猫の皮膚が赤い場合に考えられる症状や原因などを獣医師が解説
人と同じく、猫の皮膚が赤くなることがあります。発赤(はっせき・ほっせき:皮膚に赤みが出ること)は、皮膚の一次性の変化であり、多くの疾患の手がかりとなります。つまり、この発赤が認められるということは、その部位において現在進行形で、外傷や血管炎のために局所的な出血や炎症が発生していることを意味します。今回は猫の皮膚が赤い場合に考えられる症状や原因を白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師で獣医循環器認定医の佐藤が解説します。
猫の皮膚が赤い場合に考えられる原因と病気
- ヤケド
- 虫刺され
- 皮膚炎
- デキモノ(腫瘍)
猫の皮膚が赤い場合の応急処置・予防ケア
これら発赤は、前記したように皮膚表面の炎症によるものです。この炎症が生じることで痒みなどの違和感を持つため、発赤部やその周囲を掻いたり、舐めたり、壁に擦り付けたりします。したがって、発赤部位を確認した場合は、そこを猫が刺激しないように心がけてください。方法を説明します。
1. エリザベスカラーをつける
噛んだり、舐めたりする場合にはエリザベスカラーをつけましょう。2. 爪を短く切る
爪を短く切るなどして、掻かせないようにし、極力刺激がかからなくしましょう。この状態で数日後に赤みが消失する場合、そのままご自宅で経過を観察しても構わないでしょう。猫の皮膚が赤い場合は異変を感じたらすぐに動物病院へ
肥満細胞腫の場合は、手術による摘出が必要になります。この腫瘍の場合、タイプによっては命の危険をもたらす種類もあるため、発疹がある場合には、お早めに来院してください。また、発赤の判断に少しでも迷われた際にも、腫瘍の可能性を考えると、一度病院にて検査されることをおすすめします。