犬が雷を怖がるのはなぜ? 雷恐怖症とその対処法

犬が雷を怖がるのはなぜ? 雷恐怖症とその対処法

犬は雷を怖がると震えたり逃げたりするだけではなく、ストレスによる嘔吐や下痢、時には過呼吸を引き起こすこともあります。雷恐怖症の犬には、怖がるレベルに応じた対策をしてあげる必要があるので、原因を知っておくとワンちゃんに合った対策が見つかるかもしれません。今回の記事では、詳しい対処法や有効なグッズなども紹介します。

なぜ犬が雷を怖がる?

雷

犬が雷を怖がるのは音に恐怖心を抱いているからだと思われがちですが、その他にも要因があります。犬によって何に恐怖心を抱いているかは異なるので、飼い主さんは愛犬の様子をよく観察し、不安材料を取り除いてあげるようにしましょう。

  • 雷の音や光
  • 静電気による不快感
  • 気圧の変化
  • 雷雨によるオゾンの匂い

雷を怖がる犬は実際に多く、パニックに陥った犬が散歩中に飼い主さんを振り切って逃げてしまったり、家を飛び出したりしてしまうことがあります。実際、雷雨だった日は普段よりも迷子の犬が増えるそうです。ワンちゃんがパニックになっても迷子にならないよう、戸締りはしっかりとし、万が一に備えて迷子札などは常に着けておきましょう。


犬の雷恐怖症とは?

犬と少年

雷恐怖症とは、雷の発生によって犬が異常なまでに恐怖反応を示してしまう状態を指します。恐怖反応の度合いは人間と同じように個体差があり、症状もさまざまです。飼い主さんが雷恐怖症の犬に対し怒ったり、過剰にかまう行為は犬の恐怖反応を助長させてしまうことにつながってしまいます。雷恐怖症の症状を理解し、気長に対応してあげましょう。

雷恐怖症の症状

ただ落ち着きがなくなってしまう犬もいれば、恐怖心から嘔吐下痢、過呼吸まで引き起こしてしまう犬もいます。犬によっては雷によるパニックが原因でショック死してしまう子もいるようです。症状の度合いによっては個人での対策では限界があるので、動物病院で相談するようにしましょう。

  • 落ち着きがなくなる
  • 吠える
  • 小刻みに震える
  • 息が荒くなる
  • ご飯や水に口をつけない
  • 嘔吐下痢
  • お風呂場などの水場に逃げる
  • 逃避、破壊行動
  • 最悪の場合ショック死

犬を落ち着かせるための対策

ブランケットにくるまる犬

まずは犬の恐怖心が個人で対処できるものなのかを判断する必要があります。雷が鳴っている間はいくら呼びかけても耳に入っていない様子のワンちゃんもいます。恐怖心が嘔吐や過呼吸にまで発展してしまうようだったら、個人で対処しようとすると悪化の原因になるので、獣医さんに相談しましょう。

安心できる場所をつくる

犬が恐怖を感じている時は、犬自身が安心できるよう自由に逃げ込める環境を作ってあげるとよいでしょう。飼い主さんのベッドの隙間や、普段から使っているケージにブランケットをかけておくなど工夫してあげると犬も安心して身を隠すことができます。

ただ、雷が鳴って犬がケージをなどに逃げ込んだ時はケージの扉を閉めずに、いつでも移動できるようにしておく必要があります。扉を閉められ行動が制限されてしまうと、パニックが増してしまう恐れがあるのです。その場合、ケージなどの破壊行動につながる可能性もあるので気をつけましょう。


飼い主さんは平然とする

犬は飼い主さんの様子に非常に敏感です。飼い主さんが雷に怖がっていると「やっぱり怖いものなんだ……!」と余計に恐怖心をあおってしまいます。しかし安心させようと必死に抱っこしたり、かまったりするのも「いつもと違う!」と思わせてしまうようです。飼い主さんはなるべく平然とし、優しく声をかけるようにしてあげてください。

雷を怖がって落ち着きなく走ったり吠えたりしてしまう犬もいますが、間違っても叱ってはいけません。なるべく犬が落ち着ける場所を見つけられるようにサポートしてあげましょう。

系統的脱感作と逆条件付け

雷恐怖症以外でも、何か苦手なものを怖がらないようにするためのトレーニングとして有効なのが系統的脱感作(けいとうてきだつかんさ)と逆条件付けという行動療法があります。2つの療法を組み合わせて少しずつ苦手克服を目指します。

系統的脱感作(けいとうてきだつかんさ)

系統的脱感作とは、犬が苦手なものの最小限の刺激から与えて徐々に慣らしていく方法です。雷が苦手な犬に対して系統的脱感作を行う場合、雷の音を小さく流し少しずつ音量を上げるなどして行うことができます。

逆条件付け

逆条件付けとは、苦手なことが起こっている時に犬にとって嬉しいことをすることで、苦手意識を払拭する方法です。雷がなっている間はおやつがもらえたり、おもちゃで遊んでもらえたり嬉しいことが起こることを教えると雷へのイメージが変わります。

系統的脱感作と逆条件付けは同時に行うことで効果が出ます。例えば雷の音が苦手な犬の場合、CDなどで雷の音を消音で流しておやつを与えたり優しくなでてあげたりします。少しずつ音量を上げながら繰り返すことで、雷の反応が変わってくるでしょう。しかしこれはあくまで雷の音に対してのイメージに限るので、静電気や気圧の変化による不快感が主な原因の場合効果的とは言えません。

サンダーシャツやストームディフェンダーケープを使う

雷の発生による静電気の不快感が強い場合、体に溜まった静電気を放電するために水場に逃げたがる犬もいるようです。犬用に開発されたストームディフェンダーケープというものを使うと、静電気の不快感を軽減してくれるので犬が水場に逃げ込み震える必要がなくなります。装着してすぐに効果を実感する犬もいれば時間がかかる場合もありますが、不快感が減ったことを認識できれば自然と落ち着くようになってきます。

また、同じような形式でサンダーシャツというものもあります。これは犬の行動学に基づいて設計されたもので、犬の体に適度な圧力をかけることで安心感を持たせるのだそうです。不安解消に効果的なため、雷だけではなくドライブや分離不安症状の対策にも役立ちます。

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薬事療法

犬によっては、飼い主さんができる範囲の対策では恐怖心を改善できないほどの症状を抱える場合もあります。そのような時は動物病院で相談してアドバイスをもらいましょう。トレーニングで改善できる範囲なのか、薬によって不安症状を軽くするのがよいのかを判断することが大切です。

薬に関しては飼い主さん必要不要を判断することはせず、必ず獣医さんの意見を聞きましょう。実際に重度の雷恐怖症を抱えている場合は飼い主さんが声をかけても効果がないので、嘔吐下痢、ショック死の危険性を考えると薬事療法が有効な対策になります。

気長に対応しましょう

見上げるビーグル

雷を怖がる犬は決して少なくありません。不安がどのような行動に現れるかも犬によって異なり、適した対策も試行錯誤してあげることが必要です。しかし飼い主さんが雷に対し平然とした様子を見せ、焦ることなく気長に対応をしてあげることで解決策は見えてくるでしょう。犬が恐怖心から興奮してしまって落ち着きがなくなっても、決して怒らず気長にかまえてあげてください。
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