【獣医師執筆】愛犬も腸活で健康に!腸内環境を整える食べ物と改善方法を解説

【獣医師執筆】愛犬も腸活で健康に!腸内環境を整える食べ物と改善方法を解説

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ヒトや動物の腸内には、私たちを構成する細胞と同じくらいの数の腸内細菌が住んでいます。つまり、私たちの体の半分は腸内細菌でできているとも言えるのです。そんな腸内細菌はヒトや動物の健康と密接に関連しており、腸内環境を整えることは犬の健康維持にとって重要です。本稿では、腸内環境と健康の関係、食べ物やサプリメントなど健康な腸内環境を維持するためのヒケツについて紹介します。

犬の健康を左右する腸内環境

ペトコトフーズ

犬の腸内にはさまざまな種類の腸内細菌がいますが、それらはまとめて「腸内フローラ」と呼ばれます(※)。腸内フローラを構成する細菌には、免疫を活性化したり、過度な炎症反応を抑えたり、吸収されない栄養成分を分解して吸収できる物質に変えたりして、犬に良い影響を与える細菌がいます。

逆に、普段は悪さをしませんが増えすぎると病気を引き起こす腸内細菌もいます。「腸内環境を整える」と聞くと下痢や便秘の予防といったイメージがあるかもしれませんが、腸内環境はアトピー性皮膚炎アレルギー疾患肝臓や腎臓の疾患、さらには精神疾患にも関連することがわかっています。

つまり、腸内環境は健康と密接に関わっているのです。愛犬に健康でいてもらうためには、細菌が一定のバランスを保って存在できるように腸内環境を整えてあげることが重要です。

※フローラはもともとローマ神話における花の女神の名前で、ある地域や時間の植物全体を指す「植物相」という意味でも使われます。そこから多様な細菌が集まった腸内の様子をお花畑に例えて「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。

犬の腸内フローラ環境は検査でチェック

コルクの測定結果

アニコムが展開する腸内フローラキットを使えば、愛犬の腸内環境がチェックできます。あくまで参考までという形で、完全に健康状態を可視化できているわけではありませんが、興味程度にぜひ見てみてはいかがでしょうか?

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犬の腸内細菌の種類と特徴

お腹を出した犬

「善玉菌」「悪玉菌」といった言葉をよく耳にしますが、実は、学術的には善玉菌、悪玉菌という分類は正しくありません。腸内細菌は悪い菌、良い菌といったふうに単純に二分できるものではなく、善玉菌とされているものでも増えすぎると悪い働きをする可能性がありますし、悪玉菌とされているものでも増えすぎなければ害はありません。

それよりも、たくさんの種類の細菌が安定したバランスで腸内に存在している事が重要なのです。ただ、細菌の中でも免疫力を高める効果が強かったり、過剰な炎症を鎮める働きが強い細菌が存在し、それらを摂取することは犬の健康維持にもつながると考えられます。

口から摂取することで犬にとって良い効果を与えてくれる微生物を「プロバイオティクス」、有益な細菌の増殖を促進する効果を持つ成分を「プレバイオティクス」と総称します。それぞれ詳しく紹介します。

プロバイオティクス

乳酸菌

発酵によって糖から乳酸をつくる嫌気性の微生物の総称です。乳酸菌から産生された乳酸は、腸内で大腸菌などの過剰増殖を防ぎ、腸内細菌のバランスを取る働きをします。

ビフィズス菌

ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)に分類される菌の総称です。腸内でオリゴ糖などを利用して、乳酸と乳酸よりも殺菌力の強い酢酸を産生します。腸内のpHを低く保つことで、大腸菌などの過剰増殖を防ぎ、乳酸菌の増殖を助けます。

プレバイオティクス

難消化性オリゴ糖

動物の消化酵素によって分解されず、ビフィズス菌等のエサになって増殖や働きを助けます。

食物繊維の一部

ポリデキストロース、イヌリン等、一部の食物繊維には乳酸菌やビフィズス菌増殖促進作用があります。

プロバイオティクスとプレバイオティクスを混合したものはシンバイオティクスと呼ばれ、シンバイオティクスを摂取することで、プロバイオティクスとプレバイオティクスの相乗効果が期待できます。

犬の腸内環境を整えてくれる食べ物

身近な食材にも、プロバイオティクスやプレバイオティクスが含まれている食材があります。これらを摂取することで、犬の腸内環境を整える効果が期待できます。ただし、与え過ぎて犬の栄養バランスが悪くなり、栄養失調を引き起こしてしまっては本末転倒です。これらの食材は、総合栄養食であるフードに補助的に与えるのが良いでしょう。

総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。1日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算機」(無料)で簡単に計算することができます。


愛犬のカロリー計算をする

PETOKOTO FOODS

ヨーグルト

ヨーグルト

ヨーグルトは乳酸菌や酵母によってミルクを発酵させて作る発酵食品で、乳酸菌がたくさん含まれています。スーパー等で簡単に購入できますが、人用のヨーグルトを与える場合は、必ず砂糖や香料などの添加物が含まれていないプレーンタイプを選ぶようにしましょう。

小型犬は小さじ1杯程度、大型犬は大さじ1杯程度与えるのが目安です。一般的に犬はヨーグルトが大好きなので、目を離すと1パック丸々食べてしまう事もあります。一度に大量のヨーグルトを食べると下痢になる可能性があるため、飼い主さんがしっかり管理し、くれぐれも与え過ぎには注意しましょう。

納豆

納豆

犬の健康維持に役立つ機能性成分や食物繊維、オリゴ糖を豊富に含んでいるため整腸効果が期待できます。ただし、大豆アレルギーを持つ子もいるため注意が必要です。初めて与える際は少量だけ与えて、体調に変化がないか様子を見るようにしましょう。

人用のものは粘りがあるため与えづらいと思います。犬用にフリーズドライタイプが販売されていますので、そちらを与えるようにしましょう。どうしても人用のものを与えたい場合は、醤油やからし、ネギなどのトッピングはしないように気を付けてください。これらには犬にとって毒となる成分が含まれます。

オリゴ糖や食物繊維を含む野菜

バナナ

キャベツ、ごぼう、アスパラガス、じゃがいも、トウモロコシ等の野菜や、バナナ、リンゴ、キウイ等の果物にはオリゴ糖や食物繊維が豊富に含まれています。これらの食材は調理して犬に消化しやすい形にして与えます。

ただし、持病のある犬には与えない方がいい食材や、調理方法によっては犬に良くない影響を与える可能性があります。与える際はかかりつけの動物病院に相談したり、専門家が監修したレシピを参考にしたりしましょう。

ワンちゃんの腸内環境改善に、まずは少量ずつ様子を見ながら試してみてください。

犬の腸内環境を整えてくれる成分やサプリメントの選び方

プロバイオティクスやプレバイオティクスが含まれるサプリメントはたくさん市販されていますが、犬での効果をきちんと検証したものは少ないように思えます。実は、犬の腸内フローラはヒトとは異なり、ヒトで有効な成分やサプリメントが全て犬にとっても有効というわけではないのです。

研究においても、動物種によって腸内フローラの構成に違いがあることがわかっています。ヒトでは、ビフィズス菌が加齢とともに減っていくのですが、最近の研究では、犬の腸内には乳酸桿菌という腸内細菌がいて、加齢とともに減っていくことがわかっています(※)

動物種ごとの腸内フローラ

加齢に伴って変化する細菌にも、ヒトと犬では違いがあるのです。サプリメントを選ぶ際は、犬用に開発された商品を選ぶのが安心です。

犬の腸内環境とドッグフードの関連性

PETOKOTO FOODSの匂いを嗅ぐ犬たち

犬が食べたドッグフードは、消化酵素で分解されたものと分解されないものが腸内に到達します。フードは腸内環境に大きな影響を与え、腸内フローラにも変化をもたらします。私たちの研究においても、フードを変更した1週間後には腸内フローラを構成する細菌の割合が変化し始め、2カ月後には違いがはっきりと分かるようになりました。

ヒトの食べ物は種類が多く、食生活を少し変えただけでは腸内フローラの構成は変化しないといわれています。一方、決まったフードを食べ続ける犬では、フードの変更で腸内フローラの構成も変化するのです。腸内環境を整え、腸内フローラのバランスを保つには良いフードを選ぶことがとても重要です。

ただ、「良いフード」といってもどのフードが良いかは犬ごとに異なるもの。良い素材を使っているフードを選んであげるのはもちろんですが、犬の年齢に適したフードの中からいくつか試してみて、「便が緩くないか」「便秘になっていないか」「毛並みはどうか」「元気はいっぱいか」等を観察し、一番良さそうなものを選んであげるのもいいですね。



愛犬の腸内環境を整えるおすすめドッグフード

ペトコトフーズの犬のプレゼントにおすすめのフレッシュドッグフード

犬の食べ物は「エサ」と呼ばれていた時代から、家族の「ごはん」と呼ぶ時代へ変わりました。私たちと同じように、犬も栄養バランスの良いごはんを食べることで健康を維持することができます。ごはん選びをする際は、以下の2点を気を付けていただくといいでしょう。

1. 総合栄養食を適量与える

犬が必要とする栄養は人間と同じではありません。そこで生まれたのが「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。おやつなど「一般食」や「副食」と呼ばれるごはんだけ食べていると体を壊してしまいますので、「総合栄養食」のごはんを選ぶようにしましょう。

総合栄養食を食べていても与える量が少なければ痩せてしまいますし、多ければ太ってしまいます。パッケージに書かれた食事量は目安ですので、ボディ・コンディション・スコアで「3」の「理想体型」を維持できる量を与えるようにしてください。

2. 添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ

犬のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから犬のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。新鮮な野菜を犬や猫に与え続けることで、様々ながんに罹るリスクを軽減することが研究で判明していたり、市販のドライフードを製造する工程の1つである高温加熱処理が、タンパク質の品質劣化を招き、熱に弱いビタミンを破壊し、さらには発がん性物質を生成してしまうことが、研究により判明しています。

そこで生まれたのが素材本来の旨味や香りが楽しめ、余計な添加物も入っていない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。ペトコトフーズもその一つで、子犬からシニア犬(老犬)まで毎日のごはんにすることができます。もちろん総合栄養食で、主食としても、トッピングとしてもご利用いただけます。

ペトコトフーズの犬のプレゼントにおすすめのフレッシュドッグフード

実際に従来のドライタイプのドッグフードよりも、水分がより多く含まれた手作り品質のごはんを食べている犬の方が寿命が3年も長くなることが研究により明らかになっています。新鮮で美味しく、健康なごはんを選ぶことが長生きできる秘訣です。

フレッシュフードと寿命の関係性

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まとめ

走ってくる2匹の犬
腸内環境を整える食べ物はフードの補助として与える
初めて与える食べ物は少量からにして様子を見る
サプリメントは犬に効果があるものを選ぶ
腸内のバランスを保つにはフード選びが重要
犬の健康にとって腸内環境を整えることはとても重要ですが、適度な運動、睡眠、食事、生活環境、ストレスのない暮らしも欠けてはならないものです。愛犬にずっと元気で長生きしてもらうために、バランスよく気を配ってあげるようにしましょう。

どんなに健康に気を付けても、絶対に病気にならないということはありません。日頃から、愛犬の様子をよく観察することで、異変にいち早く気付くことができます。気になることがあれば、すぐ獣医師に相談するようにしてください。

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