犬は掃除機が嫌い? 吠えたり逃げたりする理由やその対処法を解説

掃除機をかけると、怖がるわんちゃんも多いと思います。また、掃除機が苦手なことから、吠えたり逃げたり噛み付いてきたりと、問題行動を起こしてしまう子もいるのではないでしょうか。犬にとって掃除機はあまり好きなものではなく、反対にストレスがかかるものでもあります。今回は、犬が掃除機を嫌ったり怖がったりする理由や、その克服方法をご紹介します。

犬は掃除機が苦手?

ソファの上にいる犬

愛犬が掃除機が嫌いでお困りの飼い主さんもいらっしゃると思います。しかし、全ての犬が掃除機が嫌いなわけではありません。

筆者の愛犬4匹は、現在は掃除機を特に怖がりません。過去には怖がっていた子もいますが、今は全員が平気になりました。

大半の犬は掃除機が苦手

筆者の愛犬4匹のうち2匹は、最初から掃除機が特に苦手ではありませんでしたが、他の2匹は苦手でした。掃除機が苦手ではない、それどころか好きだというわんちゃんもいますが、犬の大半は掃除機が苦手だと思います。「愛犬が掃除機が嫌いだ」ということは、珍しいことでも変なことでもないのです。

怖がり方もさまざま

犬の掃除機に対する恐怖の表し方もさまざまです。

  • 家具などの下に隠れる
  • ケージに避難する
  • 落ち着きがなくなりうろうろする
  • 掃除機から逃げ回る
  • 掃除機に対して吠える
  • 掃除機にかみつく
  • 震える
  • 粗相してしまう

掃除機に対する恐怖心から犬がとる行動ですが、下にいくほどに強いストレスがかかっています。あまりに怖がるときは、掃除機の使用を控えるなどの対策が必要でしょう。

犬が掃除機が嫌いな理由

掃除機

犬の聴力は人間の4倍

犬の聴力は、人間と比較すると4倍以上も優れているといわれています。よく聞こえるうえに、人間に聞こえない音域までも聞き取ることができるのです。人間には聞こえず、犬にだけ聞こえる「犬笛」がありますが、これは犬の聴力を利用したものです。

人間の耳が聞き取ることができるのは2万Hzまでですが、犬は5万Hzまで聞き取ることができます。犬は野生で暮らしていたときは狩りをして暮らしていたので、「獲物となる動物の動きを聞き取ること」また、「守るべき子犬たちの声を聞き取るため」に高音域の音を人間以上に敏感に聞くことができます。そのため、犬は男性の声よりも女性の声を好むなど、高い音を好む傾向があるのですが、反対に掃除機やドライヤーの音や工事現場の音など、騒々しい音を嫌います。


轟音が苦手

犬は人間よりもはるかにいろいろな音を聞き取っていることがお分かりいただけたと思います。犬にとっては、騒音はよりうるさい音に聞こえるということですね。

人間でも、掃除機の音や工事現場の音が好きな人はあまりいないと思いますが、犬は耳の能力が優れているために、人間が聞き取れない音も感知していると考えられますし、より不快に感じるのです。

さらに、人間はなぜその音が発しているのか理解できますし、原因が判明すれば納得して我慢もできます。しかし、犬はなぜその轟音にさらされなければならないのか、なぜその音がするのかを理解できません。原因が分からないものには、不安を感じます。そういう点からも、犬は掃除機の音に対して恐怖感や不快感を抱くのです。

性格や育った環境が影響

掃除機の音は犬が好まない音の部類に入るので、好きではない子がのほうが多いのです。その上で、掃除機に攻撃的になったり、怖さのあまりパニックになったりといった、少し過剰な反応を示してしまうのは、もともとの性格や育った環境が強く影響していることが考えられます。

筆者の愛犬4匹のうち2匹は、子犬の頃から筆者が育てました。室内育ちで、幼少の頃から掃除機の音がするのが当たり前の生活を送っていましたし、怖がりの性格ではないので、この2匹が掃除機を怖がったことはありません。寝ているところに掃除機がやってきても、全く気にせず動こうともしません。

他の2匹は元保護犬で、掃除機が嫌いでした。屋外で飼育されていたり、ケージに閉じ込められていたりしていたため、どちらも虐待されて育ったという過去があります。ですので、そもそも掃除機に慣れていませんでした。そして、ケージに閉じ込められていたほうの犬は性格的にも臆病で、掃除機が嫌いでした。

屋外で飼育されていた元保護犬は、人間から殴られたり蹴られたりと暴力を受けていました。またその様子から、恐らく棒などの道具も使って殴られていたので、人間の手足とともに、人間が手に持ったものに対しても警戒心を抱いており、筆者が手に持った掃除機も例外ではありませんでした。

このように、育った環境や性格は、犬の行動に大きく影響します。虐待の過去がなくても、性格が臆病であれば不快な音を立てる掃除機に対しての恐怖は大きいでしょう。犬が掃除機が嫌いな理由は、耳の能力のほかに個性にもよるものなのです。

犬の掃除機嫌いを克服するには

怖がっている犬

掃除機に慣れさせる

生れたときからその家庭で育ち、なおかつ掃除機の音が日常にあるのが当たり前で、「掃除機は怖くない」と十分理解できていれば、掃除機を怖がらないまま育つことが多いと思います。しかし、掃除機の存在に慣れていない場合は、まずは音の元である掃除機に慣れさせるところから始めましよう。

いきなり掃除機で掃除をするのではなく、部屋に置いておくことから始めてください。掃除機の存在に慣れたら、1秒~2秒のごく短い時間、掃除機の音を聴かせます。おとなしく聞けたら褒めてあげましょう。初めて掃除機の音を聴くと、たった1秒でも吠えてしまうかもしれません。吠えてしまったら吠えるのをやめさせ、やめたら褒めてあげます。これを繰り返します。

うまくいかないときは、音を聴かせるときにまず隣の部屋などで音を出してみても良いでしょう。近くでの轟音でなければ、「え? 何の音?」と不信感を抱くでしょうが、恐怖心はそれほどでもないはずです。まずは、掃除機の音に慣れさせることから始めてみてください。

掃除機の使用は短時間にする

筆者の家には猫もいるので、掃除機の使用時間はなるべく短時間にするようにしています。掃除機を使ったほうが掃除しやすい場所にササッと掃除機をかけるようにして、大きなごみはほうきで取り、あとはお掃除シートを使うようにしています。

立体吸着型のシートを使用すると、毛などもかなり取れますし、掃除機のようにほこりを舞い上がらせるということもありません。シートを捨てる際に次のシートを装着しておけば、いつでも掃除をすることができます。

家中を掃除機で掃除すると、最低15分~20分程度は掃除機の音が鳴り響くことになりますが、お掃除シートを主力にすると掃除機の出番は短時間になり、わんちゃんに苦痛を感じさせる時間を短くできます。

音が小さい掃除機を使用する

音が小さい掃除機というものはなかなかないのですが、ロボット掃除機は比較的音が小さく、あまり怖がらないわんちゃんも多いようです。

避難場所を用意しておく

掃除機が怖くてどこかに隠れたくなる子には、安心できる場所を用意しておきましょう。犬は室内飼育をしていても、ケージやサークルなど、犬が安心して過ごせる場所を普段から用意しておいたほうが良いです。

犬が落ち着いて過ごせる場所に、柔らかい毛布などを敷いて犬が快適に過ごせるようにしておくといいですね。「ここにいれば安心」と思える場所があることで、ストレスが軽減します。


掃除機をかけたらごほうび

犬 笑顔

掃除機が苦手なわんちゃんであれば、掃除機をかけ終えたらごほうびをあげるようにすると「掃除機をかける=ごほうびをもらえる」と認識し、苦手意識が薄れます。吠えたり噛んだりするわんちゃんが、問題行動を起こさずにお掃除を終えることができたら、ごほうびだけでなく、大いに褒めてあげてください。犬にとって飼い主さんに褒めてもらえるということは、大変嬉しいことです。

また、当たり前にできるように見えても、褒めるのを忘れないでくださいね。「飼い主さんが喜んでくれるから犬は我慢している」ということを、忘れないようにしましょう。

まとめ


掃除機が嫌いになるかどうかは、性格や育った環境が影響する
犬の聴力は人間の約4倍もあるため、騒々しい音を嫌う傾向がある
少しずつ慣れさせることで、掃除機嫌いをある程度克服することは可能

飼い主として、愛犬のためにも掃除機をかけることは必須です。しかし、犬はそれを理解できませんし、掃除機の音は犬にとっては不快なものです。

ただし、掃除機嫌いは訓練次第である程度克服することができます。また、できなかったとしても、お掃除シートなどでかなり代用できます。わんちゃんと飼い主さんの双方が、なるべくストレスが少ない方法で暮らせることを願っています。


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