【獣医師執筆】犬は山芋(とろろ)を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説
数ある芋類のなかでも生で食べられる「山芋」は、手軽に食卓に並べることができる食材の一つです。滋養強壮に良いとされ、「山薬」の名で漢方薬としても親しまれています。中には、愛犬にも山芋を食べさせたいと考える人もいるかもしれません。山芋は犬が食べても大丈夫な食材ですが、与える前に注意しておきたいこともあります。
犬が食べて大丈夫な山芋の栄養成分
アミラーゼ
アミラーゼとは、でんぷんやグリコーゲンの消化を助ける酵素の一つです。私たち人の場合は唾液に含まれているのですが、犬にはありません。摂取することで、胃腸の調子を整えてくれるため、胃腸薬にも使われています。アルギニン
アルギニンはアミノ酸の一種です。摂取することで疲労回復や免疫力の向上につながります。ビタミン類
山芋にはビタミンB群やビタミンCなどが多く含まれています。ビタミンB群は、糖質や脂質、たんぱく質などの分解を助けエネルギーに変換する働きがあるため、摂取することで疲労回復効果などが期待できます。またビタミンCは、抗酸化成分として加齢や運動による酸化ストレスや、関節炎などに関連する病気の予防および治療に役立ちます。犬に山芋を与える際の注意点
01【犬に山芋を与える際の注意点】シュウ酸カルシウム
山芋を触ると手がかゆくなった経験がある人もいるのではないでしょうか。山芋で手が痒くなる原因はシュウ酸カルシウム結晶で、先がとがった針のような形をしているためです。山芋が肌に付いて痒みを感じるのは、人だけでなく犬も同様です。そのため犬に山芋を与えるときは、皮膚に山芋が付着しないように注意する必要があります。アトピーなどで皮膚が弱い犬には念のため与えないようにしましょう。
また、シュウ酸カルシウムの過剰摂取は尿路結石の原因になります。犬は腎臓・泌尿器の疾患が多く、注意が必要です。
02【犬に山芋を与える際の注意点】アレルギー
山芋アレルギーを持っている子もいるので最初は少量を食べさせることからスタートしてあげましょう。山芋を与えたあとに皮膚をかゆがったり、目の充血がみられたりした場合は、獣医師に相談してください。食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。
初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚の痒み
- 元気がない
- 目の充血
上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。
03【犬に山芋を与える際の注意点】消化不良
犬に山芋を与えるときは、すりおろしたものや小さくカットしたものを生のまま与えて問題ありません。もちろん加熱したものを与えるのもOKです。04【犬に山芋を与える際の注意点】与え過ぎ
前提として、犬は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。与え過ぎは肥満の原因になりますし、タンパク質のため、過剰摂取は腎臓病のリスクもあります。おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。
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まとめ
整腸、疲労回復、免疫力アップなどの効果が期待できる
皮膚の弱い犬には念のため与えない
与える際は皮膚に山芋が付着しないように注意する
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