【獣医師執筆】犬はいちごを食べても大丈夫!キシリトールなど与え方の注意点を解説

佐藤貴紀

獣医師/循環器科担当/認定医

【獣医師執筆】犬はいちごを食べても大丈夫!キシリトールなど与え方の注意点を解説

いちご(苺・イチゴ)は、犬が食べても大丈夫な果物です。ただ、いちごには犬にとって有毒なキシリトールが含まれているため、与え方や量に注意が必要です。今回は、アレルギーや何個食べていいかなど、与える際の注意点をペット栄養管理士が解説します。

目次
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犬はいちごを食べても大丈夫!

いちご
いちごはビタミンCやカリウム、カルシウム、葉酸、食物繊維などを含み、犬が食べても大丈夫な果物です(園芸学では野菜に分類されます)。いちごが赤いのはポリフェノールの一種「アントシアニン」が含まれるからで、アントシアニンには強い抗酸化作用があります。

いちごに含まれる栄養素

エネルギー 31kcal
水分 90.0g
糖質 7.1g
カリウム 170mg
カルシウム 17mg
葉酸 90μg
ビタミンC 62mg
食物繊維 1.4g
※100g当たり、参照:「食品成分データベース」(文部科学省)
栄養素
特徴
カリウム 過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。腎臓病や腎臓が弱っている場合は過剰になり心臓にダメージを与えてしまいます。摂取量に注意が必要です。
カルシウム カルシウムは骨や歯の材料になるだけでなく、神経の情報伝達にも重要な役割を持ちます。カルシウムは不足したときだけでなく、過剰摂取でも整形外科疾患のリスクを高めます。
鉄分 血液中で酸素を運んだり筋肉中で酸素を受け取ったりする働きを持ち、体を動かすために欠かせないミネラルです。不足すると皮膚や被毛のトラブル、イライラ感につながります。
葉酸 体の細胞の生まれ変わりや成長をサポートするという大切な役割を持ち、「造血のビタミン」と呼ばれます。不足すると貧血や免疫力の低下につながります。
ビタミンC 強い抗酸化作用を持ち、がん予防やアンチエイジングの効果が期待されます。生体内の異物を解毒する作用や、免疫機能を向上させる作用もあります。犬は体内で合成することが可能です。
食物繊維 腸内細菌のエサとなって腸内環境を改善したり、食後の血糖上昇をゆるやかにして糖尿病を予防したりします。水溶性は満腹感の持続や下痢の改善、不溶性は便秘の改善などの効果が期待できます。

犬にいちごを与える際の注意点

いちご

犬にいちごを与える際は以下の点に注意が必要です。
  1. アレルギー
  2. キシリトール

1. アレルギーに注意

いちごを初めて食べてから数回までは、アレルギー症状が出ないか様子を見るようにしてください。体を痒がったり、嘔吐・下痢が見られる場合はアレルギーの可能性がありますので獣医師に相談しましょう。

なお、アレルギー検査で陽性が出た食材は食べられないと考える飼い主さんが少なくありませんが、実際にアレルギー症状が出ていなければ与えても問題ありません。誤解から愛犬の食の選択肢を狭めてしまわないように、以下の記事も参考にしてください。


2. キシリトールに注意

いちごには、犬にとって有害な成分であるキシリトールが含まれています。犬が体重1kg当たり100mg以上のキシリトールを摂取すると低血糖や肝機能の低下などの中毒症状を引き起こす可能性があります(※1)。パピーの子犬の場合や免疫力が低下している場合は少量でも体調を崩してしまう可能性があるため、注意して、必要なら早めに動物病院に相談ともにましょう。

いちご100g当たりに含まれるキシリトールは44mgです(※2)。いちご1粒の重さは小粒で7g、中粒で15g、ジャンボサイズで50gとされていますので、10kgの中型犬の場合、小粒で320粒、ジャンボサイズで45粒ほど食べると危険だと考えられます(個体差があります)

数粒与えただけで中毒症状が出ることは考えにくいですが、ドライフルーツのように乾燥した状態では摂取量が多くなる点に注意が必要です。
※参考1:「犬のキシリトール中毒」(ペット栄養学会誌)、参考2:「Quantification of xylitol in foods by an indirect competitive immunoassay」(Journal of Agricultural and Food Chemistry)

犬へのいちごの与え方

いちご

犬にいちごを食べさせる際は、そのまま与えるのではなく、ヘタを取り小さく切ってからあげましょう。潰してあげるのもいいでしょう。ただし、いちごに含まれるビタミンCは水溶性のため、ヘタを取ってから洗うとビタミンCが流出してしまいます。水洗いはヘタを取る前にしましょう。

甘酸っぱくて食べやすいいちごですが、与え過ぎは肥満の原因になります。おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。
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ペトコトフーズが提供する「食事量計算機(無料)を使っていただくと、1日の最適カロリー量を知ることができます。

例えば1日の最適カロリー量が125kcalのワンちゃんに100gあたり400kcalのドッグフードを与えている場合、1日の最適な食事量は31gとなります。

なお、生後4ヶ月以上、1歳未満の子犬の場合は食事量計算機で表示された1〜1.5倍の量を、生後4ヶ月未満の場合には2倍の量を与えてくださいね。

子犬の場合、いちごはいつから与えて良い?

個体差があるため、食べても大丈夫な場合もありますが、大量に摂取すると下痢になる可能性もあります。そのため、少量からであれば様子を見て与えても良いでしょう。

犬に人間用の加工品いちごはNG

人間用に加工された食品は、砂糖や塩、添加物などが含まれている場合があります。そのため、犬には与えないようにしましょう。

いちごヨーグルト

市販のいちごヨーグルトやアイスには大量の砂糖が含まれている可能性があるため、与えないでください。無糖のヨーグルトであれば大丈夫。いちごは脂質と一緒に摂ることで、ポリフェノールの吸収率を高めることができます。

いちごジャム

市販のいちごジャムにも、大量の砂糖が含まれています。そのため、もしジャムを与えたいのであれば、無糖のジャムを手作りしてあげましょう。

犬用のいちごを使ったおすすめおやつ

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※おやつやトッピングとして与える場合、与える量は1日の最適カロリー量の10%以内になるようにしてください。1日の最適カロリー量はペトコトフーズの「食事量計算機(無料)で簡単にわかります。
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まとめ

いちご
与える際は、ヘタを取り小さくカットしてあげる
キシリトールが含まれているため、与え過ぎには十分注意する
人間用に加工された食品は与えない
いちごにはキシリトールが含まれているため、与え過ぎにはくれぐれも気をつけてください。

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