【トレーナー解説】オビディエンスとは?意義や競技会についてドッグトレーナーが解説

【トレーナー解説】オビディエンスとは?意義や競技会についてドッグトレーナーが解説

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「オビ」もしくは「オビディエンス」という言葉を聞いたことはありますか?オビディエンスとは「服従訓練」のことを指します。しつけとの違いや必要性など、悩む飼い主さんも多いでしょう。今回はドッグトレーナーの西岡がオビディエンスのトレーニングの方法、競技会などを解説します。

「オビディエンス」とは

トレーニングする犬

オビディエンス(Obedience)は、直訳すると「従順」を意味し、英語では「Obedience training(服従訓練)」といいます。

日本では意味は同じですが、略して「オビ」もしくは「オビディエンス」と呼ばれることが多いです。

「オビディエンス」と「しつけ」の違い

「オビディエンス」と「しつけ」の違いは、ドッグトレーナーでも明確な線引きは困難です。

<しつけ>

しつけとは犬との生活の上で必要な「共存のためのルールづくり」のことを指します。

具体例として、リードを引っ張らずに歩くことを教えることが挙げられます。

<オビディエンス>

オビディエンスは、しつけよりさらに上級編の訓練のイメージです。

「服従訓練」とはいえ、最近ではしつけのレベルアップを図りながら、飼い主さんと愛犬が一緒に楽しめる「ドッグスポーツの一種」という意味合いが強くなりました

チームで楽しむ「ラリーオビディエンス」



オビディエンスには、飼い主さんと犬がチームを組んで楽しむ「ラリーオビディエンス」というものもあります。

ラリーオビディエンスを簡単に説明すると「座れ」「伏せ」「付いて歩く」「待て」「来い」などの種目を、一つのコースとして行うものです。

オビディエンスの項目を「ラリー(Rally)=続ける」ので「ラリーオビディエンス」といいます。

団体によって細かいルールの差はありますが「オヤツ」や「褒めること」が可能なため、愛犬も飼い主さんも楽しみやすい種目です。

オビディエンスの意義

ドッグランにいる犬

日常生活で、オビディエンスが入っていると良いことはたくさんあります。

最近は犬同伴で泊まれるホテルや旅館、一緒に食事を楽しめるレストランなどがとても増えました。一方で、犬同伴不可の公園や、一度は同伴可能にしたけれど「禁止」に戻したという場所もあります。

同伴可能だった場所が同伴不可になるのには「マナーを守れない飼い主さん・犬が多いから禁止にした」という答えがほとんどです。

これは、犬が悪いのではなく、きちんとコントロールできていない飼い主さんの責任です。

こういったときに基本的なオビディエンスが入っていれば、新しい環境でも不安定にならずに済みます。

すべての飼い主さんが、愛犬を「同じ一定のレベルでコントロールできること」が、オビディエンスの意義であり、犬たちが、飼い主さんが暮らしやすい社会につながります。

オビディエンスの練習・トレーニングの仕方

軍用犬

元来の使役犬に対するオビディエンスというのは、対象がシェパードやラブラドールレトリーバーなどの大型犬の場合が多く、ある程度プレッシャーをかけて威圧して教えることが多くありました。

警察犬や警備犬など業務のための訓練という意味合いが強かったので、失敗は許されないことが多いからです。そのため、訓練所に預けて訓練を入れるということが多かったのです。

今は、飼い主さんと楽しみながら、トレーナーが方法を教え、飼い主さんが実践しやすいように「褒める」ことを強化したトレーニングが主流となってきています。

「褒める」ことをよりわかりやすくするためにも「モチベーター」を使うと良いでしょう。「モチベーター」とは、犬の好きなご褒美のことをいいます。

わかりやすいのはおやつですが、それ以外にもボールが大好きな子ならボールもモチベーターとなり、犬にとってモチベーションが上がるものがモチベーターです。

オビディエンスに得意・不得意はある?

「オビディエンスが入りやすい犬種」というとボーダーコリーが挙げられます。

とはいえ、個体の性格も大いにあるため「この犬種はできる」「この犬種はできない」ということはありません。

小型犬の場合など、最初は目線やおやつが見えやすいように、人間が座った状態で始めるなどの工夫をしてあげることもおすすめです。

大切なのは、飼い主さんが「うちの子には無理」と諦めないことです。

オビディエンス競技会とは

競技会に出る犬

オビディエンスには「ジャパンケネルクラブ(JKC)」の訓練競技会があります。

一番初級クラスの「CD1S」(家庭犬競技準初等科)という項目は、全部で5科目の競技から行われます。

規定科目という全員同じ科目が2つと、自由選択できる科目が3つです。規定科目の2つは「紐付脚側行進(往復常歩)」と「紐付立止」です。

紐付脚側行進(往復常歩)

紐付脚側行進は、簡単に説明すると「リードを付けた状態でツケをして歩く。歩くスピードは普通の人の歩く速さ」というものです。

細かなルールを紹介すると、スタートは脚側停座(ツケの状態でオスワリ)からスタートし、コの字型の30メートルのコースを歩きます。

声をかけていいのは最初と最後のみ。途中で声をかけることはできないため、この1科目だけでもかなりの精度が求められます。

紐付立止

紐付立止は、ツケの状態でオスワリから立たせて3秒そのまま、そしてまたオスワリをすることです。その間、人は誘導するような動きができないため、声の指示のみです。

選択科目は13項目の中から選べます。興味が湧いた方は、ぜひ確認してみてください。

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オビディエンスにチャレンジしてみませんか?

オスワリをするビーグル

オビディエンスとは「服従訓練」のことを指します
オビディエンスとしつけの明確な線引きは困難です
オビディエンスが入っていると日常生活で役立ちます

犬は学び続ける動物であり、人と何かすることに喜びや幸せを見出します。

ぜひ、愛犬と楽しみやすい、オビディエンスやラリーオビディエンスにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

犬と暮らしている人、暮らしてない人どちらにおいても、犬連れの人たちのマナーの向上は、優しい社会のために役立つはずです。


参考文献




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