猫に味覚はあるの? 人と猫で異なる食材に対する味の感じ方とは

猫に味覚はあるの? 人と猫で異なる食材に対する味の感じ方とは

猫はキャットフードが主食ですが、「キャットフードって本当においしいのかな?」と疑問に思ったことがある飼い主さんもいるのではないでしょうか。味は気になるものの、食べてみる勇気はなかなか出ないですよね(ペトこと編集部のスタッフはよく味見しています)。今回は、猫が好む味の特徴や人間との違いについて紹介します!

猫と人間が感じる味覚の違い

人間は基本的に「酸味」「苦味」「塩味」「甘味」の4種類の「基本味」に加えて「旨味」を感じることができます。一方で猫は「酸味」「苦味」「塩味」の3種類を感じることができます。

猫が感じる酸味

犬は酸味を好みますが、猫は酸味を嫌います。この違いはそれぞれの採食パターンが深く関係しています。犬は大きな群れで獲物を狩って暮らしていました。犬たちは常に餌にありつけるわけではなく、「食べられる時にたくさん食べる」という方法をとっていました。一度に食べきれない量の肉は土に埋めて、掘り返して食べていたので、土の中で腐敗が始まった肉の特徴である酸味も好んで食べるのです。

一方の猫は、大きな獲物を時間を空けて食べるのではなくて、ネズミや小鳥などの小さな獲物を新鮮な状態で食べることを好みました。そのため、腐敗の特徴である酸味を猫はあまり好まないのです。

猫が感じる苦味

苦味は哺乳動物が嫌う味であり、猫も同様に忌避します。これは、苦味を本能的に毒であると捉えているからという説があります。ある実験で猫は苦味だけでなくて、ヌクレオチドという成分を忌避したというデータがあります。ヌクレオチドとは塩基と五炭糖とリン酸からなる核酸の最小単位のことです。ヌクレオチドは、イノシシ酸やグアニル酸などの旨味成分を含みます。

獲物を捕まえて殺すと、時間が経過するごとにイノシシ酸やグアニル酸の含有量が増していきます。「旨味成分をなぜ猫が忌避するのだろう?」と疑問に思った人も多いかと思いますが、ヌクレオチドが分解されると「ヒポキサンチン」になります。ヒポキサンチンの含有量が増えてしまうと、肉の鮮度が落ちてしまい、最終的に肉が腐敗してしまうことにつながるのです。つまり、新鮮な肉を食べることを好む猫は「ヌクレオチド」を「肉を腐敗させる原因」と捉えて忌避していることが推測できます。

猫が感じる塩味

猫は塩味を忌避はしませんが、高塩分の食材はあまり好みません。肉には適度に塩分が含まれているので、それ以上摂取する必要がないからだと考えられています。

猫は甘味を感じない?

猫はショ糖に反応する味蕾を持たないため、甘味を全く感じません。というのも、猫はショ糖を体が必要としていないのです。人間はご飯やパンなどの炭水化物を食べると、ブドウ糖に分解してエネルギーを生み出しています。対して猫は、肉に含まれているアミノ酸を変性させてブドウ糖を作り出しているのです。

「うちの子はお菓子やパンを食べていると必ず寄ってくるから、甘味を感じているに違いない!」と愛猫が甘味を感じていると信じている飼い主さんもいるかと思います。実は猫がお菓子を食べたがる場合は、甘味ではなくてバターなどの脂質に反応しています。猫は牛脂や豚脂などの動物性脂肪を好む傾向があるのです。また、白米や芋などの脂質が極めて少ない食べ物を好んでいる場合は、匂いや舌触りなど、キャットフードには無い食感を猫は楽しんでいます。

猫は「おいしい」が分かるの?

「猫は本当にキャットフードをおいしいと思って食べているのかな?」と気になったことがある人も多いのではないでしょうか。猫が食材を「おいしい」と感じて食べているかどうかは、まだ解明されていません。基本的に猫は食べ物を「毒が入っていないか」「食べても害はないか」のような「安全面」で判断しているようです。

猫はアミノ酸を感じることができる!?

近年の研究で、猫は「酸味」「苦味」「塩味」の基本味に加えて、「アミノ酸(脂肪酸)」に敏感に反応する能力を備えていることが明らかになっています。一言で「アミノ酸」といっても約20種類ほど存在し、猫にはアミノ酸の好みがあります。猫は「甘さ」を感じることができませんが、人間が舐めると「甘い」と感じるアミノ酸を好み、人間が舐めると「苦い」と感じるアミノ酸を嫌うようです。

必須アミノ酸の数(体内で合成できないため、食品から摂取する必要があるアミノ酸)は動物の種類によってそれぞれ異なります。人間は必須アミノ酸が9種類あるのに対して、猫は11種類もあります。ただし、猫はアミノ酸が必要だからといって肉や魚を毎日与える必要はありません。基本的に猫は良質なペットフードを食べていれば、健康に過ごすことができます。

猫草はなんで食べてるの?

猫は植物に対しての味覚は全く発達していません。猫が「猫草」を食べる理由としては「食感が好き」や「食べたら毛玉がなくなる(吐ける)」「ストレス解消」などが挙げられるようです。植物に対して味覚がない猫にとって「猫草」と「観葉植物」の区別は付きません。

観葉植物の中には、食べてしまうと命に関わるものもあります。猫を飼っている家庭は、観葉植物を置かないようにしてください。また、猫草に似ているからといって、「ニラ」や「ネギ」などの野菜も絶対にあげないでください。


猫には猫の食べ物を

食材には猫が食べていい物食べていけない物があります。基本的に猫は、良質な総合栄養食を食べていれば健康に過ごすことができます。積極的に人間の食べ物をあげず、猫が健康に過ごせるように心掛けるようにしましょう。

参照文献


第2稿:2018年1月20日 公開
初稿:2016年1月12日 公開
Share!