猫の柄・模様で性格がわかる? 種類や珍しい柄の名前も紹介

猫にはたくさんの毛色や模様・柄がありますね。猫の模様にはサビやキジトラなど見慣れたものから、珍しい色合いや模様の猫、面白い柄の猫もいてとても個性的です。しかし、それらのほとんどはいくつかに分類することができます。猫に多い柄にはどんな名前が付いているのでしょうか。また毛色や模様によって性格は異なるか……。今回は猫の気になる模様について紹介します。

なぜ多種多様な毛色になった?

現在人間と暮らしている猫は野生の猫と区別されて「イエネコ」と呼ばれています。どんな血統の猫であっても生物学上はすべて同じで、4000年前にエジプトで家畜化された種が起源となっています。種としては同じなのですがほかのネコ科の動物に比べるとペットの猫たちは、毛色や模様がずいぶん違いますね。

イエネコも元は単一の柄でした。突然変異でほかの毛色や模様の子が生まれても野生では目立ってしまうので生き残れなかったと考えられています。しかし猫がやがてヨーロッパに渡り、人間との関係が密接になると目立つ色の猫たちも生存できるようになり、さらにそれらの猫たちの交雑が進むことでさまざまな毛色が誕生したのです。猫の毛色が多種多様になったのは人間との濃い関係によるものといえますね。

縞模様・柄の猫

猫の模様で一番多いのが縞模様を持つ猫です。アイリスペットどっとコムの調べによると単一の縞模様の猫も数もかなり多いですし、白と縞模様の毛色を持つ猫も入れると断然トップの数となっています。猫に縞模様を持つ子が多い理由は、最初のイエネコが縞模様の猫だったからなのです。

キジトラ

キジトラ

単一の縞模様を持つ猫の中でも一番数が多いのがキジトラです。キジトラは茶〜こげ茶の毛色に黒い縞模様を持つ猫のことです。鳥のキジ(メス)の色に似ていることから日本ではキジトラと呼ばれています。キジトラは世界中におり、アイリスペットどっとコムの調べによりますと日本で一番飼育頭数の多い猫です。筆者は保護活動をしていますが、キジトラは毎年保護しますし、やはり数は多いと感じます。

キジトラの数が多いのは、最初にペットとなったイエネコがキジトラ柄だったからです。猫の祖先は砂漠地帯に生息していた「リビアヤマネコ」であることがDNAの解析で分かっています。キジトラとリビアヤマネコは多少の違いがあっても外見がそっくりです。キジトラは猫の基本色なので数が多く、そして祖先の血を一番濃く引き継いている猫といっていいでしょう。


茶トラ

茶トラ

茶トラは縞模様を持つ猫の中でキジトラに次いで数が多い模様です。オレンジ色~茶色の毛に濃い茶色~こげ茶の縞模様が入っています。茶トラは8対2の割合でオス猫の出現率が多い猫です。メス猫が全くいないわけではないですが、筆者は過去に何度も茶トラを保護していますが、茶白の子を含めてもメスは数頭しかしません。茶トラのメスはちょっと珍しい存在なのです。


サバトラ

サバトラ

地色はグレーで黒い縞模様が入っています。魚のサバに似ていることから日本では「サバトラ」と呼ばれます。日本ではサバトラはあまり数が多くなく、筆者も過去に白い毛が入っていない(サバ白ではない)完全なサバトラは数匹しか保護したことがありません。現在保護しているサバトラママの子もキジトラ、キジ白でサバトラの子は生まれませんでした。サバトラママの兄妹もほかにはサバトラはいませんでしたので、やはり生まれる数が少ないようです。


ムギワラ

ムギワラ

ムギワラとはキジトラ猫の毛色が薄くなったような外見です。茶色の部分や灰色の部分があり、キジトラ、茶トラサバトラが混じったような毛色で黒っぽい縞模様を持つ猫のことです。複雑な色合いでサビ猫と少し似ていますが、サビ猫より薄い毛色で縞模様があることが特徴です。3色の毛色が混じっているのでほとんどがメス猫です。

縞模様の猫は英語ではなんていう?

キジトラは「茶色のサバ柄のトラ猫」という意味の「brown mackerel tabby (ブラウン・マッカレル・タビー)」と呼ばれます。茶トラは赤の縞猫という意味の「red tabby(レッド ・タビー)」や「orange tabby(オレンジ・タビー)」と呼ばれます。サバトラは「シルバー・マッカレル・タビー(silver mackerel tabby)」「灰色のサバ柄の縞猫」と呼ばれます。ムギワラ猫は特に決まった呼ばれ方はありません。縞模様がついた猫はすべて「Tabby」と呼ばれます。

2色の模様・柄の猫

白黒猫

2色の毛色の猫というと黒白猫が思い浮かぶ方が多いかもしれません。2色の毛色を持つ猫は他にも茶トラ白、サバ白、キジ白、灰白などがおり、「〇〇(毛色の名前)+白」と呼ばれます。白の部分が多く色のついた毛の部分が少ないときは「トビミケ」「キジ白トビ」のように「トビ〇〇」「〇〇トビ」と呼ばれることもあります。

保護活動をしていると、白い毛とキジトラ模様や茶トラ模様の子を多く保護します。白い部分がない子より、白い毛の部分がある子の方が多い印象です。キジトラ、サバトラなどと呼ばれていますが、通常は雑種であり交雑が進んでいるので、もともとの毛色よりも白い毛も併せ持つ子が多くなっているのではないでしょうか。


サビ猫

サビ猫
Photo by gorotakuさん Thanks!

黒と茶色の毛がまだらに入り混じっている猫のことをいいます。さびたような色合いなので日本ではサビ猫と呼ばれます。別名はべっこう猫。従来のサビ猫は黒と茶色の毛ですが、「パステル・サビ」と呼ばれるグレーとクリーム(薄茶色)の組み合わせの子もいます。サビ猫もほとんどがメス猫しかし存在しません。サビ猫は日本では人気がない傾向があるのですが非常にユニークで、世界中でその子しか持っていない柄模様を楽しめる猫でもあります。

2色毛色の猫は英語でなんという?

2色の毛色の猫は英語では「bicolor (バイカラー)」といいます。白黒猫であれば「black and white」ともいわれます。サビ猫は「べっこう猫」の意味である「tortoiseshell cat (トーティシシェル キャット)」といいます。

3色の模様・柄の猫

三毛猫

3種類の毛色を持つ猫といえば三毛猫ですね。きっぱりとした白、茶、黒の3色の毛色がいわゆる「三毛猫」と呼ばれる猫です。三毛猫は日本ではさほど珍しいと思われていませんが、海外ではあまりいないようで三毛は日本の猫の特徴だと認識されています。

日本的な外見をしている猫として海外で人気のジャパニーズ・ボブ・テイルは、正式には原産国が日本とはいえませんが、3色の毛が日本的であるとされ「Mike」という愛称でも呼ばれているのです。

きっぱりとした3色の毛色の猫が本来の三毛猫ですが近年では、全体的に色が薄い「パステル三毛」や「縞三毛」が多く見られるようになってきています。実際に筆者も近頃では従来の三毛猫を保護することは少なく、多くが縞三毛です。これも交雑が進んでいる結果かもしれません。従来のような三毛猫は希少種になるかもしれませんね。

三毛猫はほとんどがメスであることも特徴です。遺伝的要素で3色の毛色はメスしか持つことができないためです。ごくまれにオスの三毛猫が存在し大変高価ですが、生殖能力がないなどの障害があることが多いようです。


縞三毛

縞三毛

縞三毛は3色の毛色を持つ三毛猫の一種ですが、黒い部分や茶色い部分に縞模様があります。縞模様があっても三毛猫ですので、ほとんどメスしか存在しません。近年多く見かけられるようになってきた三毛猫で、筆者が昨年保護した三毛猫は全部「縞三毛」でした。

パステル三毛

2018_0614_cat_na_013
Photo by Cstrwbrrys

パステル三毛とは3色の毛色ですが、茶色が肌色やピンク色に近く、黒はグレーである全体的に薄い色合いの三毛猫のことをいいます。パステル三毛も近年、見かけることが多くなり、筆者も数匹保護したことがありますが、縞三毛よりは少ないようです。

三毛猫は英語でなんという?

三毛猫はべっこう柄の猫という意味の「tortoiseshell cat(トーティシシェル・キャット)」、ぶちの猫という意味の「calico cat(キャリコ・キャット)と呼ばれます。

1色の毛色の猫

ここまで複数色の毛色の猫を紹介してきましたが、1色のみの毛色の猫もいます。

黒猫

黒猫

真っ黒の猫です。欧米では黒猫は魔女の使いとされ、いまだにその迷信を引きずっているところもあるようですが、日本では幸運、商売繁盛を呼び込む縁起が良い福猫とされています。海外では黒猫はあまり人気がないようですが、日本では「魔女の宅急便」キキ、「ルドルフとイッパイアッテナ」のルドフル、クロネコヤマトのキャラクターなどの愛され黒猫キャラが多いので、悪いイメージを持っている人は少ないのではないでしょうか。

白猫

白猫

真っ白の被毛を持つ猫です。実はほぼ白い毛の猫は多くいますが、真っ白の毛の猫は少しめずらしいです。筆者が過去に保護した子で真っ白の子は数頭のみです。ほとんど白くても、頭のあたりに少しだけ黒い毛の部分があったりするのです。このほんのちょっぴりの黒い毛は成長につれて無くなってしまい、真っ白になる場合もありますが、いつまでも残り続けることも多いです。メラニン色素が薄いので白猫は目の色も緑や青になる傾向が高いです。ときどきオッドアイの猫がいますが、白猫はオッドアイが出現しやすいようです。

灰猫(グレー)

灰猫

全身灰色(グレー)の猫です。純血種ではロシアンブルーが有名ですね。雑種の猫では灰色1色の猫は珍しいです。筆者は保護したことがありません。グレーであっても薄い縞模様が入っていることが多く、灰猫ではなくサバトラです。ほかのボランティアさんが保護した灰猫を見たことがあるので全くいないわけではありませんが、ちょっと貴重な存在かもしれませんね。


1色の猫を英語でなんという?

1色のみの毛色の猫を英語で「solid cat(ソリッド・キャット)」といいます。ソリッドとは「色が単一」という意味です。黒猫は英語では「black cat」になり、1色のみの毛色の猫は色の名前で呼ばれます。

猫の模様と遺伝の関係

猫の毛色や柄には「生まれやすいもの(優性遺伝子)」と「生まれにくいもの(劣勢遺伝子)」があり、たとえ同じ毛色の両親であっても、生まれた子猫全てが同じ色、模様であることは少ないです。三毛猫やパステル三毛、サバトラなどは遺伝的に生まれにくいため、見かける数も少ないのです。

毛色によって性格に違いはあるの?

茶白

猫の毛色による性格の違いがあるかどうかははっきり分かっていません。茶トラはやんちゃで甘えん坊、三毛猫は賢い、などの通説がありますが、それは毛色の違いというよりも茶トラはオスが多く三毛猫はほぼメスしかいないという、性別の違いによる特徴であると思います。筆者が保護活動をとおして接してきた多くの猫は、毛色の違いというよりもその子の個性や育った環境による性格への影響が強いと感じるからです。

茶トラでも大人しい子もいますし、黒猫でも人見知りな子もいます。「甘えん坊がいいから茶トラ」という選び方ではなく、出会ったその子の個性や性格を受け入れてほしいと思います。

猫の多様な柄は個性の一つ

サビ猫
Photo by gorotakuさん Thanks!


猫の柄についての大枠の種類をご紹介しました。しかし猫の柄は多種多様であり、保護活動をしていると「この子の柄は何柄に当てはまるのかな?」と思う子もいます。里親さんを募集するとやはり人気の毛色、柄はあるのですが、ユニークな柄の子でもそれを個性として受け入れていただければ保護活動者としてはとてもうれしいです。

Share!