
【獣医師監修】犬はきのこを食べても大丈夫!食べて良い種類や注意点、レシピなどを解説
きのこは、正しく与えれば犬にとって栄養豊富な食材です。種類に関わらず代謝を支える重要な働きをビタミンB2や丈夫な骨をつくる働きがあるビタミンD、お通じの流れをよくする食物繊維を豊富に含んでおり、毎日のごはんに少量加えることで健康をサポートできます。ただし、生で与えるのはNG、与え方や注意点を知らないと下痢や中毒のリスクも。この記事では犬が食べても大丈夫なきのこの種類、安全な与え方、野生のきのこを拾い食いしてしまったときの対処法まで、獣医師監修のもと詳しく解説します。
犬はきのこを食べても大丈夫

犬が食べても大丈夫なきのこには、「しいたけ(椎茸)」「舞茸」「エリンギ」「えのき」「しめじ」「きくらげ」「マッシュルーム」「松茸」などがあります。
スーパーで売られている一般的なきのこであれば基本的に問題ありません。
ただし、珍しいきのこや野生のきのこは毒性がある場合があり、検証が不十分なものもあるため、与えるのは避けましょう。
きのこには食物繊維・ビタミン・ミネラルが豊富で、健康維持に役立つ栄養素が多く含まれています。ここでは代表的なきのこについて紹介します。
犬が食べても大丈夫なきのこ01:舞茸

舞茸には、免疫力を高めて細菌やウイルスを排除し、ガン細胞を縮小させるといわれるβ-グルカンが豊富に含まれています。
犬が食べても大丈夫なきのこ02:エリンギ

エリンギには、血行を促進し、皮膚や粘膜の炎症を防ぐナイアシンが豊富に含まれています。
犬が食べても大丈夫なきのこ03:えのき茸

えのきには「GABA(ギャバ)」という、ストレスを軽減するアミノ酸が含まれており、疲労回復に効果的とされています。
犬が食べても大丈夫なきのこ04:しいたけ(椎茸)

しいたけには「レンチナン」という成分があり、免疫力を高め、ガンの抑制に効果があるとされています。
犬が食べても大丈夫なきのこ05:しめじ

しめじにはオルチニンが豊富に含まれており、疲労回復や肝機能のサポートに役立ちます。
犬が食べても大丈夫なきのこ06:松茸

松茸にはβ-グルカンや食物繊維が豊富で、免疫力アップや便秘の改善に効果的です。
犬が食べても大丈夫なきのこ07:マッシュルーム

マッシュルームには、糖質・脂質・タンパク質の代謝を助けるパントテン酸が多く含まれています。
犬が食べても大丈夫なきのこ08:きくらげ

きくらげには「白きくらげ」と「黒きくらげ」があり、白きくらげは水溶性食物繊維が豊富で便秘解消に効果的、黒きくらげはレバーの約3倍の鉄分を含み、貧血の予防に役立ちます。
犬へのきのこの与え方

犬へのきのこの与え方01:食べやすい大きさに切る
きのこをそのまま与えると、消化不良を引き起こす可能性があります。犬が食べやすいように細かく刻んでから与えましょう。
犬へのきのこの与え方02:乾燥きのこは粉末に
乾燥しいたけや乾燥きくらげを与える場合は、すり潰して粉末状にするか、水で戻してから細かくカットするのが安全です。
きのこ類は食物繊維が豊富な一方で、犬にとって消化しづらい食材です。そのため、与える量は少なめにし、普段のごはんのトッピング程度にとどめましょう。
きのこを嫌がる・食べない犬には無理に与えなくていい
きのこの香りや食感が苦手な犬もおり、無理に与える必要はありません。
ただ、もし愛犬にきのこを食べさせたい場合は、鶏肉やかぼちゃなどの好物と一緒に煮込んだり、きのこをペースト状にして混ぜることで、食べやすくなります。
無理に与える必要はありませんが、栄養価は高いため、工夫しながら少量ずつ試してみるのがおすすめです。
犬にきのこを与える際の注意点

01:与え過ぎに注意
きのこは低カロリーな食材ですが、与えすぎには注意が必要です。1日の最適カロリー量の10%以内にとどめ、トッピングやおやつとして少量与えるようにしましょう。

最適カロリー量は、ペトコトフーズのフード診断(無料)で簡単に調べることができます。
02:下痢に注意
きのこに含まれる食物繊維は犬の消化にはやや負担がかかります。摂取しすぎると下痢を引き起こすこともあるため、少量ずつ与えてください。
03:アレルギーに注意
食物アレルギーには、先天性と後天性の2種類があります。以下のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談してください。
- 下痢
- 嘔吐
- 発熱
- 元気がない
- 皮膚のかゆみ
04:腎臓病との関係
きのこ類はカリウムが多く含まれるため、腎臓病やシニア犬の場合は注意が必要です。体内にカリウムが蓄積されることで健康に影響が出る可能性があります。与える場合は獣医師と相談のうえ、控えめにしましょう。
犬の散歩中はきのこの拾い食いに注意
山や自然の中を散歩していると、犬が地面に生えたきのこを拾い食いしてしまうことがあります。毒キノコの可能性もあるため、拾い食いをさせないようにしつけることが大切です。
もし生のきのこを拾い食いしてしまったら?
犬が散歩中に野生の生のきのこを食べてしまった場合は、毒性の有無にかかわらず、すぐに動物病院に連絡しましょう。
食べたきのこが残っていれば「持参する」「写真を撮っておく」ことで、獣医師が判断しやすくなります。時間・場所・食べた量をメモしておくのも重要です。
また、すぐに症状が出ないケースもあるため、数日間は下痢・嘔吐・元気の有無などを観察しましょう。
再発防止のためにも、「拾い食い防止」のトレーニングを継続的に行うことが大切です。
きのこを使った犬用手作りごはんレシピ

連載「今月の一皿」では、きのこを使ったトマトリゾットのレシピを紹介しています。
トマトリゾット
- ささみ
- プチトマト
- 舞茸
- にんじん
- じゃがいも
- 水
- 炊いたご飯
- オリーブオイル
- 野菜は小さめに切り、ささみは適当な大きさに切っておく。
- 鍋にオリーブオイルを入れて火にかけ、ささみを炒める。
- 色が変わったら、野菜をすべて加えてさらに炒める。
- 水を入れ、材料が柔らかくなるまで煮る。
- ご飯を加えて、好みの柔らかさになったら火を止める。人肌程度に冷ましたら完成。
レシピや詳細は以下の動画や関連記事をご覧ください。
まとめ

日本には4000種以上のきのこが生息しているといわれていますが、そのほとんどが食べることができるのかどうかまだ明らかにされていません。
きのこの中には、見た目は椎茸やなめこに似ているのにも関わらず、毒をもっているものが多数存在します。道に生えているきのこは絶対に食べさせないように気をつけて、安心な犬の食生活を送ってください。
参考文献
- 参照:すぐわかる栄養成分ナビゲーター(グリコ)
- 参照:日本のきのこ(林野庁)
- 参照:きのこってどんな生き物?|きのこ百科(日本きのこセンター)
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