2匹目の猫を迎える際の注意点。後悔しないための準備や会わせ方を紹介
猫と暮らしていると、だんだん「遊び相手がほしいかな」「1匹のお留守番は寂しそう」と2匹目の猫を検討する方は多いのではないでしょうか。ただし、2匹目を迎えるにあたっての準備や注意すべきことはたくさん。今回は、相性の良い猫の組み合わせや、慣れるまでの対面方法などを解説します。
2匹目の猫を迎えるメリット・デメリット
多頭飼いのメリット
飼い主さんのメリットは、なんといっても大好きな猫に囲まれて生活できるという点です。一方、猫にもメリットがあり、追いかけっこをしたりプロレスをしたりと運動不足解消につながります。
多頭飼いのデメリット
ワクチン代などの医療費や、フード代や猫砂代の費用が2倍掛かるようになります。猫のトイレは「頭数+1」が良いとされているため、猫トイレの増設も必要となり、経済的な余裕がある必要があります。
猫の組み合わせごとの相性
親子兄妹は仲良し
一番うまくいくケースは、親子兄妹の血がつながっている子を複数飼育するという場合です。2匹目を迎えるというより、2匹を同時に迎えることになりますが、血のつながった子たちは、避妊・去勢を行えばずっと仲良しです。
最初から2匹迎えたい気持ちがあるのであれば、親子兄妹で迎えることをおすすめします。
兄妹同然に育った子も仲良し
血がつながった親子兄妹の次に仲良しになる確率が高いのが、兄弟同然に育った子同士です。保護活動をしていると同時期に子猫を何匹も保護することがあり、みんな兄弟同然に育ちます。そんな子たちが2匹で里親さんに迎えられた場合、ずっと仲良く暮らせます。
大勢で暮らしてきた子は順応力がある
長い間ずっと一人っ子で暮らしてきた子は、新しい猫を受け入れるのに時間がかかるときがあります。その点、複数の猫と暮らしてきた子は猫同士の距離感や接し方をわかっているので適応するのが早いです。
一概には言えませんが、大勢で暮らしてきた子は順応力が高い子が多いので、先住猫とうまくやれるでしょう。
成猫×子猫
大人の猫は子猫に寛容なことが多いため、先住猫が成猫で、2匹目の子が子猫だった場合もうまくいく確率は高いです。ただし、成猫で去勢していないオス猫は子猫を殺してしまうこともあるため要注意です。
去勢してあっても、成猫の牙は簡単に小さな子猫の命を奪う力を持っているので、完全に慣れるまでは「人がいないときにフリーにしない」といった対応が必要です。
成猫(メス)×成猫(オス)
同性には厳しいけど、異性には優しい猫にもいます。そういう子の場合、成猫同士でも仲良くなれる確率は高いでしょう。オスとメスなので、妊娠を望まない場合は、必ず避妊去勢をしてください。
成猫(メス)×成猫(メス)
メスはオスよりも穏やかで、縄張り意識も強くない場合が多いので、良好な関係を築ける可能性が高いです。成猫(オス)×成猫(オス)
張り合う気持ちや縄張り意識が強いオスは喧嘩に発展する可能性もあります。ただし性格によりますので、同居できないというわけではありません。同居するためには去勢は必須です。
高齢猫×子猫
相性が良い・悪いというよりも、やんちゃすぎる子猫の相手を高齢猫にさせるのは酷です。今までの環境が変わるだけでも高齢猫にはストレスなのに、手加減も知らず暴れまわる子猫の相手をするのは高齢猫の寿命を縮めてしまいかねません。
ただし、今まで一緒に暮らしていた猫が亡くなってしまうなどで意気消沈しているときは、新しいお友達を見つけてあげることは悪いことではありません。その場合、穏やかな子を探してあげましょう。
2匹目の猫を迎えるための準備
2匹目を迎えるときは慎重に検討し、仲良くなれるように努力を惜しまず、十分な準備をする必要があります。
準備するもの
2匹目を迎えるためには準備が必要です。準備を万端に整えることも同居成功の秘訣の一つです。- ケージ
- トイレ
- 食器
- 隔離できるスペース
先住猫の分だけでなく、2匹目の子の分を新しく用意しましょう。
先住猫の体調管理
2匹目を迎えるためには先住猫の負担が大きくならないように、健康状態を確認しておきましょう。ワクチンはワクチンでしか防ぐことができない病気があるため、完全室内飼育であっても必要です。新しく迎える猫のためにもワクチン接種をしましょう(完全室内飼育の場合は3種混合で大丈夫です)。
そのほか、血液検査など基本的な健康診断を受けておくと安心です。
2匹目の猫の健康状態
2匹目の猫の健康状態を確認しておきましょう。- ワクチン接種の有無
- 既往症
- 血液検査の結果など
「ワクチンをする必要があるのか」「持病があるのか」など知っておきましょう。
避妊・去勢
特にオス猫は去勢していないと、縄張り意識が強くなり、他の猫を受け入れがたくなります。2匹目に迎える猫も成猫であれば、避妊・去勢後の子のほうが同居しやすくなります。子猫を迎えたときは適切な時期に避妊・去勢手術を行いましょう。
男の子は去勢後であっても、メスの発情に刺激されてスプレー行為などが誘発される恐れもあります。
2匹目の猫の迎え方(迎える時の手順)
2匹目を迎えるにあたっては守ったほうがいい手順があります。この手順をきちんと踏むかどうかが、成功するかしないかに大きく影響します。
新入りはケージに入れる
いきなりフリーの状態で会わせては絶対にいけません。2匹の同居の失敗の大きな理由はこれです。いきなり顔を合わせてケンカに発展する、もしくは一方的に攻撃や威嚇を受けた場合、その後の仲の修復はほとんど不可能になります。
まずは新入り猫をケージに入れた状態で先住猫に紹介しましょう。
新入り猫も緊張していますから、隠れられる段ボール箱などをケージに設置してあげたり、ケージを布で覆うなどしたりして、少しでもストレスを減らしてあげてください。
無理に一緒にしない
先住猫と新入り猫を無理に一緒にさせようとしてはいけません。あくまで自然に2匹の距離が近付くようにします。先住猫が自分から新入り猫のケージに近寄っていくのに任せましょう。
警戒心が強いときは隔離
先住猫の警戒心が強いときは、無理させずに新入り猫は別の部屋にケージごと隔離しましょう。隔離した部屋には先住猫がのぞきにこれるようにしておきます。時間が経ち、新入り猫はずっと家にいるのだとわかるまで、ゆっくりとお互いに慣れさせてください。
挨拶できたら直接会わせてみる
ケージ越しに前足で触ってみたり、鼻チョンしたりなどのあいさつができるようであれば、新入り猫をケージから出して様子を見ましょう。最初は短時間で
新入り猫をケージから出しても問題がなくても、いきなり長時間フリーにするのではなく、初めは短時間から始めてみてください。飼い主さんがお留守番のときは、ケージに入れておいたほうがいいでしょう。
慣れるまでには個体差がある
猫を対面させる手順を紹介しましたが、猫の慣れ方には個体差がかなりあります。新しい家に着いたその日から、先住猫と仲良くできる子もいれば、長時間かかる子もいます。
2匹目の猫を迎える時の注意点
優先するのは先住?新入り?
何でも先住猫を優先して行うことが基本です。「新入り猫ばかりかわいがる」というのは、2匹目を迎えるときに絶対にやってはいけないことです。特に新入りの猫が子猫だった場合、人間の興味関心が全部そちらに移ってしまうことがあります。
そうなってしまうと、先住猫がつらい目に遭います。子猫に目移りし、先住猫が放置されるという、ある意味典型的な「最もしてはいけないこと」です。
慣れてもらう努力を最大限する
2匹目に迎えた猫が仲良くならないとを努力することもなしに、あきらめて放り出すようなことはあってはいけません。トライアルに出て失敗するということは猫も傷つきます。トライアル失敗後に、臆病になり、二度とトライアルができないこともあります。また、先住猫にも悪い印象が残り、2匹目を迎えるのがより困難になります。
猫が新しい環境に慣れるには時間と愛情が必要です。どうしても、先住猫との仲が悪い場合は、お互いの幸せのために2匹目を迎えることをあきらめることも大事です。
まずは仲良くなれるように最大限努力することを決意して、2匹目を迎えることを決断ください。
威嚇やケンカをしてしまったら
ケンカさせないようにすることが大切です。一度本気のケンカをしてしまうと仲を修復するのが難しくなります。あまり相性が良くないなと感じたときは、飼い主さんがいないときは部屋を別にする、猫がそれぞれ一人で過ごせる空間を作ってあげるなどしましょう。
多頭飼いの場合のご飯の与え方
多頭飼育でも、ご飯は1匹ずつ別々の器に入れてあげましょう。置き餌にする方を時々見かけますが、肥満の原因になったり猫の食事量を確認できなかったりするので猫の健康のためにはあまりよくありません。
猫のストレスサイン
猫がストレスを感じたときには次のようなことがみられます。- 大声で鳴く
- 落ち着きがない
- 脱毛(自分で毛を抜いてしまうことも)
- 攻撃的になる
- 便秘・下痢
- 吐く
猫はストレスに弱い動物だといわれています。ストレスを放置すると胃腸炎や膀胱炎を発症してしまうこともあります。
ストレスを感じている様子が確認できたら部屋を別々にしてみるなど、ストレス軽減できるようにしてあげてください。
3匹目以降を迎えたい場合
3匹目以降の迎え方も基本的に2匹目と同じです。2匹目を迎えた経験があり、先住猫たちは一人っ子の状態ではなく猫同士の付き合い方を学んでいるため、2匹目のときより容易に進めることができるでしょう。
ただし、猫が増えればそれだけ費用と世話の手間がかかることをよく考えた上で、3匹目を迎えることを決めてください。
2匹目は保護猫がおすすめ
保護猫はトライアル期間が設けられていることが多く、2匹目に迎えるのにおすすめです。
保護団体側からすると、先住猫の様子を見れば、その方が猫を大事にしているかどうかわかるため、歓迎されます。
また、保護団体はそれまで面倒を見てきて、その子の個性・性格を知っています。その子のことをよく知っている保護団体に相談すると、同居成功の確率は高まるでしょう。
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2匹目を迎える時は、先住猫のケア優先で
2匹目の猫を迎える際は、経済的な余裕が必要です
猫の組み合わせごとによって相性の良し悪しがあります
2匹目を迎えるときは慎重に検討し、十分な準備をする必要があります
猫にはそれぞれ個性があり、その子によっては、必ずしも2匹目を迎えるのが好ましい状況ではない場合もあります。
まずは先住猫のことを考え、2匹目を迎えるかどうか決めましょう。多くの場合きちんと手順さえ踏んでいただければ、同居はうまくいきます。