【獣医師執筆】猫はりんごを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫はりんごを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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りんごは日本人の果物の年間消費量の中でもでもトップ5に入る果物です。猫はりんごを食べても大丈夫なのでしょうか? 今回は、りんごの栄養や効果、皮や芯など部位ごとに気を付けたい注意点、りんごジュースやりんご酢の注意点など幅広く紹介します。

猫はりんごを食べても大丈夫!

りんご

りんごはカリウムやビタミンC、食物繊維、ポリフェノールが豊富で、猫も食べられる食材です。栄養価が高いことから「りんごが赤くなると医者が青くなる」「1日1個で医者いらず」と言われることもあります。ただ猫は酸味を好まないため、りんごが嫌いな猫ちゃんもいるかもしれません。

りんごの食物繊維ペクチンは、最近の研究で食物アレルギーの抑制作用抗がん作用下痢原性大腸菌に対する感染予防作用があることがわかってきました(※)

りんごにはさまざまなポリフェノールが含まれ、強い抗酸化作用があります。りんごを切った際に切り口の色がだんだん変色していくのは、ポリフェノールが酸素に触れて酸化するためです。

ペクチンもポリフェノールもりんごの皮部分に多く含まれますので、皮も一緒に食べさせてあげるといいでしょう。また、りんごの80%以上を水分が占め、水分摂取が苦手な子やシニア猫(老猫)のおやつにオススメです。


猫にりんごの皮を与えても大丈夫?

りんご

猫はりんごの皮も食べられます。皮の近くには栄養素が多く、皮自体にはポリフェノールの一種「プロシアニジン」が多く含まれます。プロシアニジンは最近の研究で抗酸化作用や糖質・脂質の代謝促進作用が期待できることがわかってきています。

皮には食物繊維も多く含まれ消化にあまりよくないため、皮ごと与えたい場合はすりおろしてあげるといいでしょう。

※参照:「プロシアニジンの機能性」(日本農芸化学会)

猫にりんごを与える際の注意点

バンダナを巻いた猫

愛猫にりんごを与える場合は、愛猫が食べやすいサイズに細かく切って食べさせてあげましょう。また、消化を良くするために、すりおろしたり、りんごジュースにして与えてあげると良いでしょう。市販のりんごジュースの場合は過度な糖分やその他添加物が入っている可能性があるため、家で作って与えてあげることをオススメします。その際に砂糖や塩など調味料は入れず、そのままのりんごを食べさせてあげましょう。

丸ごと与えるのはNG

りんごをそのまま与えると大きなりんごを丸飲みしてしまう可能性があります。誤飲してしまうと、嘔吐や下痢、りんごが体内に詰まってしまい腸閉塞になってしまう可能性があります。その場合は早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。また、りんご酢は酢の成分が猫にとっては刺激が強いため、与えない方が良いでしょう。

種や芯に注意

りんごの種にはシアン化物などの中毒成分が含まれている可能性があるため、避けて果肉や皮を与えてあげましょう。また、茎や芯も同様、与えないようにしましょう。皮を与える場合は、農薬物質が残留している可能性があるため、無農薬フルーツか、きちんと洗ってから与えるようにしましょう。

アレルギーには注意

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。


与えすぎは肥満や糖尿病の原因に

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

愛猫のカロリー計算をする

猫には適量のりんごをおやつ程度に

りんご

りんごは猫が食べても安全な食べ物でしたが、人間にとって美味しい食材でも猫にとっては危険な食べ物もたくさんあります。それらをきちんと理解した上で、楽しいペットとの食ライフを過ごしてくださいね!


参考文献


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