【獣医師執筆】犬はクランベリーを食べても大丈夫?与え方や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】犬はクランベリーを食べても大丈夫?与え方や与える際の注意点を解説

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クランベリーは犬が食べても大丈夫な果物とされてきましたが、ブルーベリーの最新の研究で中毒症状のリスクがわかってきました。原因や致死量などはっきりしない点もありますが、ペトコトフーズのアドバイザリーであり、小動物栄養学博士で獣医栄養学専門医のニック獣医師による知見をふまえて解説します。


犬が食べるリスクのあるクランベリーの栄養素

クランベリー

クランベリー バナナ オレンジ キウイ
エネルギー 46kcal 89kcal 47kcal 58kcal
ビタミンC 14mg 8.7mg 53.2mg 74.7mg
ビタミンE 1.3mg 0.1mg 0.2mg 1.3mg
食物繊維 3.6g 2.6g 2.4g 3.0g
※各100g当たり、参照:「FoodData Central」(USDA)

ビタミンC

ビタミンCは、体を若々しく保ち、ガンを抑制する働きがあります。人間と違い、犬は体内でビタミンCを作ることができますが、年齢や体質によっては不足してしまうこともあります。

ポリフェノール

クランベリーに含まれるポリフェノールの一種「アントシアニン」は、視覚機能を改善するといわれています。しかし、科学的にはまだデータが不十分で、視覚機能の改善は立証されたわけではありません。

ペクチン

整腸作用があり、下痢や便秘を改善する働きがあります。また、コレステロールの排出を促進するため、悪玉コレステロールの減少が期待できます。

キナ酸

体内で「馬尿酸」という物質に変化し、アルカリ性の尿を酸性に傾けます。それにより、細菌の増殖を防ぐ効果があります。

犬がクランベリーを食べることのリスク

クランベリーは、ツツジ科スノキ属ですが、同じ仲間にブルーベリーがいます。

ブルーベリーはこれまで犬が食べても大丈夫な果物とされてきましたが、ニック獣医師の研究によって犬が食べるべきではない果物であることがわかってきました。

ニック獣医師が犬にブルーベリーを与えた場合どのような効果があるか調べていたところ、中毒症状が見られたため食べさせるのを止めました。この中毒症状はその後も1週間ほど続いたそうです。

中毒症状は明らかにブルーベリーを原因としたものであり、ニック獣医師は「犬はブルーベリーを食べるべきではない」と説明しています。

ブルーベリーはこれまで犬が食べても大丈夫な果物とされてきましたので、与えないほうがいいと聞いて驚かれる飼い主さんもいるかもしれません。現時点で論文発表にまでは至っていませんが、私たちはニック獣医師の研究をもとに「ブルーベリーを与えないほうがいい」としています。

ペトコトとしてはリスクがある食べ物を「食べても大丈夫」とは紹介できません。犬の栄養学はまだまだ発展途上です。犬が食べてはいけない果物として有名なぶどうも、少し前までは食べても大丈夫な食材とされていました。何が原因で、何粒食べれば中毒症状が起きるのかは今もわかっていません。

クランベリーも同様で、生や冷凍のクランベリーをおやつとして、サプリやパウダーでも食べさせたことがあるけど大丈夫だったという飼い主さんもいるかもしれませんが、もう少し食べさせていたら中毒症状が出ていたかもしれませんし、たまたま影響を受けにくい子だったのかもしれません。リスクがある以上、犬にクランベリーは食べさせないほうがいいでしょう。


犬がクランベリーを食べた場合の中毒症状

ブルーベリーを食べた犬は、ぶどうと同様に急性腎不全などの中毒症状を起こす可能性があります。ただし、クランベリーも同様かはまだ分からないがリスクはあり、原因物質を含めその理由は明確になっていません。急性腎不全が引き起こされると以下のような症状が見られます。

  • 嘔吐や下痢
  • 食欲不振
  • 元気がない
  • 水をたくさん飲む
  • お腹を痛がる
  • 尿量増加
  • 脱水


まとめ

犬とクランベリー
Photo by 6haruharuさん Thanks!

与える際は、ヘタや種を取り除き、与え過ぎないようにする
膀胱炎やストルバイト結石の改善に効果的
シュウ酸カルシウム結石の犬には与えない

膀胱炎やストルバイト結石の再発に悩んでいる飼い主さんは、獣医師に相談することはもちろんのこと、クランベリーやサプリを試してみるのも良いかもしれません。愛犬の食生活に、上手に取り入れていきたいですね。

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