犬は黒糖を食べても大丈夫? 白砂糖との違いや栄養成分を解説

犬は黒糖を食べても大丈夫? 白砂糖との違いや栄養成分を解説

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クッキーやケーキなど、お菓子作りに欠かせないお砂糖。愛犬のおやつを作る際「甘い方が喜んでくれるのでは?」と思う飼い主さんも少なくないと思います。黒糖(黒砂糖)は、犬が食べても大丈夫な食材ですが、あまりおすすめできません。今回は黒糖の成分や白砂糖との違い、与え方の注意点を紹介します。

犬に黒糖をあげるのは問題なし。ただし肥満に要注意


愛犬にあげているフードの原材料に「ショ糖」があるのを目にした経験がある方も多いと思います。ショ糖は、白砂糖の主成分です。嗜好性を高める目的や、天然の保存料として加えているメーカーは多く、適切な量であれば食材として危険性はありません。

黒糖は成分が少し異なりミネラルが多く含まれますが、危険なものはありませんので与えても問題はありません。しかし肥満や糖尿病などの原因になりますので、愛犬が欲しがったとしても、与える量には注意しましょう。


黒糖と白砂糖(グラニュー糖)の違い


黒糖(黒砂糖)は、さとうきびを原料としているため、沖縄や鹿児島の特産品としてよく知られています。

黒糖は白砂糖(グラニュー糖)や上白糖と比べてショ糖(甘味の結晶)の割合が少なく、元となるサトウキビの成分が多く残っているためミネラルが豊富です。黒糖が体に良い健康食材と言われるのは、ミネラルが多いためなのです。

もしかしたら黒糖は天然、白砂糖は化学的というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、製造過程が異なるだけで白砂糖もサトウキビ(もしくはテンサイ)を原料としています。

白砂糖はサトウキビを石灰と煮て余分な成分を取り除き、結晶を作ります。ここまでは黒糖のつくり方と同じですが、さらに遠心分離機でショ糖だけを極限まで取り出したものが白砂糖です。甘さ以外の余計な風味がないため、料理やお菓子づくりなどに重宝されています。

※参照:「食品表示に関するQ&A」(消費者庁)

黒糖に含まれる主な栄養素


タンパク質

タンパク質は、人間だけでなく犬にとっても丈夫な体づくりのために必要な栄養です。タンパク質は体内で生成されませんので、食品などから摂取する必要があります。

ナトリウムとカリウム

ナトリウムとカリウムは相互に作用しながら細胞を正常に保ったり、血圧を調整したりして恒常性を維持しています。ナトリウムは過剰摂取すると高血圧やガンの可能性が高まります。また、カリウムは過剰摂取してしまうと腎臓機能の異常につながる恐れがあります。

カルシウム

別名「天然の精神安定剤」とも呼ばれているカルシウムは歯や骨を丈夫にするだけではなく、神経や筋肉の活動を円滑に進むようにサポートをする役割をします。

リン

リンはカルシウムとともに骨を構成する重要なミネラルです。欠乏すると骨が弱くなるなど成長に悪影響が出てしまいますが、過剰に摂取すると腎疾患のもとになることもあります。

犬に砂糖を与えたい時は


犬用のパンやおやつ作りに黒糖は?

黒糖は少量であれば犬に食べさせても問題ありませんが、甘味をつけるためであれば、代わりにサツマイモや犬用ミルクを使うほうがおすすめです。

ただ、加齢などで愛犬の食が細くなり、どうにか栄養を補給してほしいときに甘くてミネラル成分も豊富な黒糖を活用する飼い主さんもいると思います。かかりつけの獣医師に相談して、糖分過多に注意しながら試してみるのもいいでしょう。


食欲が無いときや低血糖のときには「砂糖水」が有効

温めたお湯に黒糖などの砂糖を溶かした「砂糖水」。食欲が無くなかなか食べてくれないときの栄養補給や、低血糖時の迅速な糖分補給に有効です。こちらもかかりつけの獣医師に相談した上で、スポイトを用いてあげたり、飲むことが難しい場合は頬の裏側あたりに塗ってあげたりするといいでしょう。


黒糖を大量に誤飲してしまったら


黒糖蒸しパンや食パン、黒糖かりんとうなどの甘いおやつをうっかり出しっぱなしにしてしまい、愛犬が食べてしまったら……。黒糖自体に中毒成分はありませんので、すぐ問題になることはありません。まずは落ち着いて異変がないか様子を見守りましょう。甘いものを食べすぎると胃もたれを起こし、しばらくの間食欲が低下する場合もありますが、ほとんどの場合は問題ありません。

下痢や嘔吐などの症状が出た場合、大量に食べてしまった場合は、すぐに動物病院で診てらうようにしてください。その際、「いつ・何を・どれくらい食べたか」を伝えることが重要です。食品の袋などがあればそれも病院に持っていくと診察がスムーズになります。


まとめ


肥満や糖尿病のリスクに注意
甘味づけならサツマイモや犬用ミルクで代用を
どうしても固形物を食べなくなり栄養を少しでも迅速に与えたいときに砂糖水を作ってあげるなど、与えるとしても必要最低限にしましょう。

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