赤ちゃんと犬の同居は危険?アレルギーや事故から守るための注意点を紹介

赤ちゃんと犬の同居は危険?アレルギーや事故から守るための注意点を紹介

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赤ちゃんと犬が仲良くしている様子は微笑ましいものですが、実際に赤ちゃんと犬との同居はうまくいくのでしょうか。「噛まれた」「犬アレルギーが発症した」など悲しい事故を防ぐために、予め十分な準備と注意点を認識しておきましょう。

赤ちゃんと犬は同居できる?

犬と赤ちゃん

しっかり準備と心構えをすれば犬と赤ちゃんの同居は可能です。

ただ、残念ながら、赤ちゃんが生まれるからという理由でペットがないがしろにされる、捨てられるということは珍しくありません。

赤ちゃんも犬も、家族として大事にしましょう。

ドッグトレーナーコメント

悲しいことですが、かわいがって育てていた犬であっても生まれた赤ちゃんが「犬アレルギーだった」「犬が赤ちゃんをケガさせた」などの理由で飼育放棄をされる方がいます。

「ケガをさせてしまった」というのは、飼い主が目を放さないようにしたり、しつけをしたり、部屋を分けるなどの対策を取ることができます。

ですが、アレルギーとなると心配になるのは親として自然なことだと思います。赤ちゃんが万一アレルギーを持っていたらどうするのかなど、起こりうることを事前に考えておく必要があります。

「病院の先生に相談してみる」「しばらくは部屋を分ける」「実家に犬を預けて、毎週末など頻度よく会いに行く」など家族みんなで相談しましょう。

一緒に暮らしているうちに、アレルギー反応を起こさなくなるという話しもよく聞きます。犬と赤ちゃんが仲良く暮らせるように、サポートしてあげてください。


赤ちゃんと犬の同居にはしつけが必須

犬と赤ちゃん

赤ちゃんと犬が同居する際には、犬が人間と暮らすルールを理解していて、飼い主さんの指示に従うことができることが大切です。

犬は子供が苦手なことを理解する

子供の「ふいに出す大声や叫び声」や「予測不能の動きや乱暴な触り方」などが、犬が赤ちゃんを苦手とする主な原因です。

そのため、犬と赤ちゃんを放っておいても仲良くなるとは思わずに、赤ちゃんと犬の様子を注意深く観察し、適度なところで引き離すなど必ず飼い主さんがフォローすることが大切です。

信頼関係を築くことが大切

犬は赤ちゃんを含め、子供が苦手なことが多いですが、飼い主さんと信頼関係ができていれば、飼い主さんが大切にしている赤ちゃんを大切にします。

家族の一員と認識すれば、愛情を抱くようにもなります。赤ちゃんと犬が安全に触れ合えるようにするには、飼い主さんとの信頼関係としつけが必須です。

飼い主がリーダーであること

リーダーとは、犬を支配する者ではなく、犬を導き守ってあげるものです。

犬のリーダーになるためには愛情をもって接し、善悪の区別などを一貫した態度で教え、犬に不安を感じさせない落ち着いた態度で接することが必要です。

飼い主さんを信頼できるリーダーだと認めれば、犬は全幅の信頼を寄せ、深い愛情も抱きます。そんな飼い主さんが大切にする赤ちゃんを犬も尊重するでしょう。


基本的のしつけはしっかり

最低限マスターしておきたいしつけは「アイコンタクト」「待て」「おすわり」です。

アイコンタクトを覚えることで犬は飼い主の表情をちゃんと見るようになり、「待て」「おすわり」など犬を制止させるコマンドは、赤ちゃんと接触するのをやめさせたり、犬を落ち着かせたりするために必要です。

これらの基本的なしつけは、飼い主が犬の扱い方を理解し犬との間に信頼関係があれば、犬がマスターするのはそんなに難しくありません。

もし「うまくできていない」「自信がない」という場合はひとりで悩まずに、しつけ教室などを利用してみてください。

しつけ教室は、犬を預けるのではなく犬と一緒に参加するものがおすすめです。

赤ちゃんと犬はいつから同居してもいい?

赤ちゃんと犬
Photo by CC-BY-SA-3.0さん Thanks!

すでに犬と暮らしている場合

赤ちゃんが生まれる前から犬と暮らしている場合は、赤ちゃんは生まれたときから犬と同居することになります。

前もって準備し、同居のための対策をすれば、生まれたときから一緒に暮らすことは可能です。

すでに犬と暮らしている場合、赤ちゃんの迎え方の注意点は以下の通りです。

<犬も不安を感じている>

赤ちゃんが生まれるということは、お家の中の様子が変わったり、家族が赤ちゃんを迎える準備で忙しかったりと犬を取り巻く環境にも変化が生まれます。

そして、赤ちゃんがいよいよ生まれるというときは、人も緊張しますし、犬もその様子に不安やストレスを感じるでしょう。

いつも通りのスキンシップを心がけるなど、ワンちゃんのストレスを軽減するようにしてあげましょう。


<犬がいる家に赤ちゃんを迎える>

なるべく犬が待っている家に赤ちゃんを連れ帰るようにしましょう。

犬をよそに預けると「知らない赤ちゃんがいる」という全くわからない状況の家に犬が帰ってくることになり、犬が混乱します。

<前もって赤ちゃんの匂いを嗅がせる>

犬は匂いに敏感ですが、特に飼い主さんがいつもと違う匂いがするとかなりしつこくチェックします。

赤ちゃんの匂いを不審な匂いだと思わないように、赤ちゃんの匂いが付いたタオルなどを前もって犬に嗅がせて慣れさせておくと良いです。

<赤ちゃんに優しくできたら褒める>

犬が赤ちゃんと対面し、友好的な態度をとることができたら思いっきり褒めてあげましょう。


赤ちゃんが生まれた後に犬を迎える場合

赤ちゃんが生まれた後に犬を飼いたい場合は「本当に犬を家族に迎えても世話ができるか」事前に十分検討してください。

犬は「毎日の散歩」「ご飯」「ブラッシング」などのお世話だけでなく、しつけも必要です。

犬自身や家の清潔を保つことも赤ちゃんと暮らすためにはより注意が必要でしょう。手間もかかるし、お金もかかります

「飼ってみたけど面倒をみきれない」では、あまりに犬がかわいそうです。犬を飼うチャンスはお子さんが大きくなってからでもあるはずなので、今でなければならないのかどうか、最期まで十分に面倒が見れるのか、十分に検討してください。

お世話の分担を決めておく

赤ちゃんがいるからといって、犬を散歩に連れて行かないということは、犬がかわいそうですし、問題行動の原因となります。

愛犬のお世話の分担も前もって決めておくと良いでしょう。また、どうしても赤ちゃんのお世話で忙しいときは、ペットシッターや預かりサービスを利用するなど、ひとりで背負いこまずに専門家を頼るのも大切です。

犬が赤ちゃんをなめても大丈夫?

犬と赤ちゃん

正しく飼育していれば問題ない

犬が赤ちゃんと仲良くなると、手や足、顔や口などをなめることもあるかもしれませんが、衛生的な環境で正しく飼育していれば過剰に心配する必要はないでしょう。

愛犬が赤ちゃんの顔や手、口などをなめてしまったら念のため、拭いてあげましょう。

ドッグトレーナーコメント

生まれたばかりの赤ちゃんは免疫力が低く、犬に舐められることで皮膚などの炎症を起こす場合もあります。

また、ミルクの匂いのする赤ちゃんを犬が「必要以上に舐めてしまう」「つい甘噛みしてしまう」など、犬に悪気はありませんが、場合によっては赤ちゃんが泣いてしまったり、ケガしてしまったりする可能性もあります。

赤ちゃんと犬を触れ合わせるときは、必ず犬(赤ちゃん)から目を離さず様子を見るようにしてください。



赤ちゃんがいるなら特にしておきたいこと

  • 犬にワクチン接種を受けさせる
  • 犬を清潔にする
  • ノミ・ダニ・寄生虫予防をする
  • 犬を室内飼育にする
  • 犬のトイレは常に清潔に
  • 水入れや食器もきれいに保つ
  • こまめに掃除をする
  • 空気清浄機を導入する
  • 犬に生肉を与えない

犬と赤ちゃんがいる場合はストレスに注意

犬と赤ちゃん

犬は自分より小さい家族を守ろうともしますし、多少嫌なことをされても我慢もします。しかし、我慢にも限度がありますしストレスもたまります。

自分だけに向いていた愛情が赤ちゃんに向いてしまえば寂しい思いもするでしょう。愛犬が赤ちゃんと一緒にいることでストレスをためすぎないように注意してあげてください。


犬のストレス軽減のためにできること

  • 犬がひとりで落ち着けるクレートなどの場所を用意する
  • 毎日散歩に連れ出してあげる
  • 十分に運動をさせる
  • 赤ちゃんが乱暴なことをしたら、飼い主さんが止める
  • 犬とのスキンシップや遊びの時間を持ってあげる
  • 犬と赤ちゃんだけで放置しない

まとめ

犬と赤ちゃん
事前準備と心構えをすれば犬と赤ちゃんの同居は可能
赤ちゃんと犬の同居にはしつけが必須
犬がストレスを抱えないよう対策を
赤ちゃんと犬を触れ合わせるときは必ず飼い主が見ていること
赤ちゃんと犬のお世話は大変なこともあるかもしれません。しかし、言葉を話せない犬と暮らすことで赤ちゃんの感性を刺激し優しい心を育んでくれるかもしれません。

犬は赤ちゃんの家族であり、一緒に遊んでくれる友人にもなります。他者を大切にする気持ちを教えてくれるでしょう。