
シニア犬(老犬)に散歩は必要?立ち止まる・歩かない理由をドッグトレーナーが解説
犬も年を取ると、活発さがなくなり、動きがのんびりしていきます。シニア犬(老犬)と散歩をすると立ち止まったり、歩かなくなったり、座り込んだりすることもあるでしょう。それでも散歩はシニア犬に多くのメリットがあるため、無理をさせない程度に毎日行いましょう。今回は、シニア犬にとっての散歩の必要性や、散歩に行きたがらない理由などをドッグトレーナーが紹介します。
シニア犬(老犬)の散歩の必要性

筋肉の減退予防
シニア犬(老犬)になると、運動不足で筋肉も衰えていきがちです。ゆっくりでも歩けるのなら、愛犬のペースで歩くことで「立つ」「歩く」という基本的な動きに必要な筋肉を使うことができます。「立つ」「歩く」が難しくなると、自分でトイレに行ったり、ご飯を食べたりすることが難しくなります。
自分でできることが多いということは、犬にとっても嬉しいことですし、飼い主の介護の負担を減らすことにもつながります。
五感を刺激して気分転換
年を取ると、体のさまざまな機能が低下していくのは犬も人も同じです。その中でも犬の嗅覚というのは1番長く使える機能だといわれています。大好きな飼い主や自分の匂いで満たされた家にいることは安心感でいっぱいですが、外に出て違った刺激を受けることも心身ともに必要なことです。
匂いはもちろん、風を感じたり、光や音、気配などを五感を使って感じさせたりすることが、良い刺激となり、気分転換になります。
気持ちの良い排泄
これまでお散歩時に排泄をしていた犬にとっては、変わらず外で排泄をすることが1番気持ちの良い方法です。長い距離を歩けなくても「外に出て排泄する」というだけで、その子にとってストレスのない排泄をさせてあげることができます。
室内で排泄ができない場合、将来を見据え、足腰が悪くなる前に室内での排泄ができるように練習してあげることが大切です。
シニア犬(老犬)が散歩に行きたがらない理由

- 体調が悪い
- 体に痛みがある
- 気分が乗らない・動きたくない
今まで散歩が大好きだった犬が急に行きたがらなくなった場合には、病気の可能性もあるため、獣医師に相談してみるといいでしょう。
犬が疲れたサインとは

- 座り込む
- 自宅に戻ろうとする
- 呼吸が早くなる
- リードを引っ張る
愛犬が散歩中に上記のような仕草をした場合は、疲れている可能性があります。
その場合は一緒に止まってあげるか、抱っこしてあげるなど、愛犬のペースに合わせた散歩を心がけましょう。
シニア犬(老犬)と散歩するときの注意点

家族でルールを決める
万が一散歩中に体調が悪くなったら連れて帰るのか、すぐ近くに動物病院はあるのかなど、事前に家族でルールを決めておくと、いざというときに冷静な対応が取れます。天気や気候をチェック
気温や気圧の変化に弱くなったり、体調を崩しやすくなったりします。「寒い日のお散歩は洋服を着せる」「夏場は日が落ちた時間帯に外出する」など、体に負担をかけない散歩を心がけましょう。
散歩時間は体調に合わせて
シニア犬(老犬)の散歩の時間は犬種によっても、その子の体調やどんな病気をしているかによっても異なるため「◯分」や「◯km」断言することはできません。愛犬の様子を見ながら「今日はここまでにしようか」と早めに引き返す判断も必要です。
そのほか、散歩コースを家の周りの短いコースにすることも一つの方法です。調子がいいときは何周もすればいいですし、疲れたらすぐに家に帰ることができます。
シニア犬(老犬)も散歩は必要だけど、負担をかけないで

シニア犬(老犬)も散歩は必要です
急に散歩嫌いになったら獣医師に相談しましょう
負担の少ない散歩を心がけましょう
散歩はシニア犬(老犬)にとっても大切なものです。愛犬が元気であれば愛犬のペースで散歩してあげてください。元気はあるけど足腰が悪い場合はカート(バギー)や、補助ハーネスでサポートしてあげるという方法もあります。
飼い主にとっても愛犬にとっても無理のない楽しい散歩を心がけましょう。