保護犬・保護猫のトライアルって何?見極め方や失敗理由、準備に必要なものを紹介
保護犬・保護猫のトライアルは譲渡審査の一環であり、相性を確認するための期間です。この期間に何か不安なことがあれば保護団体さんに相談するようにしましょう。今回は保護犬・保護猫のトライアルについて審査制の保護犬・保護猫マッチングサイト「OMUSUBI」事務局がよくある質問とあわせて解説します。
目次
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保護犬・保護猫のトライアルとは
保護犬・保護猫のトライアルとは、保護団体さんから保護犬・保護猫を迎え入れる際に行われる譲渡審査の一環です。トライアルがなしの場合もあります。トライアルの期間はそれぞれですが、2週間ほどが多いです。
実施の有無や期間は保護団体さんによって異なりますが、先住犬・先住猫がいたり、初めてペットを迎える家庭だったりする場合、保護犬・保護猫と家族・生活環境の相性を確かめる目的で行われることが多いです。
実際の譲渡後の生活をイメージして過ごすことで、保護犬・保護猫やご家族にとっても「一生を共にする家族」として大切な場所になります。
この段階では正式譲渡にならない保護団体さんが多いため、基本的には最終的に双方の合意が必要です。迎え始めは悩みや心配事も生まれます。不安なことは相談しながら、歩み寄り方を学んでいきましょう。
保護犬・保護猫のトライアルが必要な理由
トライアルが必要な理由はさまざまで、いくつか背景が考えられます。
譲渡条件の一つ
そもそも保護団体さんの譲渡条件の一つであるケースです。多くの保護団体さんは保護犬猫たちにとって最適な家庭を見つけるために、正式譲渡前に相性の良さ確認や問題を解決しておくことで、譲渡後の返還がなるべく起こりにくくすることを目的として、全頭対象でトライアル期間を設けています。
これは保護団体さんとして「なるべく一生の家族として迎えてくれるところに譲渡したい」という気持ちがあります。
特定の保護犬・保護猫のみのケース
特定の保護犬・保護猫のみトライアル期間を設けているケースもあります。保護団体シェルター内でも保護される子の性質はさまざまです。人馴れしていない子や、持病への理解や対応能力が問われる場合などは、保護団体さんもサポートしつつ新生活に入ることができるか確認をする機会として活用されます。
家庭環境の見極めのため
最後に、里親候補の家庭環境です。例えば元々先住犬・先住猫がいる場合は、その子たちとの相性も大切です。なかにはどうしても新しい子を受け入れられず大きな怪我・ストレスにつながってしまうケースもあるため、先住の子を優先し慎重に考える必要があります。失敗理由の多くも先住犬・先住猫と合わないことが多く、ミスマッチになる場合は、トライアル後に返すことも大切です。
保護犬・保護猫のトライアルのステップ
保護団体さんによって異なりますが、以下が大まかな流れです。
- 掲載情報への応募・譲渡会参加
- 面会
- トライアル開始(※実施の有無や期間は団体によって異なる)
- トライアル期間中は保護団体に状況報告
- 【里親決定の場合】正式譲渡
- 【里親不成立の場合】団体が保護犬猫を引き取り
なんらかのトラブルや意思決定があれば、トライアル期間の途中でも終了となる場合があります。
保護犬・保護猫のトライアルの注意点
新しい環境でのストレスを理解してあげましょう
最初は新しい環境にストレスを感じて、ごはんを食べなかったり、体調を崩す場合があります。そんなときに無理に撫でようとしたり、ずっと見てしまうと余計にストレスがかかってしまいます。新しい家族を迎えて嬉しい、見守りたい気持ちがありますが、まずは保護団体さんのアドバイスの元で新しい環境に慣れることを優先してあげましょう。
脱走には要注意
新しい環境に慣れないうちは、実はストレスやパニックから脱走してしまうリスクも高いです。犬の場合はお散歩中、猫の場合は扉を開けた瞬間など、思わぬ油断で逃げ出してしまいます。お散歩中はぴったりサイズのハーネスにダブルリードを装着し、お散歩慣れが必要な子は無理に遠出せず近場で慣れることから優先しましょう。また、家庭内で扉の開閉はルール化し、必要であれば二重扉を準備するなど脱走防止は徹底しましょう。
万が一脱走してしまった場合、罪悪感から保護団体さんへの報告が遅れるケースがあります。
しかし脱走後の経過時間で発見率は大きく変わってきます。保護団体さんには脱走後の捜索ノウハウもあるため、必ず連絡し協力を仰ぐようにしましょう。
脱走時に大切なことは、一刻でも早く見つけてあげることです。
先住犬・先住猫との対面方法
一般的な先住犬・猫との対面方法を紹介しますが、その子の性格をよく知る保護団体さんのアドバイスも聞くことが大切です。
アドバイスをもらいながら焦らず試しましょう。
- 初日はケージ越しに先住ペットに挨拶
- 挨拶ができたらケージから出す
- 短時間フリーにしてみる
まずは2匹目の子をケージにいれた状態で先住ペットに紹介してみてください。無理に一緒にさせようとはせず、自然に2匹の距離が近付くようにします。先住ペットが自分から新入りの子のケージに近寄っていくのに任せましょう。
ケージ越しに前足で触ってみたり、鼻チョンしたりなどのあいさつができるようであれば、新入りの子をケージから出して様子を見ましょう。
その後飼い主さんの監視のもと、短時間フリーにさせてみます。お互いストレスなく過ごせるようなら問題ありません。
ただし慣れるのには個体差があります。新しい家に着いたその日から、先住ペットと仲良くできる子もいれば、長時間かかる子もいるため、見極めが重要です。
保護犬・保護猫のトライアルに必要なもの
トライアルを始める前に、保護団体さんによって異なりますが、里親候補に以下のものを用意してもらうことが多くあります。
- ケージ
- ベッド
- 食器
- ごはん
- トイレ用品
- 脱走防止フェンス
- 【犬の場合】リードと首輪/ハーネス
- 【犬の場合】おもちゃ
- 【猫の場合】爪とぎ
※用意すべきものはお迎えする犬猫によって異なります。保護団体さんにアドバイスをもらいながら、準備を進めていきましょう。
保護犬・保護猫のトライアルでよくある質問
01.トライアルの結果、譲渡不成立になる場合もありますか?
あります。正式譲渡となるためには保護団体や応募者側、双方の同意が必要です。そのため、万が一ルールが守られなかった場合や、トライアルの結果「継続飼養が難しい」とどちらかが判断した場合は不成立となる可能性があります。
一見ネガティブに見えてしまいますが、例えば無理に迎えた後に困ってしまうのは犬猫やご家族です。
トライアルまで進んで不成立になるケースは稀ですが、一生の家族として迎えられるかしっかり考えて取り組みましょう。
02. トライアルがないと言われました
トライアルはすべての保護団体が設けているわけではありません。なかには面会・自宅訪問等のなかで必要な審査をすべて行い正式譲渡まで進めるところもあります。また、環境への適用力が高いとされる子犬子猫の場合もトライアルが省略されることもあります。
トライアルがある・ないで、どちらが正しいというものではありません。お迎えを検討する際に譲渡までのフローを把握し、納得感を持って進めるようにしましょう。
03. トライアルにも費用がかかりますか?
トライアル実施中は、基本的に正式譲渡前のため譲渡金は発生しません。しかし、例えばご自宅まで犬猫を連れて行くための交通費負担などはお願いされるケースもあるので、事前にしっかりと確認をしておきましょう。
04. トライアルの延長はできますか?
トライアル期間については事前に団体ごとに定めているケースが多いですが、相性確認やトライアル中の犬猫の慣れ具合によっては、双方の相談で延長されることも珍しくはありません。トライアルは犬猫とご家族・生活環境の相性を確かめる目的で行われることが多いものです。一匹一匹に個性と感情があるので、新しい家族を迎えるときは一筋縄ではいきません。
保護団体さんにも遠慮なく相談し、お互いにとって幸せな道を選んでいきましょう。
保護犬・保護猫マッチングサイトOMUSUBI(お結び)
保護され、里親を探している犬は雑種だけでなく、血統書のある犬も多くいます。PETOKOTO代表・大久保の愛犬コルクも、もともと足が内股という理由でペットショップの競り市で捨てられていた元保護犬でした。
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まとめ
トライアルには保護団体さんの「一生の家族として迎えてくれるところに譲渡したい」という背景のために設けられているところがほとんどです。
不安の種を残し「やっぱり返還したい」は誰も幸せになりませんし、トライアルの意味を成しません。
トライアル中に感じた不安は保護団体さんに相談し、解消した上でお迎えの意思決定をしましょう。
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