三毛猫の性格や特徴を解説!3種類の毛色や「福猫」と呼ばれる理由とは

三毛猫はオスが生まれることが大変珍しく、学校で遺伝について学ぶ際の題材として知った方も多いと思います。オスが少ないからメスは多いと思っている方もいると思いますが、実はメスの三毛猫の数は減少傾向にあると言われています。筆者は保護活動をしていますが、実際に三毛猫の保護数は比較的少ないと感じます。希少種になりそうな三毛猫とはどんな猫なのでしょうか。今回は三毛猫の特徴や性格について解説します。

三毛猫の特徴

三毛猫はどんな猫を指すのでしょうか。特徴を紹介します。

三毛猫は三色の毛を持つ猫

三毛猫
三毛猫とはその名の通り、三色の毛色を持つ猫のことです。毛色は「白」「黒」「茶」で、その三色が入っていれば三毛猫と呼ばれます。同じ三毛猫でも、黒い毛がこげ茶色だったり、全体的に薄い色だったり、縞模様が入っていたりとバリエーションがあります。サビ猫も三毛猫の一種とされています。

三毛猫は英語でなんて呼ぶ?

英語では三毛猫のことを「Calico cat (キャリコキャット)」と言います。calicoは「更紗」(さらさ)というインド起源の文様染め製品のことを指しすことが多いのですが、「2〜3色の色が入り混じった・まだらの」という意味もあります。つまり英語名は「まだらの猫」という意味でしょうか。海外では猫以外にもまだら模様を持つ動物のことをcalicoと言います。
その他にもべっこう柄と白い毛の猫という意味の「tortoiseshell and white cat(トーティシェル・アンド・ホワイト・キャット)」とも呼ばれることもあります。さらには、「Mike(ミケ)」という日本語がそのまま使われることもあるようです。

三毛猫は海外で人気

日本ではさして珍しい毛色とは思われていない三毛猫ですが、海外では少し珍しいようで人気が高いです。「日本の猫」として海外の人が思い浮かべるのがジャパニーズボブテイルです。ただ、ジャパニーズボブテイルは戦後に日本から持ち出された猫を改良し繁殖させた種類ですので、厳密には日本原産とは言えないかもしれません。ジャパニーズ・ボブテイルの特徴が短いしっぽと三毛です。この姿が海外ではあまりないものだったことと、「日本的な外見」という印象から珍重されているようです。ジャパニーズボブテイルは、欧米では「Mike(ミケ)」という愛称で呼ばれているのです。

三毛猫の種類

三毛猫といっても毛色が少しずつ異なる場合があり、それぞれ異なる呼び名が付いています。

パステル・ミケ

パステル・ミケ
Photo by Cstrwbrrys
ちゃんと三色の毛色を持っているのですが、茶色の毛が肌色やベージュに近かったり、黒い毛がグレーであったり、全体的に色の濃度が薄い三毛猫のことを「パステル・ミケ」と言います。パステル・ミケを英語では「Dilute calico(ダイリュート・キャリコ)と言いますが、ダイリュートとは薄めるという意味で、ダイリュート遺伝子が発現すると猫の毛色がパステルカラーになります。パステル・ミケを筆者は過去に1匹しか保護したことがなく、少し珍しい三毛猫と言えるのではないでしょうか。

縞三毛

縞三毛
茶色の毛や黒い毛の部分に縞模様が入っている三毛猫を「縞三毛」と呼びます。額のMの字の模様やクレオパトラ・ラインと呼ばれる目からのびる縞模様など、縞模様がある猫の特徴がみられます。

純血種の三毛猫

三毛猫は日本に多いとされますが、世界中に存在しています。雑種の猫だけの特徴ではなく、純血種の猫でも三毛猫の毛色になる場合があります。メインクーンスコティッシュフォールドなど、特定された毛色ではない純血種の猫が3色の毛色を持っていることもあります。

三毛猫はほとんどがメス

三毛猫
三毛猫にオスがほとんどいないということは、猫好きさんであればよく知っている話ですね。なぜ三毛猫はメスしか生まれないのでしょうか。

メスしかいない理由

猫は毛色によって、オスとメスが発現する率が違うことがあります。三毛猫、サビ猫はほとんどオスがいませんし、茶トラはオスのほうが多いです(茶トラはメスがいないわけではありません)。三毛猫はほぼメスしが存在しておらず、三毛猫のオスは超希少種です。
猫の白以外の毛の色の遺伝子は、性別を決める染色体に付随します。メスの性別を決める染色体は「XX」、オスは「XY」ですね。茶色と黒はX染色体にしか付随しないので、「XY」であるオスは、白ともう1色しか持てないのです。そのため、オスには「白×黒」「白×茶」の2色や、「黒のみ」「茶色のみ」といった毛色になり、3色の毛色を持つことができません。XXで色を持つことができる染色体が2本あるメスが三毛猫になりうるのです。

オスの値段は3000万円!?

三毛猫にはほぼメスしかしませんが、オスが全く生まれないわけではありません。ごくまれに「XXY」などX染色体を2本持って生まれるオス猫がいるのです。メスと同じようにX染色体が2本あるので3色の毛色を持つことが可能になります。ごくまれに存在するオスの三毛猫は超希少種で、筆者もテレビで紹介されているのを見たことがありますが、なんとお値段は3000万円とのとこでした。オスの三毛猫はいわば遺伝子異常で生まれてきた子なので、繁殖能力がない、病気にかかりやすい傾向があるなどと言われています。
三毛猫のオスが生まれにくい理由について、詳しくは遺伝学担当の今本先生の記事をご覧ください。

三毛猫の性格

三毛猫
三毛猫は好き嫌いが激しく、プライドが高い性格で賢いと言われています。確かに筆者がこれまで保護してきた三毛猫はそのようは傾向が強いと思います。好き嫌いが激しいというよりツンデレな性格でいつも甘えてばかりなのではなく、かまって欲しいときとそうでないときがはっきりしていることが多いです。いわば猫らしい性格ですね。あまり自己主張は強くなく、大暴れしたりすることが少ない点が賢いと感じられるのではと思います。これらの傾向は三毛猫だからというよりも、三毛猫がメスしかいないので「メスの特性=三毛猫の性格」としてとらえられているのではないでしょうか。
猫の性格が毛色の違いによって異なるかどうかははっきりとわかっていません。筆者は保護活動をしており、たくさんの猫をさまざまな環境から保護してきました。その経験から、猫の性格は個々の個性や生まれ育った環境が大きく影響すると感じています。筆者が現在保護している三毛猫姉妹は、泥とフンとエサがごちゃませになった劣悪な環境で、飢えに苦しんだというトラウマがあります。たぶんそのせいで、ありとあらゆるビニール袋や箱の中に食べ物がないか確認しないと気が済まず、三毛猫の性格と言われる「賢く、飼いやすい」という傾向はあまり見られません。生まれ育った環境が性格や行動に大きく影響している例だと思います。

三毛猫は福猫

三毛猫は幸福を招く福猫だと言われることがあります。

招き猫のモデル

招き猫
開運招福のご利益があるとされる招き猫ですが、日本人なら誰でも知っている存在ですよね。最近の猫ブームでかわいい招き猫もたくさん販売されており、海外の方にも人気です。現在では真っ白や、真っ黒などいろいろなバージョンがある招き猫ですが、もともとの招き猫のモデルは三毛猫です。そのため、三毛猫自体も福猫であると言われているのです。

たま駅長

たま駅長
Photo by Takobou
和歌山電鉄貴志川線貴志駅の駅長だった三毛猫の「たま」。日本だけでなく世界中で有名です。たまの姿を見たくて多く人が駅を訪れ、まさに生ける福猫、招き猫でした。2015年にたまが亡くなったときは、CNNやBBCなどの世界有数のニュースメディアまでがその死を伝えたほどです。

 三毛猫は減少傾向

日本ではありふれた猫と思われがちな三毛猫ですが、海外ではちょっと珍しい存在であり、実は日本でも減少傾向であるとされています。洋猫との交配などにより、白、黒、茶のきっぱりした色で構成された毛色の元来の三毛猫が少なくなってきていると言われているのです。その代わりに増えてきているのが、縞三毛やキジ三毛です。筆者も保護活動をしている中で、そもそも三毛猫の数がそれほど多くはなく、従来の三毛猫の保護数は数匹のみとなっています。ここ数年で保護した三毛猫はすべて縞三毛かキジ三毛です。いまや、欧米の人が日本らしい猫として珍重した従来の三毛猫は貴重な存在になりつつあるのかもしれません。

三毛猫の里親になろう

三毛猫
三毛猫は猫の品種の名前ではありません。三毛の毛色を持つ純血種猫もいますが、通常は三毛猫を家族に迎えるためには保護猫の里親になるのが一般的でしょう。筆者の経験では従来の日本猫らしい三毛猫はあまり多くないように思いますが、縞三毛、キジ三毛は数多く保護されていますし、たくさんの子が里親さんを待っています。ぜひ、保護猫の里親になることを考えていただきたいと思います。
関連リンク

三毛猫は飼いやすい

三毛猫はメスが多いため、でれでれの甘えっこは少ないですが、ツンデレの猫の魅力を存分に発揮してくれる猫です。あまり自己主張も強くなく、聞き分けもいい傾向が強いので飼いやすいと言えるでしょう。この記事を読んで三毛猫の里親さんになっていただければ嬉しいです。