【獣医師執筆】犬はゆずを食べない方が良い!理由や食べてしまった場合の対処法を解説
ゆずは冬の時期に食べる機会が多く、冬至の日に湯船に入れる方も多いと思います。ゆずにはビタミンが多く含まれており、人の場合は疲労回復や風邪・肌荒れ予防など、さまざまな効果が期待されています。そんな健康食材のゆずですが、犬が口にすると神経疾患や皮膚炎を引き起こす可能性があり、注意が必要です。
犬にゆずがおすすめできない理由
クエン酸、エッセンシャルオイル
ゆずをはじめとする柑橘類の果実、茎、葉、果皮、種に含まれているのが、クエン酸やエッセンシャルオイル(精油)です。これらの成分が原因となり、少量であれば軽い胃の不調、大量に摂取した場合は中枢神経系の抑制、炎症などを引き起こす可能性があります。大量に誤飲してしまった場合は大きな疾患につながる可能性もありますので、必ず動物病院に相談するようにしてください。ソラレン
ソラレンも柑橘類に含まれる成分で、特に外皮に多く含まれます。ソラレンには光毒性があり、ゆず湯に入ったり、皮膚に触れたりして付着したソラレンが皮膚炎を引き起こす原因となる可能性があります。誤飲していなくても触れただけで炎症を引き起こすケースもあります。冬至だからといって犬も一緒にゆず風呂に入れるのはやめましょう。犬はゆず以外の柑橘類は食べても大丈夫?
みかん:△
犬にみかんを与えても問題ないとされていますが、ゆずと同様にクエン酸やエッセンシャルオイルが含まれています。比較的甘みが強く、好む犬も多いかもしれませんが、与えるのは少量程度にしましょう。また、外皮は消化不良を引き起こしやすいため注意が必要です。オレンジ:△
オレンジは少量であれば与えても良い果物ですが、クエン酸やエッセンシャルオイル、ソラレンが含まれています。こちらもゆずと同様に中枢神経系の抑制、炎症、皮膚炎を引き起こす可能性があることをしっかりと把握しておきましょう。また糖質が多く含まれるため、大量に摂取したり、外皮を摂取したりしないよう注意してください。レモン:△
絞ったレモン汁を少量与える程度であれば問題ありませんが、こちらもクエン酸やエッセンシャルオイルが含まれているため注意が必要です。犬の味覚は人間の5分の1程度で、最も強く感じるのが「甘味」、その次に強く感じるのが「酸味」です。そのため、酸味の強いレモンは好まない犬がほとんどでしょう。無理に与える必要はありません。
グレープフルーツ:△
グレープフルーツも、エッセンシャルオイルとソラレンが含まれているので注意が必要です。ただし外皮に触れたり、大量に与えなければ大きなリスクはないといえます。まとめ
少量なら食べても大丈夫だが、体調不良の原因となるためおすすめできない
皮膚に付着すると皮膚炎の原因となる可能性があるため、ゆず湯には入れない
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