【獣医師執筆】犬に魚の骨は与え方に注意!正しい与え方と飲み込んだ場合の対処法を解説

【獣医師執筆】犬に魚の骨は与え方に注意!正しい与え方と飲み込んだ場合の対処法を解説

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魚が好きで骨まで調理して食べてしまうという方も少なくないと思います。人にとっては栄養豊富な魚の骨ですが、犬にとってはどうでしょうか?魚自体は犬にとって健康な食材ですが、人と同じように魚の骨には気をつけなければいけません。食卓に残った魚の骨や、ゴミ箱に捨てた魚の骨を愛犬が食べていたら要注意です。今回は犬が魚の骨を誤って食べてしまった場合の対処法と、魚の骨を安全に与える方法を紹介します。

犬が危険な魚の骨に含まれる栄養成分

お皿にのった魚

魚の骨は必ずしも与えてはいけないものではありません。飼い主の適切な管理のもと与えてあげれば、栄養豊富なおやつとなります。一方で総合栄養食のドッグフードを毎日食べていれば、他に何も食べさせる必要はありません。

魚の骨には皮膚・被毛や関節の健康をサポートする栄養素が多く含まれています。代表的な栄養素は以下の4つです。

カルシウム

カルシウムはミネラルの一種で、骨の発育と維持のために大切な栄養素です。骨格の強化や細胞間の情報伝達、神経刺激の伝達といった役割を担っています。

グルコサミン

グルコサミンは、関節を構成する主な物質の1つです。新しい軟骨の形成を促進し、関節の柔軟性を高める働きがあります。

コンドロイチン

コンドロイチンには関節保護作用があり、関節の動きを滑らかにし、古い軟骨の破壊を抑制します。そのほか、腸の炎症抑制、認知機能改善、皮膚の弾力性アップといった効果があると報告されています。

コラーゲン

コラーゲンは、タンパク質の一種です。コンドロイチンと同じく、関節保護、腸の炎症抑制、認知機能改善、皮膚の弾力性アップといった効果が期待できます。




犬が魚の骨を誤飲してしまった場合の対処法

コーギーの子犬

少し目を離した隙に愛犬が食卓の魚を食べてしまった!という場合、骨も一緒に食べてしまった可能性があります。魚の骨をそのまま食べてしまった場合、消化はされず、そのまま排出されます。しかし、喉や胃、腸に刺さってしまう場合があり、嘔吐の症状が現れ、場所にょっては腹膜炎などの重症化が懸念されるため、早急に動物病院に相談しましょう。

魚の骨を食べた場合の症状

犬にはとがった犬歯しかないので、食べ物を細かく噛み砕くことが苦手です。食べ物は基本的に飲み込める大きさに噛みちぎったら丸呑みしてしていますので、魚の骨が内臓に刺さってしまう可能性があります。万が一、犬の内臓に骨が刺さってしまった場合は開腹手術になったり、傷から感染症を起こしてしまうこともあります。内臓を傷つけている場合は、以下のような症状が見られます。少しでも体調の変化を感じたらすぐに動物病院に行きましょう。

  • 消化不良
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 苦しそうによだれを垂らす
  • 食欲不振
  • 吐血


魚の骨が刺さった可能性がある時

まず、異変に気づいたらすぐ動物病院に行くようにしてください。

元気だから放っておけば自然と取れるだろう、溶けるだろうと簡易に捉えられがちな魚の骨ですが、正しい対処をすぐにしなければ犬に重篤な症状を引き起こす危険性があります。また、絶対に自分で骨を取らないようにしてください。

犬への魚の骨の与え方

魚の骨は食べても問題はありませんが、喉に刺さったりする可能性もあるので、

  • 圧力鍋等で骨がホロホロになるまで煮込む
  • 細かく刻む

といった処理をしてから与えると良いでしょう。

初めて与える際はアレルギー症状を起こす場合もありますので、少量ずつ与えるようにしてください。

ペット用に加工された骨も市販されていますので、それを与えるようにすると安心ですね。自身で加工して魚の骨を与えるのは不安だけど、愛犬に魚の骨を食べさせてあげたいという方は、以下のようなものを試してみると良いでしょう。

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どんな犬も魚の骨を食べて大丈夫?

見つめるチワワ

注意したいのはシニア犬(老犬)トイプードル、チワワといった小型犬幼犬です。老犬は消化機能が弱くなっているので、本来なら消化できるはずのものが消化不良を起こしてしまう場合があります。

小型犬・幼犬の場合は大型犬に比べて食道が狭いので、魚の骨が刺さるリスクが高くなります。与える量も年齢や体の大きさによって適切な量が異なりますので、その子に合った量を与えてあげましょう。

まとめ

眠るシーズー

犬が骨を誤飲すると内臓が傷つく可能性がある
魚の骨が刺さってしまったことが明らかな場合は、すぐに動物病院へ
特に老犬や小型犬は要注意

栄養が豊富で健康維持にもつながる魚の骨ですが、犬に与える際は注意が必要です。明らかに誤飲してしまった場合は早急に動物病院に行ってください。まずは少量から与えてみてはいかがでしょうか。

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