【トレーナー解説】愛犬とボール遊びをしよう!遊び方や持ってこいの教え方などをトレーナーが解説
犬との遊びにボール遊びがあります。犬といえば「ボールが好き」というイメージがあると思いますが、中には全く興味を示さない犬もいます。ボールを投げて追いかけても「持ってこない」「離さない」場合はどうしたらいいのか。犬とのボール遊びについて、ドッグトレーナーの西岡が紹介します。
犬はボール遊びが好き?
ボールの動きが本能を刺激するため、犬はボール遊びが大好きです。
動くものを追うというのは、犬が持っている狩猟本能といえるでしょう。
犬がボール遊びをしない理由
ボール遊びが好きな犬がいる一方、まったくボール遊びをしない犬もいます。
興味がない
そもそも動くものに興味がないという犬もいます。犬は犬種によって、それぞれ違う役割を持って人と共に生活してきました。もともと猟犬や牧羊犬として「追う」ことを仕事としていた犬と比べると、愛玩犬は興味を示しにくいかもしれません。
楽しさを知らない
ボールが部屋に置いてあるだけでは、楽しいものだとわかりません。ボールを転がしたり弾ませたりして、ボールの楽しさを教えてあげましょう。中には、音が鳴ったり、不規則に弾んだりするものもあります。まずはボールに興味を持ってもらうことが大切です。
嫌な経験がある
過去にボールで怖い思いや痛い思いをした場合、ボールを楽しいものだとは思えなくなります。犬が楽しめていないのに、飼い主さんが無理にボール遊びをさせようとしたり、愛犬ができないからと機嫌を悪くしたりしていませんか?
まずはボールに慣れてもらうことから始めたり、ボール以外に興味を持ってもらえるおもちゃを探すようにしましょう。
犬がボールを使った遊び
ボール遊びというと、基本的には飼い主さんがボールを投げて、犬がボールを拾って持ってくるというもの。しかし、ボールを使った遊び方は他にもあります。
宝探し
愛犬は飼い主さんのそばで待たせた状態で、ボールを遠くに投げます。その後「探せ」のコマンドでボールを探しに行かせるという遊びです。引っ張りっこ
ボールのおもちゃはたくさん種類があり、中にはロープが付いたものもあります。ロープが付いたボールであれば、引っ張りっこ遊びもすることができます。犬のボール遊びの注意点
ボール遊びは飼い主さんと愛犬がコミュニケーションを取るという点でもとてもいいものですが、注意点もあります。
ボールの素材と大きさ
ボールで一番注意したいのが誤飲です。小さいおもちゃだけでなく、やわらかくて形が変わりやすいものや、噛みちぎりやすい素材のものは誤飲の危険性が高まります。
愛犬の癖などを理解して、適切なボールを選んであげましょう。
犬がボール遊びをする場所
ボール遊びをする場所をちゃんと選ばないと、トラブルになります。ドッグランではおもちゃの使用が禁止、制限されていることがほとんどです。ドッグランで使用できるかどうかは、利用施設によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
また、広い公園などでボール遊びをする際も、ボールが道路に飛び出さない場所を選ぶことと、犬にはロングリードなどを付けて安全管理を怠らないようにしましょう。
始めと終わりのルール
意外と適当になりがちなのが、遊びの始め方と終わり方です。犬がボールをくわえて持ってきて催促してきたら遊んでいませんか?もしくは、犬がボールに飽きて持って来なくなったら終わりにしていませんか?
これは、犬の気分に飼い主さんが振り回されている状態です。始めも終わりも飼い主さんが決めましょう。
何かボール遊びをする前に合図を決めてもいいですね。特に終わり方で大切なのは、「犬が飽きる前に終わらせてあげること」です。
飽きるまで遊ばせると、ボール遊びの価値が下がってしまう恐れがあります。
「好きなもの」というのはご褒美としてしつけでも利用することができるので、終わり際は大切です。
犬のボール遊びで大切なこと
ボール遊びで大切なことは三つあります。
- 犬がボールに興味があること
- 飼い主さんの元にボールを持ってくること
- 飼い主さんにボールを渡すこと
初めて教える場合は一連の流れで教えるよりも、それぞれで教えてあげるほうがいいでしょう。
ただし遊びは、楽しんで行うコミュニケーションです。それだけは忘れないでください。
犬に持ってこいを教える方法
- まずは、犬が好きそうなおもちゃでくわえやすい大きさのものを選ぶ
- 犬の目の前でおもちゃを動かす
- 犬がおもちゃを追いかけ始めたら、少しだけポンと投げる
- 投げられたおもちゃを追いかけていったら、褒める
2〜4を繰り返します。最初はコマンドを意識するよりも、楽しむことを意識しましょう。
持ってきても離してくれない場合
意外と多いのが、もってくるけどおもちゃを離してくれないという場合です。この場合犬は、「もってこい遊び」をしているつもりではないかもしれません。「自分のおもちゃを見せびらかしたいだけ」や「引っ張りっこ遊びがしたい」だけということもあります。
くわえた物を離す行動を教えるには「待つこと」「すぐに取り上げないこと」がポイントになってきます。
- 遊び始める前におやつをポケットなどすぐに取り出せる場所で、犬に取られない所に隠し持っておく
- 犬がおもちゃをくわえたら手を出して「ちょうだい」と言って隠し持っていたおやつを反対の手で見せる
- 犬がおもちゃを離したら、おもちゃを取り、おやつをあげて褒める
- 犬がおやつを食べ終えたらまた、すぐにおもちゃを投げて遊ぶ
まずは1~4を繰り返し行います。そして、少しずつおやつを出すタイミングをずらしていきます。
最初は「『ちょうだい』と手を出したすぐ後におやつを見せる」でしたが「『ちょうだい』と手を出して犬がおもちゃを離したらおやつを出す」というように少しずつ遅くしていきます。
そうすることで、犬はおもちゃを離せばおやつがもらえるということを理解していきます。
ボール好きな犬におすすめな競技
ボールを使った遊びは工夫次第ですが、実はボールが好きな犬におすすめなのが、「フライボール」という競技です。
リレー形式で行われる競技で、ハードルを飛び越えてボックスをタッチし飛び出したボールをくわえ再びハードルを飛び越えて戻ってくるという競技です。
挑戦する目的があると、飼い主さんも楽しむことができるでしょう。熱が入りすぎは要注意ですが、ぜひ愛犬と一緒にチャレンジしてみてください。
まとめ
犬がボール好きなのは、ボールの動きが本能を刺激するから
ボール遊びが好きではない犬もいる
ルールを守り、しつけの一環としてボール遊びを楽しもう
ボール遊びは、愛犬も飼い主さんも一緒に楽しむことができます。
ボールを「嫌なもの」と覚えさせないようにして、ぜひボールを使ってコミュニケーションを取ってあげてください。
専門家相談のインスタライブ開催中!
ペトコトのInstagramアカウント(@petokotofoods)では、獣医師やペット栄養管理士が出演する「食のお悩み相談会」やトリマーやトレーナーへの相談会を定期開催しています。愛犬について気になることがある方は、ぜひご参加ください。
アカウントをフォローする