【獣医師監修】猫と電車移動しても大丈夫?マナーや注意点、料金などを紹介

【獣医師監修】猫と電車移動しても大丈夫?マナーや注意点、料金などを紹介

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実家への帰省や動物病院など、猫と電車(鉄道)で移動したいタイミングってありますよね。基本的に猫は電車に乗ることができますが、各鉄道会社で猫との乗車料金や規定サイズなどが異なります。今回は猫が電車に乗る前にしておきたい準備や持っておきたいグッズ、各鉄道会社で異なる乗車条件などを紹介します。

猫と電車移動しても大丈夫

猫

猫は基本的に各鉄道会社で定められたサイズのケージに入れて切符料金を支払えば電車に乗車することができます

また「猫とケージの合計の重さ」についても規定がある場合があります。ノルウェージャンフォレストキャットやメインクーンなどの大型猫を飼っている方は、特に気を付けてくださいね。

猫との電車移動時間

「乗り物なら平気!」という子もいれば「乗り物に乗ったらすぐに吐いてしまう」という子もいます。

電車で長時間の移動を初めて考えている飼い主さんの場合は、試しに一度電車で近場に猫と移動してみてもいいかもしれません。

猫の中には初めの1時間ぐらいは電車に乗ってもケロッとしていても、急に車酔いをしてしまう子もいます。そのため、猫が電車に滞在可能な時間は、猫それぞれによって大きく異なるため、愛猫の様子を気にするようにしましょう。

【鉄道会社別】猫を電車に乗せるためのルール

日本において猫は法律上、生き物ではなく人間の所有物、つまり「物」だとみなされ、公共交通機関を利用する際も猫は「手回り品」扱いとなります。

料金
乗車可能な動物の種類
キャリーケースの大きさ
注意事項
JR北海道
290円
小犬、猫、鳩またはこれらに類する小動物(猛獣やへびの類を除く) タテ・ヨコ・高さの合計が120cm以内の動物専用ケースにいれたもの。ケースと動物を合わせた重さが10kg以内 ドッグスリング、ペットカートの使用は禁止
JR東日本
290円
小犬、猫、鳩またはこれらに類する小動物(猛獣やへびの類を除く) タテ・ヨコ・高さの合計が120cm以内の動物専用ケースにいれたもの。ケースと動物を合わせた重さが10kg以内 ドッグスリング、ペットカートの使用は禁止
東京メトロ
無料
子犬や猫などの小動物(猛獣やヘビの類は除く) タテ・ヨコ・高さの合計が120cm以内の専用のケースに収納し、ケースと動物を合わせた重さが10kg以内 スリングなどの犬の体が出るもの、犬が出る可能性のある入れ物は不可
横浜市交通局
無料
犬、猫、小鳥等(乗客に危険を及ぼすものは不可) 容器を含めた総重量が20kg以内 スリングは不可。頭や体の一部でも容器から出ないようにすること
名古屋市交通局
無料
ペット(愛がん用小動物) 膝の上に乗せられる大きさ 乗客に危険を及ぼすものは不可、ケージは形状が容易に変形しないものに限る
大阪メトロ
無料
ひざ上で十分に抱ける程度以下の大きさであり、愛玩用として家庭で飼われている動物一般(ペット) 専用ケージ・ペット用キャリーバッグ等、持ち運びに適当な蓋ができる容器に入れること。容器は毛が飛散したり動物の姿が見えないようにする ペットバギー(カート)の持ち込みは可能。ただし、カバーの大部分が不透明であること、車内で回転可能な大きさであること
阪急電鉄
290円
小犬・猫・はと、またはこれらに類する小動物(猛獣およびヘビの類を除く)。 タテ・ヨコ・高さの3辺の最大の和が1.2m以内の専用の容器に入れること。専用の容器と小動物を含む重量が10kg以内。 ペット専用の容器は形状が固定されており、小動物の全身が入るもの
※出所:各社ホームページ参照

※各店舗・施設の情報は、編集部の独自調査を基に記載しています。掲載後に情報が更新されている場合がありますので、ご利用の際は必ず事前に電話等でご確認ください。情報に誤りがある場合や更新が必要な場合は、お手数お掛けしてしまい恐縮ですが、こちらの窓口までご連絡いただけますと幸いです。

猫を電車に乗せる前の準備

猫

猫を電車に乗せる前の準備について紹介します。

ケージに慣れさせる

ただでさえ慣れない電車に乗る上に、馴染みのない入れ物(キャリーバッグやケージ)だと、猫に過度なストレスがかかる恐れがあります。

そのため、ケージは新しい物を使うのではなく、普段から使い慣れているものを使うようにしましょう。

キャリーバッグやケージをあまり使用したことがない場合は、普段からリビングに置いてみてください。猫が「キャリーバッグは危なくない」と認識して、寝床として使ってくれるようになります。

猫がキャリーバッグに全く興味を示さない場合は、猫自身の匂いが付いたタオルやブランケットなどを入れてあげると効果的です。

乗車2〜3時間前までにごはんを終える

車酔いを抑えるためにも、電車に乗車する2〜3時間前にはごはんを終わらせましょう

ただし、猫はお腹が空きすぎても胃液を吐いてしまいます。猫が空腹にはならないように心がけてください。

温度管理

電車の中だけでなく、ホームでの待ち時間や乗り換え時などの、電車の外でも猫が快適に過ごせるようにしましょう

万が一のための迷子札とマイクロチップ

「うちの子はビビリだから大丈夫」「うちの子は外に興味がないから大丈夫」と油断してはいけません。

いつもとは異なる状況ですので、猫も興奮しています。猫の体調を確かめるためにキャリーバッグを少し開けた瞬間に猫が飛び出してしまう可能性も十分に考えることができます。

万が一の場合に備えて、猫には迷子札とマイクロチップを装着することを徹底してください。


猫と電車に乗車する際に役立つグッズ

猫

猫が電車に乗るためには「キャリーバッグ」は絶対に必要ですが、それだけではありません。

猫の飛び出し防止に備えた「ハーネス&リード」、体調をくずして嘔吐した場合に備えて「ペットシーツ」や「エチケット袋」「ウェットシート」などの衛生管理グッズなどが必要です。

キャリーバッグ

キャリーバッグは外が見えないようになっているものを選びましょう。猫が外の景色を見えない方が、猫にとって安心です。

素材が丈夫な物を選べば、飼い主さんが肩からキャリーバッグをぶら下げた際にキャリーバッグの底が凹まず、猫が安定することができます。

また、飛び出し防止リードが付いている物は、猫の脱走防止策になりますよ。


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ハーネス&リード

ハーネスは首元から胴体をしっかりと固定するため、安定感があることや、首輪よりも抜け出しにくいことが特徴です。

脱走防止策として猫にハーネスは必ず付けるようにしましょう。

キャリーケースのポケットなどにリードを入れておくと、キャリーから猫を出して少し休憩させてあげたい時など、いざという時に便利です。


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ペットシーツ

ペットシーツをキャリーバッグの下に敷いておくことで、猫がおしっこを漏らしてしまったり、嘔吐してしまったりした場合でもキャリーバッグの汚れを最小限にすることができます。

ウェットティッシュ

猫が万が一、車酔いで体調を崩してしまい嘔吐や下痢してしまった際の後片付けのために、ウェットティッシュを携帯しておくことをおすすめします。

水&フード

電車での移動時間でも、猫の水分補給はこまめに行うようにしてください。

電車でのストレスを感じた猫の中には、いつも以上によく鳴く子もいますので、普段よりも喉の乾きが早い子もいます。

また、長時間何も食べていないと、車酔いが悪化してしまう子もいます。そのため、いつも食べているおやつやキャットフードを持ち歩くと安心です。

エチケット袋

猫がおしっこや嘔吐をした後のペットシーツを放おっておくと、悪臭が電車に蔓延してしまいます。汚物を入れるためのエチケット袋は必ず持ち歩きましょう。


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タオル

猫は家具のすき間やダンボールの中など、狭くて自分の体が覆われる場所を好む動物です。そのため、キャリーバッグの中に家の臭いが付いたタオルを入れておくと、猫が安心して乗車することができます。

また、電車が急停車した際など、キャリーバッグが万が一転がってしまった際などの衝撃を和らげてくれます。

そのほか、猫が、乗客の顔が見えてしまったり話し声が聞こえてしまったりすると緊張する恐れがあるため、ケージを大きなタオルで多い隠すとストレス軽減につながります。

猫用の酔い止め

猫が車酔いするタイミングは猫によってそれぞれです。猫の中には「行き道は平気だったのに、帰り道は酔いが激しい」という子もいます。

電車の乗車時間がいつもより長かったり、猫が乗車経験があまりなくて不安だったりする方はお出かけ前に酔い止めを舐めさせてあげてもよいかもしれません。


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ポータブルトイレ

猫は犬よりもトイレの場所や環境にこだわりがありますので、犬のようにトイレシートがあればいいというわけにはいきません。そんな時に便利なのが携帯用トイレです。

使わない時以外は、コンパクトに畳んでおくことができるので、スペースをとらずに保管することができます。

いつ起こるか分からない地震などの災害で避難する時のためにも、用意しておきたいアイテムです。


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いつも使っている猫砂

猫はいつも使っている猫砂があると、自分の臭いが付いているため落ち着いてトイレをすることができます。

猫砂は意外と重量がありますので、移動先で購入を考えている方も多いと思います。その場合は、少量のいつもの猫砂を持っていって、移動先で購入した猫砂に混ぜてあげるだけでも効果的です。

猫と電車に乗る際のマナー・注意点

猫

猫を触りすぎない

「ちゃんと生きているかな?」「体調は悪くなっていないかな?」と猫の様子が気になって仕方ない飼い主さんの気持ちはよく分かりますが、電車でキャリーケースに手を入れて猫を触りすぎることは止めましょう。

猫がリラックスしようとしていても邪魔をしてしまいますし、見知らぬ乗客に「猫を見せて!」「猫を触らせて」と言われかねません。

また、飼い主さんがキャリーケースを頻繁に開け閉めをすると猫の毛が飛び散るため、猫アレルギーを持っている乗客がいる場合、発症をしてしまう恐れがあります。

鳴くようになったら一度外へ

電車の小刻みな揺れや周りの人の話し声など、普段とは異なった環境に対して猫は少なからずストレスを感じています。また、ストレスを訴えるために鳴くこともあります。

「猫の鳴き声がうるさいかも」と思った際は、一度電車から下車をしてください。

電車の乗客全員が猫に寛容的だとは限りません。そして、猫が鳴いている原因を探ってあげるようにしましょう。猫がトイレに行きたかったり、喉が乾いていたりと何かを訴えているかもしれません。

猫との電車移動は周りへの配慮を

猫

「犬は人につき、猫は家につく」ということわざがあるほど、猫は環境の変化に対して敏感な生き物です。

そのため、愛猫が電車でつらそうにしている時は一度降りて様子を伺ってあげましょう。

また、猫の鳴き声があまりにもうるさい場合は、周囲の人への配慮はもちろんですが、愛猫に過度なストレスがかかっている恐れがあるため、タクシー移動や自家用車での移動も検討しましょう。

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