脂肪肝細胞は犬の椎間板ヘルニアを治すお医者さん!? - ペットの再生医療vol.2 -

脂肪肝細胞は犬の椎間板ヘルニアを治すお医者さん!? - ペットの再生医療vol.2 -

J-ARMの獣医師、遠矢です。前回、脂肪幹細胞は「お医者さん」だというお話をしました。では、実際にはどのような働きをしているのでしょうか? 今回は、脂肪幹細胞で治す犬の椎間板ヘルニアなど、脂肪肝細胞の「お医者さん」としての仕事ぶりを見てみましょう!!

「お医者さん」脂肪幹細胞のお仕事

犬のお医者さんのイラスト

脂肪幹細胞のお仕事その1

お医者さんとして患者さんを診に行きます。つまり怪我や病気で傷付いたところへかけつけます。

脂肪幹細胞のお仕事その2

患者さんにお薬を渡します。つまり傷付いた箇所を治す物質(生理活性物質)を出します。

脂肪幹細胞のお仕事その3

変身します!! 実はこの「お医者さん」いろんなものに変身できるのです。脂肪の中にある細胞ですが、筋肉や骨、軟骨、血管といったものになれるのです。

どうですか? この小さな「お医者さん」。まさにスーパードクターと言ってもいいくらいの働き者で、病気やケガを治してくれるのです。では、脂肪幹細胞療法ではどのような病気に効果が期待できるのでしょうか? 実際に脂肪幹細胞療法を行った事例の一つとして、椎間板ヘルニアがあります。

脂肪幹細胞で治す犬の椎間板ヘルニア

犬の椎間板ヘルニアとは

特にダックスフントシーズーといったワンちゃんがかかりやすい病気です。では、一体どのような病気なのでしょうか?

ワンちゃんの背骨の中には空間があり、その中を脳からの指令を伝える脊髄(神経)が通っています。もちろん、ワンちゃんだけでなくネコちゃんにも僕たち人間にも同じような構造があります。

皆さんも自分の背骨を触ってみてもわかると思いますが、背骨はたくさんの骨がつながってできていますよね? このたくさんある骨のことを脊椎(図では椎体)と言います。そして、この脊椎と脊椎の間に椎間板があります。この椎間板が飛び出すことで脊髄(神経)を圧迫し、その結果さまざまな症状を引き起こす病気が椎間板ヘルニアなのです。

犬の椎間板ヘルニア

この病気の一般的な治療は、以下の通りです。

犬の椎間板ヘルニアの治療法

軽症の場合

絶対的な安静が必要になります。目安として約4~6週間、狭いケージ(体長の1.5倍以内)の中にじっとさせておきます。合わせて、お薬も投与します。

重症の場合

外科手術が基本になります。飛び出した椎間板を取り出し、術後は早いうちにリハビリを始めます。

軽症の場合でも、狭いケージの中に閉じ込めておくことがかわいそうになって、ついついケージから出してしまうと再発してしまったり、症状が悪化してしまったりする場合もあります。つらいでしょうが、大事の家族ためにケージで安静にさせておきましょう。重症の場合、外科手術のほうが投薬治療より回復するケースが多いです。ただ、身体にかかる負担や麻酔のリスク等も考え、手術の適応になるかどうかを慎重に判断しなければなりません。
  そして、ワンちゃん・ネコちゃんの状態によって手術を受けられない場合や手術を受けさせたくないといった場合に脂肪幹細胞療法の治療効果が期待できます。また、手術後に症状が回復しない子に対して脂肪幹細胞療法を行うことで、より高い回復が期待できます。

椎間板ヘルニアは治療を始めるタイミングが早ければ回復の確率も高くなるというデータも出ていますので、ワンちゃん・ネコちゃんの様子がいつもと違う(背中を痛がる、歩き方がおかしい、散歩にいきたがらない……etc.)場合は、すぐに獣医師に相談してください。

ほかの脊髄の病気にも脂肪幹細胞療法は行われており、椎間板ヘルニア以外にも回復が期待できる場合があります。治療の実績としては、変形性脊椎症・変形性脊髄症・線維軟骨塞栓症などがあります。

治療法がないと諦める前に

他にもさまざまな病気に対して効果があるのではないかと考えられていますが、無責任に全ての病気に効果があるとは言えません。魔法の治療法ではありませんから……。ただ、治療法がないと諦める前に可能性を考えられる治療だと思います。ぜひ一度、獣医師に相談してみてください。

次回も、脂肪幹細胞で治療効果が期待できる病気についてお話します。

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