。
この時怖い経験をさせたくないので、クレートであればドアは外しておくか、閉まらないように固定しておきましょう。
キャリーの場合は、猫が入るなど何かの衝撃で倒れてしまうことがないように、しっかり固定しておきましょう。
ハーネスとリードがつけられるようにする
猫は基本的に警戒心が強く臆病な気質なので、子猫のうちからたくさん撫でたり、ハーネスをつけたりする経験をたくさんさせておくことが大切です。成猫の場合は、愛猫が嫌がる場合は無理をさせず、根気よくつけるようにしましょう。