
猫が台風を怖がる3つの理由!飼い主が愛猫のためにできる対策を紹介
台風や豪雨によって落ち着かなくなったり怖がったり、体調不良を起こす猫は少なくありません。愛猫が台風や豪雨を怖がっている場合、対策をとってあげましょう。今回は猫が台風を怖がる理由や対策などを紹介します。
猫が台風を怖がる理由

猫が台風を怖がるのには、以下の3つの理由が考えられます。
- 聞き慣れない音によるもの
- 気圧の変化によるもの
- 本能的なもの
聞き慣れない音によるもの
豪雨による轟音や風が強く窓を叩く音など、普段と異なる音に安心できず、恐怖を感じることがあります。
人間が音を聞き取れる周波数(可聴域)は20〜2万ヘルツですが、猫は30〜8万ヘルツほど。猫の可聴域は非常に広く、音を聞き取る力や高音と低音を聞き分ける力にも長けています。
そのため、人間にとってはなんともなく感じる音にも過敏に反応してしまうのです。
気圧の変化によるもの
台風が接近すると気圧に変化が起こり、交感神経を刺激します。それによって体調不良を引き起こしたり、不安を感じている可能性があります。
本能的なもの
猫を含む動物は、命の危険を感じるすべての対象を本能的に「怖い」と感じます。いつもと異なる音や環境も相まって恐怖に感じてしまうのかもしれません。
猫が台風に恐怖を感じているときの行動

猫が恐怖を感じている場合、以下のような行動が見られます。
- 落ち着かない
- 隠れる
- 鳴く、唸る
- 爪とぎをする
- 小刻みに震える
- パニックになる
- 怯えて耳が垂れる
- ご飯や水に口をつけない
- 嘔吐や下痢
- 攻撃的になる
猫は隠れることが多く、飼い主さんが怖がっていることに気づきにくいかもしれません。注意して観察しましょう。
もし愛猫がいつもより攻撃的になったり、パニック状態がなかなか落ち着かない場合は、ストレス負荷の高い状況となるため、行動診療科の獣医師に相談しながら改善に努めることをおすすめします。
猫が台風で落ち着かないときの対策・対応
まずは猫の恐怖心が、個人で対処できるものなのかを判断する必要があります。
台風が襲来している間は、いくら呼びかけても耳に入っていない様子の猫もいます。
恐怖心によって嘔吐や攻撃的になるようであれば、獣医師に相談することをおすすめします。
1. 安心できる場所を作る
猫が恐怖を感じている時は、猫自身が安心できるよう自由に逃げ込める環境を作ってあげるとよいでしょう。
飼い主さんのベッドの隙間や、普段から使っているケージにブランケットをかけておくなど工夫してあげると、猫も安心して身を隠すことができます。
雷が鳴って、猫がケージに逃げ込んだ時は扉を閉めず、いつでも移動できるようにしておきましょう。
扉を閉められ行動が制限されてしまうと、さらにパニックになってしまう恐れがあります。
2. 飼い主さんは平然とする
猫は飼い主さんの様子に非常に敏感です。飼い主さんが台風を怖がっていると、「やっぱり怖いものなんだ!」と余計に恐怖心をあおる恐れがあります。
反対に、安心させようと必死に抱っこしたり、かまったりするのも「いつもと違う!」と思わせてしまうため、飼い主さんはなるべく平然とし、優しく声をかけるようにしてください。
3. フェリウェイ スプレーを使用する
フェリウェイとは、ビルバック社から販売されている猫専用のフェロモン製剤です。個体差はありますが、これによって落ち着く猫もいるかもしれません。

猫の台風恐怖心の克服・緩和方法

系統的脱感作と逆条件付け
一般的に犬のトレーニングに利用されていますが、猫にも使うことができる 「系統的脱感作(けいとうてきだつかんさ)」と 「逆条件付け」 という行動療法があります。
この二つの方法を組み合わせることで、少しずつ苦手克服を目指します。
<系統的脱感作>
系統的脱感作とは、猫が苦手なものを 最小限の刺激から与えて徐々に慣らしていく方法 です。
台風が苦手な猫に対して行う場合は、台風の強い風の音を小さく流し、少しずつ音量を上げるなどの方法があります。
<逆条件付け>
逆条件付けとは、苦手なことが起こっている時に猫にとって嬉しいことをすることで、苦手意識を払拭する方法です。
例えば、台風が来ている間におやつをもらえたり、おもちゃで遊んでもらえたりすると、台風へのイメージが変わります。
<系統的脱感作と逆条件付けの併用>
系統的脱感作と逆条件付けは同時に行うことでより効果が期待できます。
例えば、台風の音が苦手な猫の場合、動画などで台風や豪雨の音を小さな音量で流しながら、おやつを与えたり、優しくなでてあげることで、少しずつ音に慣れさせることができます。
ただし、これはあくまで 台風の音に対してのイメージを変える方法 なので、気圧の変化や本能的な恐怖にはあまり効果がない場合もあります。
薬事療法
飼い主さんができる範囲の対策では、恐怖心を改善できないほどの症状を抱える場合もあります。そのような時は 獣医師に相談してアドバイスをもらいましょう。
トレーニングで改善できる範囲なのか、それとも薬によって不安症状を軽くするのがよいのかを判断することが大切です。
実際に重度の台風恐怖症を抱えている場合は、飼い主さんが声をかけても効果がないことが多く、台風のたびに嘔吐や下痢、パニックになることを考えると、薬事療法が有効な対策 になります。
台風時、愛猫を外に出すのはNG

もし猫を外に散歩させている、外に出すという方は屋外に出さないようにしましょう。
台風のときは飛来物によって怪我をしたり、いつもと違う環境にパニックになり脱走したり、台風によって飛ばされてしまう恐れがあります。
そもそも、猫には散歩の必要がないため、普段から完全室内飼育をおすすめします。
まとめ

台風を怖がる猫は少なくありません。恐怖や不安がどのような行動に現れるかも猫によって異なり、適した対策も試行錯誤してあげることが必要です。
しっかりとした対策をとって、愛猫と快適な暮らしを送りましょう。