猫が鼻キスをする理由は?鼻チューの気持ちや感染症の注意点、嫌がる理由も解説
猫同士が鼻をつけていたり、飼い主の口に鼻をつけてきたり、見ているだけで癒される猫の鼻キス。一方で、猫の鼻にキスをしようとしたら嫌がられたという人もいるのではないでしょうか。猫にとって鼻はとても敏感な身体の部位の一つなので、鼻に触るなど、鼻にまつわる行動には大きな意味があることが多いです。今回は、そんな猫の鼻キスについて解説します。
猫が鼻キスをするのはなぜ?
そんな仕草には、状況によっていくつかの理由が考えられます。
猫が鼻と鼻を合わせてキス
猫同士が鼻と鼻をつける行為には、挨拶と同じ意味があるとされています。匂いから相手に関する情報を確認するのと同時にこちらには敵意がないことを表現することで、「こんにちは」の気持ちを表しているのです。初対面同士の猫にも見られることがありますが、すでに仲が良い猫同士に頻繁に見られる行為です。
猫が飼い主に対してキス
猫同士の鼻キスと同様に、挨拶をすることを目的に飼い主さんにも鼻キスをすることがあります。鼻をチョンとつけられる場所なら顔以外にもどこでも、足や手などにも鼻キスをしてくることがあります。特に、尖ったものの先端を嗅ごうとする猫の習性から、手先や指先を差し出すと鼻キスをしてくれることが多いです。
また、挨拶とはちょっと異なるタイミングで、構ってほしいときにも鼻をつけてくることがあります。これも愛情表現の一つと考えることができますが、どちらかというと甘えたいという欲求の表れといえます。
この要求に応えられるときはぜひ一度作業を中断して、一緒に遊んであげましょう。
猫の鼻にキスをすると鼻が濡れているのはなぜ?
猫の鼻鏡について
猫の鼻をよく見ると、「鼻紋(びもん)」と呼ばれる細かい模様があります。鼻紋は、人間の指紋と同じように二つとして同じ模様がありません。この鼻紋となっている溝を通じて分泌液などが伝うことで、猫が活動している間は基本的に湿らせています。そしてこの鼻紋が張り巡らされている部分のことを「鼻鏡」や「鼻平面」といい、全体を湿らせることで匂いの粒子をキャッチしやすくなったり、風向きなどをより感じやすくしています。これを含めた複雑な鼻の仕組みによって、猫の嗅覚は人間の数十倍から数万倍ともいわれています。
鼻鏡は寝ているときや寝起きは乾いていることが多いですが、猫の活動中にも乾いている場合は何らかのトラブルが考えられます。
空気の乾燥による脱水症状や、病気のサインである可能性も高いので、部屋の湿度を上げたり水を飲ませるようにしましょう。それでも改善されない場合には、獣医さんに相談してください。
匂い以外に鼻で感じるもの
猫の鼻には、鼻の穴と上顎の間に「ヤコブソン器官」と呼ばれるフェロモンを感知する部分があります。フェロモンは人間の鼻では感じることができない物質ですが、猫同士で嗅ぐ際には重要なプロフィール情報として嗅ぎ分けているとされています。頭や顔をスリスリしてつけているのもフェロモンで、マーキングにも使われています。猫の鼻にキスをしてもいい?
今まで特に問題になったことがないという方も今後は少し慎重になれるように、溢れる気持ちをコントロールしたほうがいいかもしれません。
鼻同士でキスするのではなく指でチョンと触るなど、コミュニケーションの取り方も工夫次第できちんと愛情を表現することができるので、愛猫にあった方法を考えてみてください。
特に乳幼児や高齢者などは免疫力が低いため、成人が耐えられる細菌でも感染症を起こしてしまうことがあるほか、成人であっても傷などがある場合は傷口から感染する可能性が高くなります。
また、健康診断や予防接種を受けていない、管理されているご飯を食べていない野良猫の鼻にキスをするのは危険性が高いです。仲良くなってもせめて動物病院で検査をしてもらうまでは、残念ですが鼻キスは厳禁です。
猫が鼻キスを嫌がるとき
また、香水などの強い香りや苦手な匂いがするものには、当然近づきたがりません。猫と一緒にいる時間全般的にいえることですが、特に鼻に触る場合には手の香りを落とすようにしましょう。
鼻キスは猫にとって重要なコミュニケーションツール
人に対する鼻キスに対しても神経質になりすぎることはありませんが、予防は大切です。猫が鼻を近づけてきたら、衛生面に注意しながら上手にコミュニケーションを取りましょう。