犬はどんぐりを食べても大丈夫?少量ならOKでも除草剤やカビに注意
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愛犬とのお散歩をしていたら、愛犬が道に落ちていたどんぐりをパクり……。秋になるとよく見かける光景ですが、犬はどんぐりを食べて大丈夫なのでしょうか? 好奇心旺盛な犬は、足元に転がるどんぐりに興味を持って近付いてみたり、匂いを嗅いでみたり、時には好奇心から食べてしまうことがあります。でも、少量であればすぐ体に悪影響を及ぼすことはありません。今回は、犬がどんぐりを食べてしまったときの注意点や影響が出た場合の症状を紹介します。
どんぐりとは、カシやクヌギ、ナラなどブナ科の木の実を総称したもので、リスの好物としても知られています。実は、縄文時代までさかのぼると私たち人にとっても貴重な食料の一つでした。戦時中の食糧難の頃には、どんぐりを食べていたこともあるそうです。
炭水化物、脂肪、タンパク質などが含まれるどんぐりは、実は栄養豊富な優秀食材でもあったのです。とはいえ、犬がどんぐりを食べた場合、以下の点に注意が必要となります。
タンニンの過剰摂取
どんぐりに含まれる主成分の「
タンニン」は、ポリフェノールの一種です。タンニンには、コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化のリスクを下げる効果が期待できます。しかし、人の場合は過剰摂取で、鉄の吸収を妨げられることがあります。
犬の場合も、
下痢などの原因になることがあるので、過剰摂取は防ぐようにしてください。
硬い皮に注意
どんぐりの皮はとても硬いため、犬の体内でうまく消化できません。そのため、異物を吐きだそうと嘔吐したり、どんぐりの皮が
消化器官を傷つけたり、腸閉塞の原因になる可能性があります。特に小型犬は注意が必要です。
除草剤やカビに注意
公園などに落ちているどんぐりの中には、除草剤が付着している場合があります。除草剤を口にすることはとても危険な行為で、犬が大量に摂取してしまうと最悪の場合、死に至るケースもあります。
また、どんぐりにはカビが生えていたり、内部に虫が住んでいたりすることがあります。どんぐりを家に持ち帰って加工したことがある方は、虫に出会った経験がるのではないでしょうか。犬が誤って食べると、嘔吐や下痢、発熱などの原因になる可能性があります。
犬がどんぐりを食べてしまっても、かなりの量を食べない限りは大きな症状が起こることはありません。ウンチと一緒に排泄されることがほとんどですが、硬い皮で消化器官が傷ついたり、消化不良を起こしてして元気をなくしてしまったりする可能性が無いわけではありません。
もし犬がどんぐりを食べてしまったら、しばらくは愛犬の様子を観察し、気になる症状があれば獣医師に相談するようにしましょう。
犬にとってどんぐりは食べる必要のないものです。散歩中に犬がどんぐりを食べていたら、そのままにせず必ずやめさせるようにしましょう。そのためには、拾い食い防止や口に入れたものを出させるためのしつけをしておくことが大切です。
どんぐりに限らず、タバコの吸い殻など危険な食べ物を誤って拾い食いすることは日常的に起こり得ることです。日頃から、「出せ」「ちょうだい」などのコマンドを教えたり、リーダーウォークやアイコンタクトを徹底したりして拾い食いを防止しましょう。
すでに拾い食いのクセが付いてしまっている場合は、散歩中のリードを短めに持つなど対策をしつつ、誤飲事故につながる前にドッグトレーナーに相談しましょう。以下の動画ではドッグドレーナーの西岡先生に拾い食いのやめさせ方を解説していただきました。ぜひ参考にしてください。
散歩中に、つい拾い食いしてしまうどんぐりは、少々食べた程度で大きな症状が現れることは少ないですが、やはり極力食べさせないのが一番です。普段から、拾い食い防止のためのしつけをしっかりと行いましょう。もし誤って犬がどんぐりを食べてしまったら、慌てずに様子を見て、気になることがあれば早めに獣医師に診てもらいましょう。
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