猫が撫でられると嬉しい場所と苦手な場所は?喜んでいるサインも紹介
愛猫を撫でる時間は飼い主さんにとって至福のときですね。しかし、実は猫ちゃんの方は体のどこを撫でられても嬉しいわけではありません。猫は撫でられると喜ぶ場所があり、また撫でられるのが苦手な場所もあります。愛猫の好みを知って、上手にコミュニケーションをとりましょう。
猫は撫でられるのが好き?
柔らかくてモフモフの毛を撫でることは、猫好きにとっては楽しいことですが、撫でられるほうの猫はどうなのでしょうか?
猫ならみんな、撫でられるのが好きというわけではないようです。
撫でられるのが苦手な猫もいる
飼い主さんに撫でてもらって、うっとりと気持ちよさそうにしている様子であれば、それはもちろん、撫でられることが好きな子でしょう。撫で方や撫でるポイントに気をつければ、なでなでされることが好きな子は多いでしょう。
しかし、必ずしも撫でられるのが好きではない猫もいます。
人慣れしていないというわけでなくても、長年一緒に暮らしていて自分からスリスリしてきても、飼い主さんに撫でられるのが苦手な子は実はそんなに珍しいわけではありません。
筆者は保護活動をしているのでたくさんの子と一緒に暮らしていますが、撫でられることがあまり好きではない子がやはり数匹います。保護猫なので、人間にひどい目にあわされた過去があったり、野良猫生活で警戒心が強くなったりという成長課程のバックグランドにより、撫でられる(触られる)ことに少し恐怖を抱いてしまう子もいます。
また、そのような背景がなくても、生まれ持った性格で飼い主さんにあまりべたべたしたくなかったり、撫でられるのがあまり好きでなかったりする子がときどきいます。猫といっても性格は千差万別。そこは個性ですから尊重してあげたいですね。
猫が撫でられると喜ぶ場所
1. 腰
多くの猫が撫でられたり、ポンポンされたりすると嬉しい場所が「腰」です。具体的にはしっぽの付け根の腰の部分で、この部分をなでなでされたり、ポンポンされるたりすることが大好きで、触られると思わず腰を高く上げてしまう猫は多いでしょう。
ほとんどの猫がそうですが、そんなに好きではない子もいますので、愛猫がどうなのかを観察してあげるといいですね。
2. 後頭部
猫の耳の後ろから首のあたりまでにかけて後頭部の部分は猫が撫でられても抵抗が少ない部分であり、この部分を撫でられることが好きな猫は多いです。後頭部はゆっくりと優しく撫でてあげるといいですね。
3. 背中
背中の部分も猫が撫でられるとうれしい部分です。背中は多くの猫が撫でられると嬉しい、もしくは撫でられてもOKな場所ですが、横腹に近い場所に手が行ってしまうと嫌がる子も多いです。
猫に喜んでもらうためには、お腹に近い部分は撫でないほうがいいでしょう。
4. 顔周り
口の周りや眉間、あごなどの顔周りを撫でられるのが好きな子もいます。母猫は子猫の顔を舐めてあげるので、顔周りを撫でられると気持ちよく感じるのでしょう。ただし、顔周りを撫でられることが好きではない子も少なくありません。顔周りは、撫でられるのが好き派と嫌い派に分かれます。
猫は撫でられるのが苦手な場所
なでなでが好きな猫ちゃんであっても、全身のどこを撫でられても嬉しいわけではありません。絶対に撫でられたくない場所があります。
苦手な場所を撫でてしまうと噛まれたり、蹴りを入れられたりするかもしれないので、愛猫が喜んでいるか、嫌がっているかを理解してあげましょう。
1. お腹
モフモフのおなかを見ると思わず撫でたくなりますが、お腹は撫でられるが嫌いな猫が多い場所です。筆者と一緒に暮らしている猫たちの中でも、お腹を躊躇なく撫でさせてくれる子はごく少数です。
お腹には骨がなく、生命維持のための内臓が詰まった大事な場所であり猫の急所です。触られるのが嫌な猫ちゃんが多いでしょう。
2. 足先
足先も猫が触られたくない場所の1つです。足も猫にとって身を守るために重要な場所ですね。そのため、触られるのを好まない子は多いです。3. しっぽ
猫のしっぽは実はちょっと弱い部分です。筆者はしっぽを車にひかれてしまった結果、自力排泄ができなくなってしまった子の世話をしてします。しっぽは脊髄や神経と繋がっているために、傷つくと生命が脅かされる危険があり、また痛みを感じやすいとされています。そのため、触られるのが苦手な猫が多いです。
4. 頭
猫のかわいい耳の間を思わず撫でなくなりますが、実は耳と耳の間の頭の部分を撫でられるのが嫌いな子は多いです。頭を撫でる際は後頭部を撫でましょう。猫が撫でられて嬉しいサイン
猫の撫でられて嬉しい場所とそうではない場所をご紹介しましたが、撫でられて嬉しい場所は猫によって多少異なります。
撫でられた際に嬉しい様子が見られたら、その部分を撫でられることが好きというサインになります。
撫でられたときに、次のような様子が見られたら嬉しいサインです。
- ゴロゴロ言う:うれしい気持ち
- あくびをする:リラックスしている
- 体を伸ばす:うれしい、リラックスしている
- フミフミする:子猫に戻った甘えた気持ち
猫を撫でることは健康チェックに!
猫を撫でることは健康チェックにも役立ちます。
1. 痩せていないかチェック
猫は毛が生えていますので、体が痩せてしまっても気がつきにくいです。また、具合が悪いことを隠そうとするので、気がついたときにはかなり病気が進行してしまっていることも少なくありません。猫の体を撫でたときに、痩せていないかチェックしましょう。毎日、猫の体を触っていると、骨が当たるようになったなどのちょっとした違いも分かるようになります。
ダイエットをしていないのに痩せた場合は、病気の可能性が高いです。早急に獣医を受診しましょう。
2. 毛艶をチェック
猫の健康状態は毛の状態にも現れます。健康な猫の毛は柔らかく、つやつやとしていて、手触りもビロードのようです。毛の手触りが変わったり、毛艶がなくなったりしたときには病気の可能性があります。気づきにくいことですが、毎日愛猫を触っていると感触の違いに気づくことができます。
3. 皮膚病をチェック
猫は毛が生えているので皮膚の状態を確認しにくく、皮膚病に気がつかないことがあります。猫がよくかかりやすい皮膚病が猫挫創(猫ニキビ)ですが、顎の裏にできるので分かりにくいです。顎を撫でることができると感触で気付くことができます。俗称が猫ニキビですが、放置すると重症化することがありますので油断しないようにしましょう。
他の皮膚病も撫でたときに気がつくことがあります。筆者が保護した成猫は長期の野良猫生活でカビによる皮膚病にかかっていました。
一見わからないのですが、撫でることができたために気がつくことができ、重症化する前に治療で改善することができました。
愛猫を撫でることは大切!
猫を撫でることで愛猫とのコミュニケーションを深めることができますが、それだけではなく健康チェックもできます。
撫でられるのが苦手な子もいるため無理強いは良くありませんが、それぞれの猫で撫でられて嬉しい場所があるので、撫でられたときにどこが心地よい場所なのか観察してみるといいでしょう。
撫でることで飼い主さんだけが満足するのではなく、猫も気持ちよく感じてくれるといいですね。