【獣医師執筆】猫はうなぎを食べて大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫はうなぎを食べて大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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夏バテ対策として土用の丑の日は欠かさずうなぎを食べる方も多いと思いますが、猫もうなぎを食べることができます。うなぎはビタミンが豊富で猫にとっても体に良い食べ物です。ただし、人向けの味付けがしてある蒲焼きなどは塩分が多すぎるためNG。脂質も多いため、量にも注意が必要です。うなぎの成分や与えるときの注意点を解説します。

猫はうなぎを食べて大丈夫

うなぎ

栄養豊富なうなぎは猫も食べることができます。ただし、人向けの味付けはNG。初めて食べる物はアレルギーを発症したり、食べ慣れないもので下痢になったりすることもありますので、少量から与え始めるようにしてください。生のうなぎは血に毒がありますので食べさせてはいけません。必ず火を通してから与えるようにしましょう。

猫が食べて大丈夫なうなぎの栄養成分

うなぎ

うなぎは栄養満点で、豊富なビタミンが含まれています。脂質が多いためダイエット食には向いていませんが、うなぎの脂質は高度不飽和脂肪酸で、動脈硬化や高血圧を防ぐ働きをしてくれます。


魚介類/うなぎ/白焼きの成分(生100gあたり)
エネルギー(kcal) 331
水分(g) 52.1
たんぱく質(g) 20.7
脂質(g) 25.8
炭水化物(g) 0.1
ナトリウム(mg) 100
カリウム(mg) 300
カルシウム(mg) 140
リン(mg) 280
ビタミンA(レチノール・μg) 1500
コレステロール(mg) 220
食塩(g) 0.3

ビタミンA(レチノール)

ビタミンAには主にレチノールとβカロテンの2種類あるのですが、うなぎを含む動物性食品に含まれるビタミンAはレチノールという効力の早い種類です。「目のビタミン」とも言われ、白内障の予防や角膜の健康維持に重要です。また、皮膚や被毛の健康状態を保つ効果もあります。うなぎは魚類の中でも多くビタミンAを含んでいる食べ物として有名です。

ビタミンB

疲労回復を早め、カルシウムの吸収を助け、脳の働きを活発にする効果が認められています。また、代謝を促す作用もあるため肥満防止にもつながります。

ビタミンD

カルシウムの吸収を助ける重要なビタミンです。犬にとってカルシウムを効率よく吸収することは骨粗しょう症や骨折予防につながります。

ビタミンE

ビタミンEは抗酸化作用があります。細胞膜トラブルの原因となる活性酸素、過酸化物に対抗し守ってくれます。細胞膜が壊れてしまうと皮膚病やガン、消化器疾患などさまざまな病気になってしまう可能性があります。

DHAとEPA(必須脂肪酸)

うなぎは必須脂肪酸DHAとEPAを豊富に含んでいます。これらの必須脂肪酸は血液病気や認知症を予防する効果があると言われています。

「栄養があるなら愛猫にもあげてみたいけど、うなぎは高い……」という方は、穴子を試してみるとよいかもしれません。うなぎよりも栄養価は下がりますが、穴子もうなぎと似た成分ですので食べさせても大丈夫です。

猫にうなぎを与える際の注意点

猫はうなぎを食べて大丈夫ですが、注意点もあります。

01【猫にうなぎを与える際の注意点】与え過ぎ

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

なお、おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。

02【猫にうなぎを与える際の注意点】味付けはNG

蒲焼きの甘辛いタレが大好きな方も多いと思いますが、猫にとっては塩分や糖分が多すぎです。タレが付いたまま猫に食べさせるのは健康上よくありません。白焼きの場合でも塩がかかっている場合がありますので軽く洗うか茹でてあげると安心です。

蒲焼きを愛猫におすそ分けしたい場合は、必ずタレを洗い流し、お湯でさっと茹でることで余分な塩分や糖分、同時に脂質も落とすことができます。

03【猫にうなぎを与える際の注意点】骨は注意

関東地方ではあまりうなぎの頭を販売しているところはありませんが、関西の方では調理方法が異なるためうなぎの頭(半助と呼ばれている)を残している場合もあります。うなぎの小骨は基本的にそのままで大丈夫ですが、目立つ骨は抜いてあげたり、身をほぐしたりしてからあげるとよいでしょう。

土用の丑の日は愛猫とうなぎを最低限に

猫

猫はうなぎを食べても大丈夫ですが、あくまで加工されていないうなぎの話。人向けに味付けされたものをそのまま与えてしまうと塩分や糖分が過剰になり、健康に悪影響があるかもしれません。適切な与え方、量を守って愛猫との暮らしを楽しんでくださいね。

参考文献


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