【獣医師執筆】犬にアボカドを食べさせるのは危険!症状や食べてしまった場合の対処法を紹介
人間にとっては「森のバター」と呼ばれるほど親しまれ、美味しくて栄養も豊富なアボカドですが、犬にとっては中毒症状を引き起こす恐れがあります。アボカドを食べたからといってすぐに重篤化するわけではありませんが、絶対に与えないようにしましょう。食べさせてはいけない理由や、アボカドによる中毒症状と対処法などを紹介します。
犬にアボカドは食べさせてはいけない理由
アボカドに含まれる「ペルシン(persin)」という殺菌作用のある成分が犬にとっては毒性が強いため、中毒を引き起こす原因になります。
犬の体質によって中毒症状が重く、最悪の場合には死亡する可能性もあるので、意図的に与えないようにしましょう。
犬がアボカドを食べた場合の中毒症状とは?
摂取後、以下のような症状が見られた場合は中毒を疑い、動物病院へ行きましょう。
- 嘔吐
- 下痢・軟便
- 呼吸困難
- けいれん
犬がアボカドを食べた場合の致死量
アボカドは千種類以上あるといわれていて、毒性のあるペルシンの含有量に起因します。
そのため中毒を発症する目安の情報はないのが現状です。中毒の危険性がある以上は与えないことに越したことはないでしょう。
犬がアボカドを食べてしまった時の対処法
犬がアボカドを食べてしまったら、「体調の変化がないか」「下痢や軟便になっていないか」を確認しましょう。
アレルギーの持っていない健康な犬がアボカドを舐めた、ひとかけら食べてしまったからと、急いで動物病院に駆け込む必要はありません。
しかし愛犬にアレルギーの有無が分からない場合や、摂取量が多い、様子を観察できない場合は念のため動物病院に相談しましょう。
犬にアボカドオイルは大丈夫?
アボカドと同じく、アボカドオイルは犬に膵炎を引き起こす危険性が高く、ペルシンも含まれている可能性がある
一方で、抗菌作用が期待できるため、狭い範囲で皮膚に塗る場合も獣医師に皮膚を診てもらってからにしましょう。
犬用ペットフードにはアボカドが含まれている?
アボカドは犬に食べさせてはいけない部類の食べ物ですが、アメリカのドッグフードにはアボカドの成分が配合されているものもあります。
「ドッグフードに含まれるような食材なら食べても大丈夫なのでは?」と思われる方も多いと思います。しかしアボカドの種類は千種類以上あるといわれていて、国によって流通しているアボカドは異なります。
日本で多く販売されている品種はハス(Hass)というグアテマラ系のアボカドで、グアテマラ系のアボカドはペルシンの含有量が多いため犬にとっての毒性が強いということになります。
アメリカのドッグフードの場合はペルシンの含有率の低いアボカドを使用し、加工する段階で何か無毒化の工夫していると考えられます。
アボカドオイルの場合も加工しているため同じことがいえるのですが、完全に無毒化できているのかは分からないのでアレルギーの犬は避けた方がよいでしょう。
アボカド成分入りのドッグフードを与える時は中毒の危険性も考慮し、下痢や軟便、嘔吐などの症状が見られたら食べさせるのはやめましょう。
まとめ
アボカドは犬にとって危険な食材です
中毒症状が重篤化する恐れがあります
中毒症状が疑われる場合はすぐに動物病院へ
犬と人の体の構造は異なることをよく理解し、食べやすい位置に置いておかないようにしましょう。
もしアボカド入りのドッグフードを与えたい場合は、かかりつけの獣医さんに相談するようにしてください。
参考文献
- ASPCA「Avocado」
- American Kennel Club「Can Dogs Eat Avocado?」
- 消費者庁「PDF:天然ゴム製品の使用による皮膚障害は、ラテックスアレルギーの可能性があります。アレルギー専門医に相談しましょう。 」
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