
ルームランナーといえば、トレーニングジムなどにある人間用のエクササイズ器具を思い浮かべる方がほとんどかもしれませんが、実は犬用のルームランナーもあります。犬は毎日の散歩が欠かせず、ルームランナーがその代わりにはなることはありませんが、使い方次第では犬の健康に役立つアイテムとなります。今回は、ルームランナーを使用するメリットや効果、使い方について解説します。
この記事のまとめ
- 犬用ルームランナーはダイエットや雨の日の運動不足対策に役立つが、散歩の代わりにはならない
- ベルトの長さが歩幅に合うか、低速から調整できるか、体重制限に合うかを確認して選ぶ
- 音や止まった状態に慣らしてから、短い時間・ゆっくりの速度で始める
- 使用中は必ずそばで見守り、リードで固定して放置したり、食後すぐに使ったりしない
犬用ルームランナーとは

犬用ルームランナーとは、人間用のものと同じく、ぐるぐる回るベルトの上を犬が歩いたり走ったりできる機械のことです。
犬用のものは人間用に比べると高さが低く、左右に柵が設置されているものもあります。電動でベルトが動くタイプのほか、犬が自分で歩くことでベルトが回る電源不要のタイプもあります。
ちなみに「ルームランナー」は和製英語で、英語圏では「トレッドミル(treadmill)」と呼ばれています。
犬がルームランナーを使用する目的

ルームランナーは決して毎日の散歩に代わるものではありませんが、犬の健康に効果が期待できる場合もあります。
ダイエット
ルームランナーを使用する第一の目的は、やはり「ダイエット」でしょう。肥満は犬の健康にとってよいことはなく、健康で長生きするためには適正体重を維持することが必要です。
一度太った犬のダイエットには飼い主さんの努力が必要で、無理のない範囲で食事制限や運動をさせなければなりません。
普段の散歩や遊びのほかに、少しルームランナーを取り入れてみるといいでしょう。太っている犬は、長い時間を1回行うより、短い時間を何回かに分けて行うほうが向いています(※)。ただし、くれぐれもルームランナーだけに頼らないようにしてください。
十分に運動できないとき
犬を散歩に連れて行ったり、ドッグランなどで運動させたりすることはとても大切なことです。しかし、悪天候の日や、朝夕でも暑い日などは散歩や運動ができず、運動不足になることもあるでしょう。
犬には十分な運動が必要で、運動不足は精神状態の安定にも関わってきます。外で運動させられないときには、自宅でできるルームランナーが役立ちます。
犬にとってルームランナーは散歩の代わりにはならない

ルームランナーの使用は、あくまでもダイエットや運動の補助的なものとして使用してください。ルームランナーがあるからといって、散歩をしなくてもいいことにはなりません。
犬にとって散歩に出かけるのは、運動以外にもさまざまな効果があります。散歩に出てほかの人や犬に出会うことは、犬の社会性を育てるために大変重要です。
また、犬は好奇心も旺盛な動物なので、散歩に出ていろいろなものを見て、においを嗅ぐことでその好奇心を満たすことができます。
散歩による精神的な効果は運動と同じくらい重要なのです。家の中にいるだけでは、これらを得ることはできません。
犬用ルームランナーの選び方
犬用ルームランナーを選ぶときは、次のポイントを確認しましょう。
ベルトの長さが愛犬の歩幅に合っているか
ベルトが愛犬の歩幅に対して十分な長さがあるかを確認しましょう。小型犬なら人間用のルームランナーを使えることもありますが、大型犬は人間よりも歩幅が大きいことが多いため、犬用のものを選ぶほうが安心です(※)。
速度を低速から調整できるか
慣れないうちはゆっくり歩くところから始めるので、低い速度から少しずつ上げられるものが使いやすいでしょう。すぐに止められる停止ボタンやブレーキがあるかも確認しておくと安心です。
体重制限と柵の有無
商品ごとに、使える犬の体重の上限が決まっています。愛犬の体重に合っているかを必ず確認しましょう。左右に柵があるものは、犬がベルトから落ちにくく、まっすぐ歩く練習もしやすくなります。
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犬用ルームランナーの使い方
いきなり動かしたルームランナーに乗せると、犬が怖がって嫌いになってしまうことがあります。次のように、少しずつ慣らしていきましょう。
ルームランナーに慣れさせる
ルームランナーは音が出るため、慣れないうちは怖がる可能性があります。いきなり犬を乗せるのではなく、においや音に慣れて警戒心がなくなるようにしましょう。
止まっている状態で乗せる
ルームランナーの存在に慣れたら、止まっている状態で犬を乗せたり、上を歩かせたりしてみましょう。
なかなか上にあがれないときは、おやつを使って誘導してもいいですね。ルームランナーに乗せるときに「乗って」などのコマンドを決めておくと、実際に使うときに役に立ちます。
乗り降りは、横ではなく後ろからさせるようにすると、途中で横に飛び降りる癖がつきにくくなります(※)。
最初は短い時間で
いきなりルームランナーを使いこなせる犬もいるようですが、初めは乗ることをためらう場合も多いでしょう。
無理強いせずに、最初はゆっくりと30秒〜1分程度、場合によってはもっと短い時間から始めましょう。
トレーニングができたらご褒美をあげる
ルームランナーでエクササイズができたら犬を褒めてあげて、おやつなどのご褒美をあげましょう。
ダイエットのためにルームランナーを導入したのに、おやつをあげたら効果がなくなると思う方もいるかもしれません。しかし、ほんの少しを数回あげる程度でも犬は満足しますし、ダイエット中だからといっておやつをまったく食べてはいけないわけではありません。
ルームランナーを上手に使用できたことを褒めてあげたほうが、継続したエクササイズにつながるので、ダイエットの妨げになることはないでしょう。気になるときは、「ささみ」などの低カロリーのおやつをあげるといいかもしれません。その分、ごはんの量を調整するのも忘れないようにしましょう。
犬が嫌がったら無理をさせない
犬に必要な運動量は、犬種や年齢、体格によって大きく異なります。どのくらいの時間や距離を目標にするかは、獣医師に相談するとよいでしょう(※)。
犬がルームランナーの上で歩けるようになっても、長時間の使用はやめましょう。犬の様子を観察し、嫌がる様子を見せたら中止してください。ルームランナーに嫌な印象を持たせないことが大切です。
犬がルームランナーに十分慣れたら、速度をあげるなど徐々に運動量を増やすようにしてみましょう。
犬がルームランナーを使用する際の注意点
必ずそばで見守る
犬にルームランナーを使用させるときは、飼い主さんが必ずそばで見守ってあげてください。
けがや命にかかわる事態になるおそれがあるため、決して犬をルームランナーにリードなどで固定して、放置してはいけません(※)。リードを付けるときは、首輪ではなく胴輪(ハーネス)に付け、飼い主さんが手に持っておきましょう。
ゆっくりスタートする
人間と同じように、初めはウォーミングアップのためにゆっくりしたスピードから始め、最後はクールダウンできるように再度スピードを遅くしましょう。
食後すぐの使用はNG
胃捻転を引き起こす可能性があるため、食後すぐの使用は避けてください。
胃捻転は大型犬に多いとされますが、どの犬種でも発症します。原因ははっきりとはわかっていませんが、食事の前後の運動や早食い、水のがぶ飲みなどは避けたほうがよいとされています。
運動後に水を飲ませるときも、一気に飲ませるのではなく、小分けにして少しずつ与えてあげてください。
子犬やシニア犬、持病のある犬は獣医師に相談
成長途中の子犬や、足腰が弱ってきたシニア犬、関節や心臓などに持病がある犬は、ルームランナーでの運動が負担になることがあります。使い始める前に獣医師に相談し、歩くだけにするのか、走らせてもよいのかを確認しておきましょう。
※参照:Vetstreet「Can I Train My Dog to Use a Treadmill?」、Whole Dog Journal「Dog Treadmill Choices」
犬用ルームランナーは運動の補助と考えて

ルームランナーを使用することにはメリットがありますが、これだけで犬の運動が足りるかというと、そうではありません。
犬を散歩に連れ出すことは、運動以外にも犬の情緒面で大きな役割を担っています。ルームランナーはあくまでも運動を補助するものと考え、必ずそばで見守りながら、愛犬のペースで使いましょう。
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