【トレーナー解説】犬が嫌いな音やその周波数は?克服法を解説
犬は人間の4〜6倍もの聴覚を持っています。そのため、私たちが気づかない音に吠えたり、怖がったりすることも。特に嫌いな音に関して、恐怖心が芽生え、パニック状態になる場合もあります。今回は、犬にとって不快な音や嫌いな音の克服法などを、ドッグトレーナーの西岡が解説します。
犬の聴覚
犬の聴覚は嗅覚の次に鋭い感覚器官です。
人と同じく五感を持っている犬ですが、聴覚に関しては人の4~6倍といわれています。
犬が聞こえる周波数(可聴音域)
人間は、20〜2万ヘルツの範囲の音を聞くことができますが、犬は最大で約5万ヘルツまでの音を聞くことができます。つまり、犬は人間よりもより高い音を聞くことができます。人間が日常生活で耳にする音は、日常会話で最大約4000ヘルツ、飛行機の音でも最大で約1万3000ヘルツです。
犬が好きな音と嫌いな音
犬には音の好き嫌いがあります。
その子によって「好き・嫌い」「怖い・怖くない」は異なるため、愛犬がどんな音に対してどんな反応をするのかも、日頃からよく観察してみてください。
犬が好きな音
- 袋などを開けるカサカサ音
- 食器にフードを入れた時のカラカラ音
- 冷蔵庫の開け閉めの音、まな板の上で包丁を使う音
- オモチャなどでのキューキュー音など
個体差は大きいですが、好きな音は後天的にそうなったものがほとんどです。大好きなもの(フードやオヤツ)との関連付けが多いようです。
犬が苦手な音
- 雷
- 花火
- 掃除機
- ドライヤー
- 工事現場などの金属音・振動
- トラックや電車、飛行機など
- 室内にいる状態での外の物音など
苦手な音は好きな音とはまた違って、後天的なものもありますが先天的に苦手な音が多いです。
犬が嫌いな音を聞いた時に見られる行動
犬が苦手な音に対しての反応は基本的に同じで、ほとんどが恐怖反応です。行動としては、強い恐怖からの恐慌状態(パニック)になり「逃避行動」(とにかくその場から離れたい、隠れたい)が多く「攻撃・破壊行動」を起こす場合もあります。
強いパニックになると、周りへの認識も消し飛び、飼い主がいくら名前を呼んでも、なかなか落ち着かなくなります。
犬が特定の音を嫌いになる原因
もともと嫌いなケースも多いですが、平気な音だったのに嫌いになるということもあります。
その原因は、強い衝撃を受けることによって嫌いになってしまうというケースです。
具体例
- 遠くの花火は平気だったのに、花火大会の打ち上げ現場近くに一緒に花火を見に行ったら、音の大きさに恐怖心を抱いてしまい、それ以降どんな花火の音も嫌いになった
- 工事現場は平気だったのに、鉄骨が落ちる音などを経験してビックリして以来、工事現場の音の全てが嫌いになった
- 地震の時の揺れやアラーム音に飼い主さんがパニックになり、それを見た犬もパニックになった
- シャンプーの後のドライヤーが苦手で嫌がったら、飼い主に怒られた上に無理矢理ドライヤーをされて、もっと嫌いになった
実際に経験したことだけでなく、音を経験した時の飼い主の対応によって、より苦手になってしまうケースもあります。
犬が嫌いな音を聞いた時の対処法
嫌いな音を避ける
恐怖からパニックになる犬の場合、パニックになってから対処するのは困難です。強いパニック状態の時には、飼い主さんの声も聞こえず、周りの状況も見えなくなります。そのため、飼い主さんができる限り事前予測をして、パニックにならないように対処することが大切です。
- 散歩中の工事現場は通らないようにする
- 交通の多い大通りは極力歩かないようにする
- 掃除機やドライヤーを使うときは、部屋を別にしたり、クレートに入れタオルをかけて目隠しをしたりする
嫌いな音から離れる
散歩中など嫌いな音を避けることができない場合には、まずはリードを短く持ち、パニックによる首輪抜けなどの脱走防止や、他の歩行者や自転車などと接触しないように配慮し、音から離れましょう。パニックのときに「自転車の転倒」や「人に蹴られてしまう」などの要因が重なると、余計にトラウマなる恐れがあります。
また、音の対象が通り過ぎて行くものであれば、リードを短く持ち、必要に応じて飼い主さんもしゃがみ(あくまですぐに動ける状態であること)、声をかけながらなでるなどして落ち着かせてあげ、音が遠ざかるのを待つことも一つの方法です。
音が鳴っている間や、音から開放された後にトリーツをあげることで、「嫌な出来事で終わらせない」というフォローも大切です。
嫌いな音に愛犬を慣らす方法
花火や雷が苦手な犬のことを「音響シャイ」といいます。
僕の経験上、一度「音響シャイ」になると、それを改善、克服するのはかなり難しいです。
ただ、完全な克服は難しくても、パニック症状を少しでもやわらげることはできます。
クレートなど安心できる環境を用意してあげたり、飼い主が近くで穏やかに声をかけてあげることで落ち着くのが早くなったりもします。
雷や花火以外の苦手な音、ドライヤーや掃除機、工事現場系、車や電車などに関してはそこまでシビアではなく、トレーニングで少しずつでも克服、改善はできます。
音の刺激ができる限り少ない状態で、おやつといったご褒美を使っていっぱい褒めて自信を付けさせていくことで、苦手意識を徐々に克服させていきます。
とても慎重にトレーニングしていく必要があるため、ドッグトレーナーに相談することをオススメします。
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まとめ
個体差はあるが、犬にも音の「好き・嫌い」「怖い・怖くない」がある
それまで平気だった音も嫌いになるケースがあるので、注意が必要
トレーニング次第では、苦手意識を徐々に克服させてあげることも可能
個体差もかなり大きいですが、犬は優秀な聴覚を持つからこそ、さまざまな音に対してすごく敏感です。
平気だと思っていても、人間社会は犬にとって刺激的で苦手になり得る音が溢れていることを忘れずにいてあげてください。
一番のオススメは、苦手になる前の子犬期から、いろいろな音に対して少しずつ慣れさせていくことですよ!
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