【獣医師執筆】犬はひじきを食べても大丈夫!与える量や与える際の注意点を解説
ひじきは少量であれば、犬が食べても大丈夫な食材です。栄養豊富で、鉄分を多く含んでいるため、貧血予防を期待できます。ただし、与える前にいくつか気をつけておきたいことがあります。今回はひじきに含まれる栄養素や与える際の注意点を紹介します。
犬はひじきを食べても大丈夫
ひじきは食物繊維やカルシウム、ビタミンK、鉄、葉酸を多く含み、犬が食べても大丈夫な食材です。食物繊維は栄養として吸収されることはありませんが、腸内細菌のエサとなり、水分を含んで便秘を解消するなど胃腸環境を整えてくれる効果があります。
カルシウムは骨や歯を丈夫にするだけではなく、神経や筋肉の活動をサポートする働きもあります。ビタミンKは血液凝固や骨の形成に欠かせませんが、犬や猫は腸内細菌によって体内で合成されるため、食事から補給する必要性は低いとされています。
ひじきに鉄分が多いという誤解
鉄分は、血液中の赤血球を作るヘモグロビンの材料となるミネラルです。ヘモグロビンは酸素を体中に運ぶ働きをしています。鉄分が不足すると貧血になり、酸素が不足することで疲れやすくなります。ひじきは鉄分が多い食材と覚えている方も多いと思いますが、最近になってひじきに含まれる鉄分は煮る際の鉄釜由来であったことがわかりました。実際に鉄釜とステンレス釜で含まれる成分を比べてみると、鉄分の量だけが異なることがわかります。
鉄分 | 食物繊維 | カルシウム | ビタミンK | |
---|---|---|---|---|
ひじき(鉄釜) | 2.7mg | 3.7g | 96mg | 40μg |
ひじき(ステンレス釜) | 0.3mg | 3.7g | 96mg | 40μg |
※「食品成分データベース」(文部科学省)
他の食材と比べてみても、牛肉は2〜3mg、卵は1.8mg、豆腐(絹ごし)は1.2mgの鉄分を含みます(それぞれ100g当たり)。ひじきが他の食材と比べて特に鉄分が多いとは言えなさそうです。
犬にひじきを与える際の注意点
01【犬にひじきを与える際の注意点】与え過ぎに注意
前提として、犬は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。与え過ぎは肥満の原因になりますし、タンパク質のため、過剰摂取は腎臓病のリスクもあります。おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。
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02【犬にひじきを与える際の注意点】味付けはNG
ひじきの煮物は人向けに味付けがされていますので、犬が食べると健康に害を及ぼす可能性があります。犬にひじきを与える場合は、必ず味付けがされていないものを与えるようにしてください。03【犬にひじきを与える際の注意点】アレルギー
食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚の痒み
- 元気がない
- 目の充血
上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。
04【犬にひじきを与える際の注意点】消化不良
ひじきは食物繊維が豊富な食品です。しかし食物繊維は消化しにくいために摂取しすぎると下痢を引き起こす原因になることがあります。05【犬にひじきを与える際の注意点】腎臓病
ひじきにマグネシウムは多く含まれています。マグネシウムが多い食品を与え過ぎると、それが結晶化して結石という小さな石の塊のようなものができ、尿が体外へ排出できない状態を指します。以下の症状が見られたら、動物病院で相談するようにしましょう。
- 尿の回数・量の減少
- 頻尿
- 血尿
- 嘔吐
- トイレ以外での粗相
- 尿がキラキラしている
最悪の場合、腎臓に負担がかかり、尿毒症(腎臓が機能しなくなり、体外へ老廃物や毒素を排出できない症状)という病気になり死に至る可能性もあります。
まとめ
味をつけていないひじきをトッピングとして与えるのがおすすめ
味付きはNG
与え過ぎないようにしましょう
アレルギーに注意
ひじきはミネラルや食物繊維が豊富な健康に良い食品です。ただし、与えすぎると健康に害を及ぼす原因になるので、バランスの良い食事の中でのおやつとして楽しむようにしてください。
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