【獣医師執筆】猫は鯛を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫は鯛を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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鯛といえば、日本のお祝いごとで登場シーンが多い高級魚です。美味しい鯛が手に入った時、「せっかくなら愛猫にも食べさせてあげたい」と思う人もいるのではないでしょうか。鯛は猫が食べても大丈夫な食材ですが、与えるときには注意したいこともあります。今回は鯛に含まれる成分とともに、猫に鯛を与えるときの注意点を紹介します。

猫が食べて大丈夫な鯛の栄養成分

鯛の塩焼き

白身で淡白な味の鯛は、刺し身や塩焼き、煮つけなどさまざまな食べ方ができる魚です。そんな鯛にはどんな成分や栄養素が含まれているのか、詳しくみていきましょう。

鯛の成分(真鯛、天然・生100gあたり)
エネルギー(kcal) 142
水分(g) 72.2
たんぱく質(g) 20.6
脂質(g) 5.8
炭水化物(g) 0.1
カリウム(mg) 440
ナイアシン(mg) 6.0

たんぱく質

たんぱく質は人間だけでなく猫にとっても丈夫な体づくりのために必要な栄養です。しかしたんぱく質は体内では生成されません。そのため食品などから摂取する必要があります。たんぱく質は消化されることでアミノ酸に分解され、小腸から体内に吸収されます。そのため肉食動物の猫や、肉食動物に近い雑食性動物の犬にとって、たんぱく質はエネルギー源とされています。

ナイアシン

ナイアシンはビタミンB3に分類される栄養素です。ナイアシンは、皮膚を乾燥から守るほか、脂肪をエネルギーに変換する役割があります。

DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(ヘイコサペンタエン酸)

「DHA(ドコサヘキサエン酸)」「EPA(エイコサペンタエン酸)」は、α-リノレン酸と同じくオメガ3系脂肪酸で、私たち人間の健康成分としても有名ですが、猫にとっても非常に大切な栄養成分です。青魚のイワシやサンマなどに多いイメージですが、鯛にも含まれている成分です。網膜や神経組織の発達に良いといわれています。また、EPAは血液の流れを良くするため、腎不全などの腎臓病の軽減が期待できます。

タウリン

猫の体は犬とは異なり体内で必要な量のタウリンを作ることができません。そのためフードやサプリによって摂取させることが一般的です。動脈硬化や貧血、視力の低下などを予防する効果が期待されます。

猫に鯛を与える際の注意点

鯛

猫は鯛を食べても大丈夫ですが、猫に与える時は骨や味付けに注意する必要があります。

01【猫に鯛を与える際の注意点】骨に注意

人間であれば多少の魚の骨は手で取り除いたり、噛み砕いて食べたりしてしまうと思います。しかし猫は「骨があったら取ろう」「よく噛んで食べよう」と心掛けてはくれません。特に鯛の骨は硬く鋭いため、勢いよく食べている時に口や喉を傷つけたり、胃腸に負担をかけてしまったりする恐れがあります。

最悪の場合、食道や胃腸を傷つけ動物病院で治療が必要になってしまうこともありますので、骨は取り除いてから与えるようにしましょう。

02【猫に鯛を与える際の注意点】人用の味付けに注意

さまざまな調理で食べられる鯛ですが、猫に与えるときは、人用に味付けしたものを与えないようにしてください。新鮮な鯛であれば刺し身を与えても大丈夫ですが、人とは異なり醤油やわさびは不要です。

塩焼きであれば塩分、煮つけであれば塩分に加えて糖分などの過剰摂取につながってしまいます。長期的にみると健康へのリスクもあるので与えないようにしてください。

03【猫に鯛を与える際の注意点】アレルギー

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。

04【猫に鯛を与える際の注意点】与え過ぎ

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。

猫は鯛をおやつ程度に食べて大丈夫!

ねこ

栄養たっぷりの鯛は、猫が食べても大丈夫です。美味しい鯛が手に入ったり、お祝いごとなど特別な日だったりするときは、いつものご飯に細かく刻んで添えてあげましょう。とはいえ、初めて与えるときは少量からにしておき、食べないときは無理強いしないようにしてくださいね。

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