犬のお腹などの皮膚にシミ? 病的なシミの見分け方などを獣医師が解説

犬のお腹などの皮膚にシミ? 病的なシミの見分け方などを獣医師が解説

愛犬の体に牛柄のような、少し黒ずんだ大きめのシミを見つけたことはありませんか? 動物病院でも犬の皮膚にできたシの相談をいただくことがあります。犬のシミの危険性の有無や異常の見分け方などを、かどのペットクリニック院長の葛野が解説します。

症状 皮膚に黒ずんだシミ
原因 紫外線や皮膚のコンディション、病的なものまでさまざま
危険度 低め。基本的には無害ですが、犬がシミを気にしているようであれば病的なものの可能性が高いです

犬のシミとは

犬のお腹のシミ
犬のお腹のシミ
病的ではないお腹のシミ(コーギー、3歳、オス)

犬の皮膚に現れているシミは基本的には無害の可能性が高いです。愛犬がそのシミを気にしていなければ、飼い主さんも特に気にする必要はないでしょう。

シミは刺激でメラニン色素が過剰に産生され、沈着したものをいいます。

体のどの部位にもシミができる可能性はありますが、腹部などの皮膚の薄い部分や色素がもともと薄いピンク色の犬は、目立つことが多いでしょう。

犬のシミの原因

犬

病気ではないシミの原因

  • 紫外線や物理的な刺激を長期的に受けている場合
  • 生まれつきの皮膚の状態でシミができやすい場合
  • 加齢

何かの刺激によって、皮膚の細胞はメラニン色素を過剰に産生するとシミになります。その刺激が長期的にあるとメラニン産生が活性化し、シミへとつながっている可能性が高いです。

その他、犬や年齢によって、感受性や免疫バリアに個体差があり、シミができやすいか否かということも異なります。

病気の可能性があるシミの原因

  • 内分泌疾患
  • アレルギーや皮膚炎
  • 腫瘍性疾患

内分泌疾患

甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症など、皮膚のコンディションにも大きく関わる内分泌疾患は多くあります。他にも、被毛が薄くなるなど全身症状の変化を伴うことも多いです。

アレルギーや皮膚炎

アレルギーや感染性の皮膚炎なども炎症により、皮膚のコンディションが変化したり、かゆくてかいていると、その刺激も引き金となりシミの産生が促進されたりすることもあります。

腫瘍性疾患

腫瘍性疾患というと怖い病気に聞こえがちですが「良性」と「悪性」があります。良性の場合は「メラノサイトーマ」と呼ばれ、悪性の場合は「メラノーマ」と呼ばれます。

悪性の場合、転移の可能性も考えられ、命の危険につながる可能性が高まります。


危険なシミの見分け方

トイプードル

危険なシミの見分け方として以下の2点が挙げられます。

  1. そのシミの原因が炎症によるものなのか
  2. シミがどのくらいの速さで成長しているか

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<炎症が原因の場合>

炎症が原因の場合、犬は痒みや違和感でその部分を気にするようになります。その部分を舐めたり、掻いていたりするか、自宅で観察してみましょう。

<シミの成長スピードが速い場合>

腫瘍性のシミの場合(特に悪性の場合)、成長のスピードが速いことが特徴としてあげられます。発見してから、定期的に大きさを見てみましょう。

効果や物差しなどを横に置いて、大きさの基準になるものと比較するとわかりやすいです。気になるシミがあったら受診するのが一番ですが、その際にこれらの情報があるとより診察もスムーズになる可能性が高いでしょう。

愛犬にシミを見つけたら

あくびをする犬

獣医師の診察を受けた上で、皮膚組織の検査などをしてもらうのが最も確実ですが、その前の段階として、自宅でシミを見つけたら、冷静に観察してみましょう。

  • どの場所にできているのか
  • 付近に似たようなシミはあるか
  • シミに厚みがあったり立体的などの特徴はあるか
  • 大きくなるスピードはどうか
  • その場所を犬は気にしているか

上記などのポイントをまとめておいて、受診の際に獣医師に伝えられると有意義な情報になります。

まとめ

野原にいる犬

犬のシミは無害である可能性が高い
犬がシミを気にしていたら病気の可能性がある
愛犬にシミを見つけたら、冷静に観察しましょう

犬のシミは病気ではない可能性が高いですが、いつもとの小さな違いが大きな病気の早期発見につながることもあります。気になることがあったらかかりつけの先生に相談してみてくださいね。


参考文献

  • 辻本元,小山秀一,大草潔,兼島孝(編)『犬と猫の治療ガイド2015』2015/9/1,インターズー
  • 永田 雅彦 (著)『犬と猫の皮膚科臨床』2008/7/1,ファームプレス


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