猫がチョコレートを食べると死に至る場合も。理由や応急処置を解説

猫がチョコレートを食べると死に至る場合も。理由や応急処置を解説

バレンタインやハロウィン、クリスマスの時期になると猫がチョコレートを誤食する事故が増えます。「愛猫がチョコを食べたとき、元気だったけど?」と思う人もいるかもしれません。それは中毒症状が出る量や致死量が猫によって異なるためです。今回は猫がチョコを食べてはいけない理由から、食べてしまったときの応急処置まで解説します。

猫がチョコレートを食べてはいけない理由

チョコレートのお菓子

猫がチョコレートを食べてはいけない理由は、カカオに含まれる「テオブロミン」による中毒症状です。テオブロミンはアルカロイドの一種で、カフェインと同類です。人間は大丈夫なのに、なぜ猫だと問題になるのでしょうか? その理由は、テオブロミン分解速度の遅さにあります。

実験によれば、人間が6時間でテオブロミンを分解するのに対し、犬は3倍近い17.5時間もかかるといわれます。猫の場合も同様とされ、中毒成分を分解するのが苦手なのです()。

※参照:「禁忌食(その2)—チョコレートとイヌ・ネコの健康」(ペット栄養学会誌)

チョコレート味のお菓子も猫にはNG

チョコレートケーキ

テオブロミンが入っている以上、チョコレートケーキなどのお菓子も猫に食べさせてはいけません。ケーキは人間の食べ物であり、猫にとって過剰な糖分や塩分、脂肪分なども含まれ、チョコレート以外にも有害な成分が含まれている可能性があります。誤食に気をつけるとともに、愛猫が欲しがっているからといって飼い主が与えるのはやめましょう。

猫がチョコレートを食べると出る症状と致死量

ブルーの猫

主な症状

テオブロミンやカフェインは猫の中枢神経、循環器系、腎臓などに影響を及ぼします。中毒症状は数時間から半日ほどで現れ、主に以下のような症状がみられます。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • あえぎ(パンティング)
  • 落ち着きのなさ
  • 頻尿
  • 失禁
  • 不整脈

症状が深刻になると痙攣、昏睡などが見られるようになり、最悪の場合は死に至ります。

数日間以上の慢性的な摂食があった場合、心不全になって死に至ることが多いです。「舐める程度であれば大丈夫」と思うかもしれませんが、危険な量は猫の個体によって異なります。

致死量

猫は体重1kgあたり90〜100mgのテオブロミンを摂取すると中毒症状が出るとされています。一般的なチョコレート100gに含まれるテオブロミンが250mgほどですので、体重1kgあたり25gほどのチョコレートを食べると危険ということになります。

体重5kgの猫ならおよそ板チョコ2枚が危険となります。ただし高カカオを謳う商品ではさらに少ない量で中毒症状が出る可能性があります()。

人間でもコーヒー1杯で眠れなくなったり、動悸がしたりする方がいるように、猫も体質によって中毒症状を起こす量は異なります。安易に「食べた量が少ないから大丈夫」とは考えないようにしてください。


猫がチョコレートを誤食したらすぐに病院へ

寝る猫

猫がチョコレートを食べた際に飼い主が勝手に判断をして様子見をしたり、催吐などの処置をしたりすると重病化する恐れがあります。量や体質によっては6〜24時間以内に死に至ることがありますので、誤食がわかった場合はすぐ動物病院に行くようにしましょう。

獣医師が的確な判断を行えるよう、チョコレートの種類や食べた量を伝えてください。パッケージなど残っている物があれば一緒に持って行くようにしましょう。

猫がチョコレートを誤飲した際の治療法

チョコレートのお菓子

催吐

テオブロミンに対する解毒剤は存在しないため、治療は催吐(さいと)による対症療法が基本となります。催吐は摂食後数時間(4〜6時間)経過していても効果的とされていますが、チョコレートは溶けると粘着性が増して除去が難しくなります。

胃洗浄

催吐で効果が出ない場合や状態によって催吐が難しい場合は、温水を使って胃洗浄を行います。

活性炭の投与

活性炭には吸着効果があり、テオブロミンの吸収を阻害します。排泄を速めるため塩類下剤や糖類下剤(ソルビトール)を投与する場合は、4〜6時間ごとに必要に応じて繰り返します。

まとめ

猫

猫のチョコレート中毒は死に至る場合がある
致死量は猫個体において異なる
誤食した場合、勝手な判断・処置はせず動物病院へ
大切なのは猫が誤食してしまう環境を作らないこと

猫は好奇心から人間の食べ物を欲しがったり、テーブルの上にある食べ物を誤食したりすることがあります。普段から家族で誤食の危険性を共有し、猫がチョコレートを誤食しない環境を作るようにしましょう。

第3稿:2019年2月3日 公開
第2稿:2017年6月26日 公開
初稿:2016年7月7日 公開
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