【獣医師執筆】猫はキウイを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫はキウイを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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酸味と甘味がおいしいフルーツのキウイ。愛猫とキウイを楽しみたい方も多いと思いますが、猫はキウイを食べても大丈夫なのでしょうか?今回はキウイの栄養素や与える効果、皮やアレルギー、食べ過ぎなど与える際の注意点、キウイを見せるとマタタビと同じく興奮すると言われる理由を紹介します。

猫はキウイを食べても大丈夫

キウイ

キウイはビタミンCやビタミンE、食物繊維、カリウムが豊富な果物で、猫も食べられます。キウイに含まれるアクチニジンという酵素にはタンパク質の分解作用があり、食物繊維とともに胃腸の働きや消化吸収を良くする効果が期待できます。

ビタミンCやビタミンEは免疫力を上げる効果が期待でき、水分量が豊富なので水を飲むのが苦手な子や暑い季節の熱中症対策にもよいでしょう。なお、キウイは体を冷やす果物ですので、下痢気味の子は控えるようにしてください。

ただ、肉食動物である猫は腐敗の可能性がある酸味を好みません。酸味が強いキウイは苦手な子が多いかもしれません。


猫が食べて大丈夫なキウイの栄養素!

キウイ

キウイはニュージーランド原産のフルーツで、同国の固有の鳥である「キーウィ」が名前の由来です。国内では愛媛県や和歌山県が産地で10〜11月に収穫され、翌年の6月まで出荷されます。ビタミンCやビタミンEが豊富で、ミネラルではカリウムや銅が豊富です。キウイフルーツは果物の中でもトップクラスの栄養素を誇り、日々の食事の栄養バランスを補うのにぴったりの果物です。

ビタミンC

アスコルビン酸とも呼ばれ、生体内の異物を解毒する作用や、免疫機能を向上させる作用があり、キウイにはレモン8個分ものビタミンCが含まれています。人の場合、最も要求量の多いビタミンですが、猫の場合は生体内の合成が可能です。

ビタミンE

トコフェロールとも呼ばれ、抗酸化作用を持ち、アンチエイジングに効果があります。

カリウム

身体の中にある不要なナトリウムを排出する働きがあります。

キウイはマタタビと同じ分類

猫

キウイは、マタタビと同じ、マタタビ科マタタビ属の雌雄異株の落葉蔓性植物の果実です。猫はマタタビが大好きと言われますが、それはマタタビの木や葉、実に含まれる成分「マタタビラクトン」と「アクチニジン」が猫の上あごにあるヤコブソン器官で感知され、中枢神経を刺激し麻痺させて一時的に興奮状態にするためです。

実はキウイにも「アクチニジン」は含まれるため、キウイを見た猫が酔ったように興奮する場合があります。ただ、キウイには「マタタビラクトン」が含まれていないため、興奮度合いはマタタビほどではないようです。

猫へのキウイの与え方や注意点

キウイ

毎日与える必要はありません。与え過ぎは過剰な糖分摂取にもなり、肥満になる可能性があります。ダイエット中の猫は注意が必要です。

与えていい量

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。

皮は与えないように

皮は農薬残留の危険性があったり、消化によくないため、きちんと皮をむいてから与えるようにしましょう。誤飲してしまうと胃や腸に残り、嘔吐や下痢などを起こす可能性があります。

キウイはアレルギー食品

人間ではよく知られていますが、キウイは桃やメロンなどと並んでアレルギーの原因になる果物です。与えて数時間後に口や目のまわりを痒がる、食べたら嘔吐するという場合はキウイに対してアレルギーがある可能性があります。

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。


愛猫にキウイはおやつ程度に!

キウイ

最終的には愛猫の健康は飼い主さん次第です。そのため、きちんと正しい情報を理解した上で、愛猫がずっと健康で長生きできるように大切に育ててあげてください。

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